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十空間目
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しおりを挟む「……んっ、んむ……っ、んん」
……ずるい、ずるいよ。ずっと言って欲しかった言葉をこんなにも情熱的に告げられたらもうこれ以上何も言えなくなってしまうじゃないか。今だけでいいから少しの間だけ、俺と神田さん以外の世界の人々の時間が止まってしまえばいいのに。そうすれば人の目など気にせず、こんな場所だとしても存分に神田さんのことだけを考えられるはずだ。
「っ、ずっとお前に触れたいと思ってた」
「は、っ……ふぅ、っん」
「有希だって一緒だろ?」
「ん、んん、んっ」
濃厚なキスの合間に器用に話し掛けられるものだから、答えたくても中々言葉では答えられない。だから俺は神田さんの服を強く掴んだまま肯定の意味を込めて小さく頷いた。
「……んんっ、で、でも……っ」
「ん?」
「はっ、ふぅ、やっぱり……誰か通りそうで恥ずかしっ」
「恥ずかしがっている有希も可愛いな」
「んっ、あぅ……そ、んなこと」
「久しぶり過ぎて全部愛おしい」
…………なんだこれ、なんだこれっ。現実だと思っていたけれど、実はそうではなくて全部夢なのだろうか。そうじゃないとおかしいよ。いくらなんでも優し過ぎる。いや甘過ぎるというべきか。神田さんの言動全てがとびきり甘過ぎて羞恥でどうにかなってしまいそうだ。
「こっち来い」
「……あっ、」
酸欠気味で余計にクラクラとしているせいか、足も腰もガクガクとしていて一人では上手く歩けそうにない。そんな俺を見越してなのか、神田さんは俺の身体を支えると、そのまま車の中にエスコートをしてくれて助手席へと座らせてくれた。
「……か、んださん」
そしてご丁寧に俺の席のシートベルトを締めると、今度はチュッと触れるだけの優しいキスをしてくれると、彼はこう言ってみせた。
「続きはここでするか?」
「……す、するわけないじゃないですか」
「ふーん。残念だ」
たとえ本気でなくて冗談だとしても、俺は神田さんのその言動に一々ドキドキしてしまっているということをちゃんと理解して欲しい。ただでさえ久しぶりの生の神田さんということに俺は動悸が止まらないのだ。これ以上はもう耐え切れないぞ。俺の心臓を苛めるのはやめてくれ。
そんなことを思いながら、赤面した状態でジトッと睨みつけてやれば、神田さんはいつも通りニヤッと不敵な笑みを浮かべた。……どうやら俺の全てを理解した上でのことらしい。本当に彼はとんでもない人だ。
「まあ確かにこんなところでは落ち着けて話せないしな。二人きりになれる場所に移動するか」
…………そして、“二人きり”という言葉にさえ胸が高鳴ってしまったのは言うまでもない。
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