【R18】初夜を迎えたら、夫のことを嫌いになりました

みっきー・るー

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  ◆

 見知らぬ屋敷を出て中庭の小道を進んでいくと、大地に落ちる影が増えていく。
 顔を上げると、まるで緑の回廊のように林檎の木が小道の両側を挟んでいた。
 生い茂る葉の中に点在する赤い果実が目に鮮やかで、夢中になって上ばかり見ていると、つんつんと優しく袖を引かれる。
 困ったような顔をした同い年の少年が、「上ばかり見ていると転びますよ」と言う。
 それもそうかと思い前を向くと、振り返ったおにいさまと目が合った。

「ペレーネ、林檎を食べたいのか?」

 揶揄う口調で笑い、彼は先導する屋敷の主へと視線を戻す。
 しばらく歩くと眼前の景色が開けた。
 そこには陽光を反射してきらきらと輝く池がある。静かで神秘的な雰囲気を漂わせていて、少しだけ怖い。

「ここが精霊の生まれた池か」

 おにいさまはそう呟き、池の端に建てられた祠を見やる。ここへ案内してくれた背の高い男性は、その視線に応じるように祠を開いて見せた。
 祠の中には青い宝石が鎮座している。そこに宿る精霊の気配を感じたけれど、私はそれ以上に目の前の景色が気になった。
 池の周りには広々とした林檎の果樹園が広がっている。ずらりと並ぶ林檎の木にはたくさんの赤い実がなっていた。
 果実が太陽の光を受けて輝き、風に揺れる葉の音が静かな響きを持って広がる。まるで夢の中にいるみたいで現実味がない。
 一本の木に近寄りその幹に触れてみると、精霊の加護が満ちていて、この場所を精霊が気に入っていることが分かる。
 おにいさまを見ると、木の葉をまとったつむじ風にまとわりつかれていた。

「おにいさまって、精霊にも人気なのね……」

 まだ私たちは社交界に出る年齢ではないけれど、おにいさまが普段から人目を引くことはよく知っている。
 大変だなと他人事のように眺めていると、またしても袖をつんつんと控えめに引っ張られた。

「あ、あの」

 屋敷の主の一人息子である少年は、私と同じ年だと言っていた。しかし、金色の髪と青い瞳はおにいさまと同じだ。

「なあに?」
「林檎……、食べたいですか?」
「……?」
「さっき、あの」
「林檎は食べたいわよ?」
「す、好きな林檎を選んでいいよ」
「好きな林檎?」

 彼は緊張しながらそう言って、近くに生えている林檎の木を見上げた。赤の色味や大きさもまばらな果実が、たわわに実っている。

「どうせなら大きくて真っ赤な林檎を食べたいかも……」
「じゃあ、欲しいのを選んで」

 そう言って、彼は離れた場所に控えていた侍従の元へ駆けていってしまった。

「どれにしようかしら」

 選んでいいと言われると俄然やる気が湧く。木々のあいだを歩きながら、気になった林檎にいくつか目星をつける。
 その中でもひときわ大きい林檎を見つけた。緑の葉を背景に真っ赤な色が映えていて、よく分からないが美味しそうに見える。

「ようし、あれにするわ」

 きょろきょろと辺りを見回して手近な棒を見つけた。それを手に持ち、背伸びをして林檎にぶつけようと試みる。

「……っ、せ、背が足りない……っ」

 木に登ったほうが早いかもしれない――なんて思った瞬間、慌てて駆け寄ってきた少年が私の手から棒を奪った。

「だ、だめだよ!」
「どうして?」
「危ないし、それに君はお姫様でしょう!?」
「お姫様……?」

 予期せぬ言葉にきょとんと目を丸くすると、彼はぽいっと離れた土の上に棒を投げ捨てた。

「お花みたいな服を着ているし、お父様が久しぶりに部屋を出てくるくらいだから……」
「何を言っているのか分からないけど、私はお姫様じゃないわ」

 確かに外行きの装いなので、スカートは過剰なくらい膨らんでヒラヒラとしている。
 どう返答をしようか考えていると、彼の後方で脚立を手にしている使用人の姿に気付いた。

「林檎、取ってくれようとしていたの?」
「そ、そうだよ……」
「好きに取っていいと言われたのだと思ったわ」
「僕らには無理だよ……」
「私、どの林檎にするか決めたんだけど」
「うん」

