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しおりを挟む「お兄さん相手なら、私もいくらでもサービスしちゃうな」
「この子ができないすごいことまで堪能したくないですか?今なら私達二人でご奉仕しちゃうよぉ?」
先程まで有美に対して下種な言葉を吐いていたにも関わらず、まるで媚びるように高い声を出しながら腕を絡ませてくる二人に俺は心底不快な気分にさせられた。だがそれを敢えて態度には出さずに、俺は少しだけ笑みを作って二人に向き合った。
そうすれば期待に満ち溢れた表情を浮かべる女達。そんな二人に俺は薄く笑みを作ったまま声を掛けた。
「この子に事情を聞いても一向に口を開いてくれなかったのだが、その様子だともしかして君達がこの子に身体を売るように仕掛けたのかな?」
「そうだけど別にいいでしょ?」
「……そうなんだ。それじゃあ、この子と一緒に署まで同行してくれないか?」
「な、なっ!?」
…………手には警察手帳を持って。
「ま、まじ!?あんた警官!?」
「……っ、し、知らないし。冗談言っただけ、私たちは一切関係ないからっ」
「も、もう行こう!」
「う、うん」
警察手帳を見せつけるように掲げて署まで同行してくれるように伝えれば、女達は態度を急変させて、まるで逃げるようにすぐさまその場から走り去って行ってしまった。
どうやら想像していた以上に簡単に上手くいったようだ。本気で署に連れて行く気など全くなかったのだが、これで今日は勿論のこと、暫くは有美に関わることを避けてくれるだろう。これが切っ掛けで有美に手を出すのを永久に止めてくれれば儲けものだ。
「大丈夫か?」
「…………ぁ……、」
「有美?」
俺の少し後ろに居た有美の様子を確認するべくそちらに向き直れば、有美もまた先程の女達のように顔を青褪めさせていた。
「……す、すみません。私、警察官だなんて知らなくて……」
「ああ。まあ、言ってなかったな」
「……ど、どうしよう……私、逮捕されちゃうんですよね……?」
最初はからかい半分で有美に着いて行き、わざと自分の職業のことを隠していたのだが、それでも最初から補導する気など一切なかった。どちらにしても注意をする程度で済まそうと思っていたくらいだ。
だがそんな俺の考えなど言わずに伝わるわけもなく、有美はカタカタと身体を震わせながら、自分の行く末を心配している。
「……あ、っ……遼平、さん?」
泣きそうな顔をしながら不安そうに俺を見上げてくる有美の身体を抱き締めてやった。
「そんなことするわけないだろ」
「……で、ですが……、」
「俺たちは互いに想い合っているんだ。好きな者同士がセックスをしたところで何も問題はない」
「…………想い、合っている……」
「そうだろ?」
「……は、はい」
戸惑いながらも恥ずかしそうに頷く有美があまりにも可愛くて、俺は堪らずその唇にキスをする。
どうやら有美も納得してくれたのか、それともキスの余韻に浸っているのか、俺の胸元に顔を埋めたきり何も言葉を発しなくなった。
「また何か変な目に合ったら言ってくれ。すぐにでも飛んでいく」
「……ありがとうございます」
「とりあえずもう遅い。送って行くから今日は帰ろう」
「は、はい」
…………とんでもない出会い方をしたけれど、それでも間違いなく最高の巡り合わせだ。こんなにも初心で世間知らずの子を手放しにすることは許されない。もう二度と離すことはないだろう。
そう確信しながら、俺は有美の身体を更に強く抱き締めたのだった……
END
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