《R18》このおんな危険人物ゆえ、俺が捕まえます

ぬるあまい

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折角の休みの日を存分に謳歌できる趣味もなければ、タイミングが合う友達も彼女も俺には居ない。それに対して悲しいとは思わないけれど、三十歳を間近にしてる身としては多少の虚しさはある。
ただどうせ彼女ができたとしても長続きをした試しがない。安定した休みなどなく、たとえ休みの日だろうと急に駆り出されることがあるからなのか、それとも俺の性格や立ち振る舞いに難があるせいなのか……。まあ、どちらとも当てはまるのだろう。
そんなことを考えながら、特に用事もなく22時過ぎの大通りを一人歩いている時だった。

「……お願いします。私を買ってください」
「…………」

軽く袖を引っ張られたかと思ったら、消えかかりそうなほど小さく震えた声でそう言われたのだ……




【このおんな危険人物ゆえ、俺が捕まえます】



「…………」

俺は無表情のまま声の主の女を見下ろす。
時間帯のせいで暗くて細かく観察はできないが、どう見ても未成年者にしか見えない。俯きながら小刻みに身体を震わせているせいか、立っているのもやっとのようにも見える。それが男を誑かすための演技なのか、訳有り故に身体を売っているのかは分からない。……分からないが、別に俺からしてみればどうだってい。

ただこの女は、とんでもなくついていない。それだけだ。
……だって警察官であるこの俺に、そのようなことを言ってきたのだから。

「……お、おねがいします」
「…………」
「ホテルに一緒に入ってください」
「…………分かった」

警察手帳を見せてすぐさま現行犯逮捕することもできた。だが、俺はそれをしなかった。
この女の本性を見てみたいという気持ちと、楽しませてもらいたいという気持ちが勝ったからだ。

キョロキョロと辺りを見回しながら、すぐ近くのホテルに誘導する女に俺は着いて行くことにした。




---------------------------------------------




「…………それで?」
「……?」

小綺麗なホテルの室内に入るなり、未だ小動物のようにビクビクとしている女に俺は問いかけた。

「お前は一回いくらだよ?」
「……え、……え、え……?」

しかし女は答えるわけでもなく、ベッドに腰を掛ける俺を見て視線を泳がせながら動揺している。

「(どう見ても演技じゃねえよな)」

先ほどは暗くて演技かどうかなど判断が付かなかったが、明るい場所で見れば一目瞭然だ。もしこれで演技だったのなら、俺はこれから異性と付き合うことないだろう。女は怖い生き物だと思いながら一生を過ごしていく。

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