蜜空間

ぬるあまい

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十空間目

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車を走らせること一時間強。どうやら目的地に着いたようで、神田さんは見るからに高級マンションの駐車場に車をめると、俺に外に出るように促した。この様子だと、どうやら神田さんは此処で暮らしているようだ。
車内では会えなかった分のお互いの行動や気持ちを話し合う……なんてことは一切なく、本当にただ一言二言だけ言葉を交わしたのみで大した会話はしていない。話し掛けられたのだって『寒くないか?』とかそういうことくらいだったと思う。それがなぜだかは分からないけれど、神田さんが運転中はそういう気分だというのなら俺もそれに合わせるのみだと思い、話したいのを我慢して口を閉ざしていた。

「ボケっとしてるなよ。早く来い」
「は、はい」

首が痛くなるほどの高層マンションに圧巻されていると、早く中に入るように言われてしまった。確かにこんな場所に、ずっと神田さんを留まらせるのはいけないことだ。もし俺のせいで神田さんの住処が世に知れ渡ってしまったら土下座では済まされない。というか、自分で自分が許せないと思う。
だからそう思った俺は、神田さんに言われた通りに早足で後をついて行く。


……そして、エレベーターに乗って、神田さんの部屋に辿り着いて玄関に足を踏み入れたその時だった。

「……ちょ、ちょっ!?」

神田さんは玄関の扉が閉まるのと同時に、俺を扉に押し付けてきたのだ。

「な、なにしてるんですか!?」
「何って、一つしかねえだろ。キスだけじゃ足りねえよ。早くお前の全部を食わせろ」
「……っ、いやいや。もっと他のこともあるでしょ!」
「なんだよ?」
「ほら、久し振りに会ったんだからお互いの近況とか、気持ちの再確認とかあるじゃないですか……っ」
「そんなの今更だろ。今の俺たちに言葉が必要か?」
「……ひ、必要かと思いますけど……」

まるで俺が間違っているかのように、自信満々に言い放つ神田さんに圧されて俺は語尾の方が小さくなってしまう。そんなことを知ってか知らずか、神田さんは俺の首元を軽く噛むと、脚の間に太腿を割り込んできた。

「……んっ、か、神田さん……、」
「ほら、分かるだろ?早く有希を抱きたくて痛いほど勃起してるのが」
「……あ、当てないで、くださっ……んん、だめっ」

…………それは分かっていた。再会した時に外でキスをされた時から、神田さんの下腹部が熱を持って硬くなっていたことには気が付いていた。だけど俺は気付かないフリをしていた。
……だって、久し振りに神田さんの熱を感じて、恥ずかしかったから。

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