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八空間目
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しおりを挟む「……こんなことしてくれるって分かってたら、無理してでも起きてたのに」
俺を独占するように、まるで俺のことを好きだと言わんばかりに付けられた痕を見てしまうと、もう決して叶わない願いだろうとも、会って抱き締めて欲しいという気持ちに駆られる。もしかしたら神田さんはすでに俺のことなんて忘れてしまっているかもしれないが、それでももしかしたら彼も俺と同じ気持ちなのではないかと期待してしまう自分も居る。
「(……会いたいな)」
出会いは最悪だったというのに、会えなくなった今でさえ、神田さんはどこまでも俺の心を揺さぶってくる。
そんな風に神田さんとの思い出に浸っていると、背後から声を掛けられた。
「おい、兄貴。風呂上がったけど」
「……あっ、うん」
「どうしたんだ?随分と顔が赤いぞ?」
「っ、え!?い、いや、なんでもないよ。部屋の中が暑くてさ」
あはははは、と乾いた笑みを浮かべながら適当なことを言えば、帝から変なものを見るような目で見られてしまった。
「相変わらず変な奴だなお前は」
「ひ、酷い言い草だな」
「まあ、熱中症にならないように気を付けろよ」
「……あ、ありがとう」
帝はそう言うとリビングのエアコンの電源を入れてくれた。
今までは俺と喋ることはおろか、視界に入れるのも嫌そうだったというのに随分と対応が変わったものだ。こうして優しくされるのは嬉しいけれど、一向に慣れる気がしない。
だけどとりあえず今は、お互いのことやこの家の状況について話し合いたいと思う。
「……つーわけで、言い合いしてからは親父もお袋も家には帰ってきてない」
「…………そうなんだ」
「金は律儀に振り込んでくれているけどな」
二ヶ月間あの空間でアルバイトをしに行ったことに後悔はしたくない。だって俺はあそこで色々なことを学び、経験してきたんだ。それは絶対に無駄にはなっていないし、沢山のことを見直して気付く切っ掛けとなった。
だけど俺とは違って、帝と両親は比較的良好な関係を築いていたはずだ。それなのに、その関係を壊してしまったのは間違いなく俺のせいだろう。だって俺が帝に何も言わずに二ヶ月間も留守にしたせいで、そのような言い合いが起きてしまったのだから。
「……ごめん」
「なんで兄貴が謝るんだよ」
「だって俺のせいじゃん」
「違うだろ。兄貴は何も悪くねえだろ」
「…………」
帝はそう言ってくれたものの、やはり責任を感じざるを得ない。
「兄貴こそ俺に怒ってねえのかよ?」
「……え?なんで?」
「あいつらのこと好きだっただろ?」
『あいつら』とは間違いなく両親のことだ。
そりゃあ、あんな風に居ないような扱いされようとも、俺のことを産んで育ててくれた肉親だ。嫌いにはなれないし、必死に好かれたいと願っていた。
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