 頭上にぶら下がる大きな果実を指差すと、彼は使用人を呼んでそれを採らせた。そして、彼の小さな両手におさまりきらない大きさの林檎を差し出す。

「嬉しい!」

 受け取った林檎は、私の小さな両手にも余るくらいの大きさだ。落とさないように指先に力を入れて握る。

「僕もお二人が来てくれて嬉しいです。お二人が来てくれたから、お父様も少しだけ僕とお話ししてくれたから……」

 そよそよと吹く風が彼の金髪を揺らしている。目の下に涙の痕が残っていることに気付いて、目が離せない。

「ねえ、あなた、お友達がいないの? 私と遊ぶ?」
「え……?」
「この林檎はおにいさまに持ってもらおうかしら。おにいさまは私よりも手が大きいから平気よね。私、走るのは得意なのよ?」
「林檎は……周りの誰かに持たせても怒られないと思う……」
「あ、それもそうね」

 私の周りはいつも大人に囲まれている。きょろきょろと見回しながら、誰に託そうか考えていると、少年は吹き出し笑った。

「誰を選んでも同じだよ」

 彼は青い瞳を細めて柔らかく笑う。
 なぜかその姿を見ていたら、どくんと心臓がひとつ高鳴った。そのあとは、鼓動が忙しなくなって、走ったあとのような状態になる。

「え……、ええ……?」

 なんだかおかしい。

「? どうしたの?」

 覗き込むように問われて、頬がかっと熱くなった。思わず手にしていた林檎を彼に押しつける。

「え!?」

 慌てておにいさまに駆け寄り、精霊にまとわりつかれているのも構わずに、おにいさまに抱きついた。

「うっ、ペレーネ、勢いよく抱きつくな……」

 ごすっと腹に突っ込んできた私を諫めつつ、おにいさまは顔を胸元に押しつけてくる私に目を丸くする。

「どうした? 遊んでいたんじゃないのか?」
「あの子といると、どきどきします!」
「は?」
「突然、どきどきして恥ずかしくてそわそわして、わ、私、おかしくなってしまったのかも」
「お、落ち着け……」

 早口でしゃべり続ける私の口をおにいさまは手で塞いだ。そして、林檎を持って唖然としている少年を見やる。

「ペレーネ。彼のほうが困っているように見えるよ。意地悪をされたわけじゃないんだろう?」

 私は、おにいさまの手から逃れて、ぷはっと息を吐いた。

「そんなことされていません。とても親切にしていただいて、林檎をもらいました……あ! 林檎は!?」
「せっかくもらった物なのに理由もなく返すのはよくない。おまえが同じことをされたら嫌だろう? 息を吸って吐いて、もう一度話しておいで。どきどきするなら、そのたびに深呼吸をするんだ」
「わ、分かりました」

 おにいさまの大人びた助言を胸に抱いて、私は散々練習した淑女の歩き方を実践することにした。
 突然の奇行におののいていた少年は、林檎を握ったまま私を怖々と見ている。

「わ、私、あの、林檎を……」

 何を言ったらいいのか分からなくて、結局欲しい物だけを伝える形になってしまった。
 失礼だとは思いながらも、また走り出したい気持ちになっているから、これが精一杯だ。

「はい、どうぞ」

 彼は深く訊ねるのは避けてくれたようだ。手にしていた真っ赤な林檎を差し出してくれる。
 そして、あの柔和な笑顔で微笑んだ。

 ◆

 予定していた日程よりも早く業務を終えたおにいさまは、早々に領地を発つことになった。人当たりの良いおにいさまは、多くの人と親しくしていたようで、見送りに訪れる者も多い。
 部屋で荷物の最終点検をしながら、窓の下に集まる人々の姿を見て、おにいさまは笑った。

「まるで今生の別れのようだな」
「おにいさまは隣国で結婚されますし、ある意味、同義では?」
「おい、勝手に殺すな」

 軽い口調でいつものように会話を交わす。
 久しぶりに会ったおにいさまに最初は距離を感じていたけれど、そのぎこちなさも次第に消えていった。そして、別れの挨拶に訪れたはずが、なぜか荷造りを手伝わされている。

「あれからアーファ殿の様子はどうだ?」
「必要最低限の会話はしてくださいますが、それ以上はあまり……」
「そうか……おまえを巻き込む形になり悪かった」
「いいえ、どうせ私は無理に婚姻を迫った側ですから」

