蜜空間

ぬるあまい

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六空間目

5 R-15



「や、やだ…っ」

これから起こることが予想できないわけがない。
それはもう一週間前に嫌というほど、無理やり思い知らされた。

「離して、っ、…離せ、ってば!」

受け入れるはずのない器官に、強引に雄を捩じ込まれて揺さぶられた。
もう痛みは引いたはずなのに、あの時のことを思い出してしまうと、尻と腰がズキズキと痛み出す。

「……お前って、本当に馬鹿だよな」
「ッ、馬鹿はアンタだ…っ」
「いいや、お前だよ。そうやって無駄な抵抗をして、わざと俺を煽っているのか?」
「んな、わけ…!」
「……そうか、そうだったな。だったら訂正する」
「……何、を」
「お前は俺を煽る天才だったな」
「ん、っ…ンンッ!?」

その言葉が妙に熱っぽくて、くすぐったくて。重みがあって。
俺はそれから逃げるように一歩だけ後退したのだが、そんな行動は無意味だったようだ。……いや、もしかしたらこの行動すらも、神田さんの「なにか」を煽ってしまったのかもしれない。
そうだったとしても、今更理解しても遅い。

「ひ、ッ、ん、く、ァ…痛い、っ」

逃げられずに、捕食されてからでは…遅いのだ。
ガブリ、と。首元を噛み付かれた今の状況では、もう逃げるに逃げられない。…というより、腕を掴まれた時点で、俺には捕食されるしかないのだ。
……ん?いや、それを言うなら、同室になった時点で逃げられない運命だったのだろうか。どちらにせよ、俺は何処に行っても、こうして誰かの支配下に置かれる運命なのだということだ。

「っ、く、ふ、ッ、痛い、ってば」
「…うっせえな。食わせろよ」
「、ひぃ、ン、…ふ、ァ、ひぁっ」
「全部俺に、食わせろ」

そんなことを言っておきながら、恐らく手加減はしてくれているのだろう。血が出ている気配がないということは、皮膚を噛み千切るまで力を入れていないということなのだから。

「お前の全て、俺のだからな」

噛み付かれていた場所をヂュッと強く吸われながら、そんなことを言われてしまった。

……いいえ、俺の全ては、俺のものですよ。


「っ、ちょ、やだッ、嫌ですって!」

俺の性別が「女」ならば、それほど抵抗はしなかったかもしれない。
とはいっても、やはり合意ではない性行為というのは恐怖を感じるだろうし、女性は女性で妊娠の心配をしなければいけないので、それは男の俺が軽々しく口にするのはおこがましいのかもしれないけれど。

だけど。

「やめッ、やめろよっ!」

やっぱり俺が女であったら、多分だけど少なからず受け入れたと思う。
だって、「コレ」だぞ?「この男」だぞ?「神田皇紀」だぞ?
こんな格好良くて、憧れだった男から迫られたら、恐怖以外のなにかを感じるはずだろう。
例えばそう「幸福感」とか「優越感」とか……。
「胸の高鳴り」とか?

「っ、馬鹿!ッ、ん、やだ…ッ」

だがそれは俺の性別が女だったらの話だ。間違っても男である今の俺は、そんなものは一切感じない。
あるのはそう。恐怖と怒りと不安と。…疑問だ。

「なんで…」
「…………」

密着する身体。押し付けられた雄の象徴。それは間違いなく、勃起してる。

「っ、何で、俺なんかに、こんな」
「………何で、だと思う?」

レロォ…と。胸元を舐められながら上目遣いで訊ね返された。
分からないからその疑問をぶつけたというのに、何で俺に返ってくるんだよ。

「し、るか…ボケェ…ッ、ん、やァ、っ」

悪態を吐けば、胸の突起を噛まれた。

「ひ、っ、ぃッ、た、」
「可愛くねえ奴」
「んぁ、ァ、ッ、ァ、ッ、う」
「だけどそういうところも可愛いよな、お前って」
「…ふ、ッ、ん……矛盾、してる、だろ、っ、それぇ…ッ」
「……かもな」
「ッ、ん!?あ、っ、ひぁ、ァッ」

決して広くはない浴槽の中を、成人男性と、太った俺で入るには狭い。そんな狭い中でアレコレするのはどう考えてもキツイものがある(容量的にも、見た目的にも)。

だがそれはあくまでも俺と、客観的な意見なだけで。
恐らく神田さん側からすると、めちゃくちゃ好都合なのだろう。

「あ、ひ、ッ、んあ、ァっ」
「…まあいい。その答えは身体で感じてろ」
「ッ、う」

…現に俺は全く身動きが取れないのだから。

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