《R18》このおんな危険人物ゆえ、俺が捕まえます

ぬるあまい

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「……あ、五千円……くらい?」
「はっ。随分安いなお前」
「……っ、え?じゃあ、一万円……?」

相場すらも、自分の価値すらも理解していないこの女は、もはやおめでたい。もっと狩場を選んで、厳選すれば他のオヤジ達なら喜んでその二倍も三倍も出すだろう。それほど若いというだけで価値が高まる。
世間知らずのこの女が可哀想で可笑しくて、俺は鼻で笑いながら、自分の隣を軽く叩いた。

「まあ、座れよ」
「っ、ぅ……は、はい」

そうすれば二、三回ほど俺とベッドを見返した後に、女はおずおずとベッドに腰を下ろした。

「…………」

俺に不快に思われない程度に適度に距離を置いたのか、俺とこの女の距離は少し離れている。俺はそれについて何を言うわけでもなく、可哀想で哀れなこの物体に、続けて質問をぶつけていく。

「なんで俺を選んだ?」
「……っ、」
「誰でも良かったのか?」
「ご、ごめんなさ……っ」
「謝れって言ってるわけじゃねえよ。理由を訊ねてるんだ」
「……っ、そ、その……私、」
「ゆっくりでいい」
「……あ、う……」

相変わらず小刻みに身体を震わせながら、目元に大量の涙を溜めて必死に言葉を紡ごうとしている姿を見ている内に、少しだけ情が湧いてきた。性根が腐っているわけではないと知った今、これ以上冷たく扱うのも可哀想だ。
瞬きをしただけですぐにでも目元に溜めた雫が零れてしまいそうだなと、そんなことを思いながら、俺は隣に居る女を見つめた。

「じゅ、十番目に、」
「…………」
「十番目に、私の前に通ったから……」
「どういうことだ?」
「十番目に通った男の人に……か、買って貰えって言われて……」
「誰に?」
「同じ学校の、友達……、っ、友達だった子に……」
「…………」
「ふ、ぅ……っ、ぅ」

“だった”と言い直した瞬間、女は……彼女は、しゃくり上げながらついに泣いた。ボロボロと大粒の涙を流しながら、小さく声を上げながら泣くこの子は、本当に本当に可哀想だ。
友達だった子に裏切られて、傷付けられて。

……そして俺なんかの前で、そんな嗜虐心を煽るような態度を無意識に態度を見せるなんて。

「っ、ひ……っく」
「……なんで関係が拗れたんだ?」
「……、私が、その子の彼氏に、っ、色目を使ったって……、」
「実際は?」
「……っ、そんなこと!あれは、あの人が無理やり私を押し倒してきて、」
「…………」

その男のことを殴り殺してやりたいと心の片隅で思う反面、妙に納得してしまう。

……この子の存在は男にとって毒なんだ。
白くて柔らかそうな肌に、汚れを知らなさそうな大きな澄んだ瞳にあどけない表情。身体を震わせて泣きじゃくるその姿は、守ってやりたいという気持ちが芽生える前に、自分の手で汚してしまいたいという欲望が先に顔を出してしまうんだ……。

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