 その事実はどうやっても覆らない。
 何度話しかけても、理由をつけて顔を背けられてしまう。
 夜眠る時、夫婦の寝室に行き、アーファ様の部屋の扉を叩こうと思うが、そのたびに手が止まる。
 アーファ様が酒を飲み眠ってしまっていた夜。なぜ夫婦の寝室にいるのか不思議だったが、自分がその立場になってようやく理由が分かった。
 彼も同じように、私の部屋の扉を叩こうとしていたのだろう。
 私がアーファ様に向けていた態度と同じものを返されているだけだ。酷い言葉を吐いたりしない彼の方がよほど誠実に思える。

(いつもこんなふうに胸を痛めていたのかしら……)

 想像すると涙がこみ上げてきて、そのたびに私は目元にぐっと力を入れる。
 アーファ様の言っていた言葉を自分なりに咀嚼したけれど、結局よく分からなかった。

「おにいさま。アーファ様が、私は『おにいさまを恋い慕っている』と仰っていました。そうなのでしょうか?」
「そういうことは自分で考えるものだ」
「分からないのです……」

 自分でもこんなことを本人に問うのはおかしいと思う。けれど、どうしても聞いてしまう。

「ペレーネ、おまえは自分の好むものと周囲の求めるものが、乖離していることに気付いているか?」
「ええ、それはなんとなく……」

 私は令嬢に求められる上品さや優雅さ、淑やかなものを苦手としていて、その真逆を好んでいる節がある。

「おまえは他人に『こちらのほうが良い』と言われると、それが最適解なのだと思い、己の意志を殺してしまう節がある。淑女らしく振る舞うようにと強く躾けられてきたせいで、『他者の評価したものが自分の好ましいもの』と思うようになってしまったのだろう。たとえば、おまえの容姿には派手な色が似合わないとか――そういう話だ」

 同じような話を以前したことを思い出した。
 アーファ様が不思議そうに私の好む色を聞いてきた時だ。
 あのとき私は、彼が何を感じていたのか分からなかった。

「他人の目を気にして、本当に好きなものと評価されたものが混ざってしまったのかもしれないな」

 以前、すぐ感情に名前をつけたがると言われたことがある。よく分からない感情だからこそ、答えを明確にしたくて、他人に答えを求めてきたのだろうか。
 思っていたような反応をもらえないたびに、それを好きになることはおかしいことなのだと感じるようになっていた。嫌いでなければ、それはきっとすべてが『好ましい』のだ。

「おにいさま。私はアーファ様を好きだと錯覚していたのでしょうか……」

 確かに初夜でひどい虚無感に襲われた。雑に行われた行為も、あちこちに感じた別の女性への想いも。
 それら全てが彼のことを好きでなかったからこそ、余計に嫌悪が増したなんて、アーファ様には意味が分からなかっただろう。

「当時、おまえが『恋をしている』と思い込むだろうと考えて、わざと言ったんだ」
「なぜそんなことを……」
「おまえがアーファ殿に惹かれていたからだよ。あの頃、おまえにもたくさんの縁談がきていただろう。どこの誰よりも幸せになれそうな相手に嫁いで欲しかった。まあ、結果的に逆の行動をしてしまったが……」

 おにいさまは気まずそうに視線を落とす。

「すべて俺のエゴだ。アーファ殿には婚約者もいた。おまえの言うとおり強引に婚姻を進めた上、精霊の件では俺が一瞬の判断を誤ったせいで、取り返しのつかない事態をもたらしてしまった……」
「おにいさま。今、私が抱いているアーファ様への気持ちは、当時と異なることに気付いたのです。それは――」

 少しずつアーファ様の人となりを知っていき、以前よりも更に彼のことが気になって目を離せない。
 勝手に彼の感情を想像しては胸が締めつけられて痛い。

「それが何なのかは自分で気づけるさ。だっておまえは、過去にも同じ気持ちを抱いたのだから」

 おにいさまは私の頭を優しく撫でて導くように言葉を続けた。

「俺に対する感情と、アーファ殿に対する感情は同じものか?」

 なんて問いかけをするのだろう。
 泣きたくなる気持ちを堪えながら、私はおにいさまの美しい顔を見つめ返す。

「違います」

 アーファ様に出会う前の、おにいさまに対する感情も、今とは少しだけ異なっていた気がする。
 見えない一線がずっと目の前にあって、それを越えてはいけないと踏みとどまっていた。
 いつだって私が気に入るものは、好きと露わにできないものばかりだ。

(……私はおにいさまに恋をしていたのね……)

 私の気づきを彼は察してしまったのかもしれない。
 おにいさまは青い瞳を細めて微笑む。

「ペレーネ。好きになって、ごめんな」
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