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八空間目
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しおりを挟む「まあ、それはそうだよ」
ただどんなに愛されたいと願っていても、あの人たちは俺たちのことをただの自分たちを良く見せるための商品としか見ていなかった。だから落ちこぼれの俺の存在なんかは邪魔で恥でしかなかっただろうし、もう自分たちの思い通りに動いてくれない帝も今はいらないと判断をしたのだろう。
「……でも今はそうでもない、かな?」
二か月前の俺もそれを理解していたけれど、必死に気付かないようにして淡い期待を抱いていた。だが、今は違う。神田さんと出会って一緒に過ごして優しさに触れ合っていく内に、それは無駄な希望だと間違った愛情なのだと気付かされたのだ。
「だからそんな顔しないでよ」
「……兄貴」
「俺は大丈夫だから、……っ!?」
悲しそうな表情を浮かべる帝に対して心配させないようにそう言えば、なぜか言い終わるより前にキスをされてしまった。
「……な、っ?んっ、んん……?」
なにしてやがるんだこいつは!
一度ならず二度までもキスをしてくるなんて、信じられない。しかも結構真剣な話をしていた途中だ。決してこんなことをする雰囲気でもなかったはずなのに、なんて奴だ。
「っ、ふ……ぅ、っん!」
俺の身体を力強く抱き寄せて舌を入れてこようとする帝の胸板を叩いて必死に抵抗をする。
……しかし、一向に俺の身体を抱き締めるその腕の力は弱まらない上に、くっ付けている唇を離してくれない。先程は少し抵抗をしただけで解放をしてくれたのだが、どうやら今回はそう簡単に離す気はないようだ。
「……ん、む……っ、ふっ、ふぅ」
「……はっ、兄貴」
「んっ、んーっ、っ!?」
そして熱っぽい息を吐いて俺を呼ぶ帝は、俺の唇の表面をヌルリと濡れた舌で舐めてきた。そのあまりにも性的で色気の伴った帝の行動に、血の繋がった兄弟相手だろうと思わずゾクリとしてしまう。
どういう切っ掛けでこのようなことをしようと思ったのか分からないが、それでも今俺は帝に性的対象として見られているということは確かだ。……だって、下腹部に帝の熱く滾ったものを押し当てられているのだから。
「や、ゃっ、……ん、っ」
「……えっろ」
調子に乗った帝は、そのまま俺の口の中に舌を入れてこようとしてきた。
「んっ、っふ、っ、ーッ!」
「……っ、!」
それだけは絶対に許されないことだし、超えてはいけない一線だ。怖くなった俺は、口内に侵入してきた帝の舌先を反射的に思い切り噛んでしまった。そうすれば余程痛かったのか、帝は俺から飛び退いて口元を押さえている。
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