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21、待ち伏せ
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シェイラの食事は客間で用意されるようになった。それまでは、食事室でもてなされていた。
(食事に招待しないなんて!)
シェイラは腹が立った。翌日、スーザンからニナリアの動向を聞いて、待ち伏せをした。廊下に突然シェイラが現れたので、ニナリアは驚いたが、すぐに嫌な顔をした。それをシェイラは鼻で笑った。
「ごきげんよう。すっかりこの城の女主人ね」
「こんにちは。何か用ですか?」
「ずいぶんね。城を案内してくれてもいいんじゃなくて?」
「それならすぐに追い返します。要件を言ってください。そんなことで来たんじゃないですよね」
ニナリアの偉そうな態度にシェイラはムッとした。
「そんなことを言っていられるのも今のうちよ! お祖父様はあなたの結婚を、私と入れ替えるつもりよ」
「!」(なんですって! 祖父がそんなことを考えていたなんて⁉ どういうこと?)
ニナリアは驚きと恐れの表情を浮かべた。それを見てシェイラは満足した。
「それと、私の子供が侯爵家を継ぐことになったの。お祖父様は私を認めたのよ」
(そんなことどうでもいい。……シェイラと祖父はアレンを知らなすぎる。アレンはちょっと変わっていて……変態? いやいや他の人と考え方が違う、ということを言いたいのだけど……)
慌ててニナリアは余計なことを考えないようにした。祖父の考えが全く分からなかった。
「元々全部私の物だったのよ。あなたは侯爵家では存在していない子だもの」
シェイラがいつもニナリアに言うセリフだった。
「本当は私のお母様が伯父様と結婚するはずだったの。だから本当は私が伯父様の子なのよ」
(何なのよその理屈は)
ニナリアは呆れた。
「私が聞いた話では、お祖父様が父と結婚させようとしていたのは、グレーテ王女よ」
ニナリアはきっぱりと言った。聞いたのは母からだけど、そこは省いた。
その言葉にシェイラは唖然とした。祖父ならそうするだろうと、シェイラにも分かった。
(お母様、嘘をついたのね!)
シェイラは母に対する怒りが湧いて、顔を赤くした。
(叔母さんもお父さんのこと好きだったのね……)
叔母は、侯爵家の中でニナリアを見る目が一番普通だった。叔父は、ニナリアを存在しない者と思っているようで目も合わなかった。ニナリアは叔母の嘘にやれやれとため息をついたが、嫌がらせがなかったのはお父さんのおかげだなと思った。そのままシェイラを置いてすたすたと行ってしまった。
ニナリアとアレンは、昼食のあと主寝室で立ったまま話をした。二人だけの話のときは、いつもアレンの部屋で話すことにしている。ニナリアはシェイラから聞いた祖父の目的を伝えた。
「そうか」
アレンは予想が当たったと思った。侯爵の狙いはニナリアだ。シェイラでは無理だからニナリアを連れ戻して、王子と結婚させるつもりなんだろう。考えるアレンの横で、ニナリアは不安だった。
(今回のことはアレン次第だ)
アレンがそんなことを許すはずがない。でもそう言い切れるのか? 信じたいけど、気持ちが揺れる。せっかくの居場所がどうなってしまうか分からない。そうなったら、母を捜しに南に行くだけだ。二度と祖父のもとへは戻らない。
自分にしたことを考えたら、本当は祖父に様付けで呼びたくなかった。シェイラの手前、貴族らしく振舞わなければならない。「お祖父さん」ぐらいなら呼んでやってもいいとニナリアは思った。
「シェイラにまた存在しない子と言われました」
ニナリアは腕を組んでプンプンと腹を立てた。立場上反論できないのでいつも我慢していたが、結局言い返しても面倒なのでやめた。
アレンはニナリアの手を取って、腰に手を回して引き寄せた。ニナリアの手を顔に寄せてキスをする。
「お前は俺と出会うために生まれてきた。そして俺もお前に会うために、今まで生きてきたんだ。
俺はちゃんとお前を見つけた」
ニナリアは、アレンの言葉にほっとした。いつも私のことを考えてくれているのに、不安になってしまう。さっきは、
「アレンのことを変態だと思ってしまいました。すいません」
気が緩んで、思わず言ってしまった。アレンは何の話か分からない。
「? ……間違っていないな」
「いえ! アレンは紳士です!」
ニナリアは慌てて訂正する。夜のことを考えると余計なことを言ってしまったと、後悔した。
「そう、昼間の俺は紳士だ」
アレンはパッと手を離した。二人は手を取りあって部屋を出て、仕事に戻っていった。
(食事に招待しないなんて!)
シェイラは腹が立った。翌日、スーザンからニナリアの動向を聞いて、待ち伏せをした。廊下に突然シェイラが現れたので、ニナリアは驚いたが、すぐに嫌な顔をした。それをシェイラは鼻で笑った。
「ごきげんよう。すっかりこの城の女主人ね」
「こんにちは。何か用ですか?」
「ずいぶんね。城を案内してくれてもいいんじゃなくて?」
「それならすぐに追い返します。要件を言ってください。そんなことで来たんじゃないですよね」
ニナリアの偉そうな態度にシェイラはムッとした。
「そんなことを言っていられるのも今のうちよ! お祖父様はあなたの結婚を、私と入れ替えるつもりよ」
「!」(なんですって! 祖父がそんなことを考えていたなんて⁉ どういうこと?)
ニナリアは驚きと恐れの表情を浮かべた。それを見てシェイラは満足した。
「それと、私の子供が侯爵家を継ぐことになったの。お祖父様は私を認めたのよ」
(そんなことどうでもいい。……シェイラと祖父はアレンを知らなすぎる。アレンはちょっと変わっていて……変態? いやいや他の人と考え方が違う、ということを言いたいのだけど……)
慌ててニナリアは余計なことを考えないようにした。祖父の考えが全く分からなかった。
「元々全部私の物だったのよ。あなたは侯爵家では存在していない子だもの」
シェイラがいつもニナリアに言うセリフだった。
「本当は私のお母様が伯父様と結婚するはずだったの。だから本当は私が伯父様の子なのよ」
(何なのよその理屈は)
ニナリアは呆れた。
「私が聞いた話では、お祖父様が父と結婚させようとしていたのは、グレーテ王女よ」
ニナリアはきっぱりと言った。聞いたのは母からだけど、そこは省いた。
その言葉にシェイラは唖然とした。祖父ならそうするだろうと、シェイラにも分かった。
(お母様、嘘をついたのね!)
シェイラは母に対する怒りが湧いて、顔を赤くした。
(叔母さんもお父さんのこと好きだったのね……)
叔母は、侯爵家の中でニナリアを見る目が一番普通だった。叔父は、ニナリアを存在しない者と思っているようで目も合わなかった。ニナリアは叔母の嘘にやれやれとため息をついたが、嫌がらせがなかったのはお父さんのおかげだなと思った。そのままシェイラを置いてすたすたと行ってしまった。
ニナリアとアレンは、昼食のあと主寝室で立ったまま話をした。二人だけの話のときは、いつもアレンの部屋で話すことにしている。ニナリアはシェイラから聞いた祖父の目的を伝えた。
「そうか」
アレンは予想が当たったと思った。侯爵の狙いはニナリアだ。シェイラでは無理だからニナリアを連れ戻して、王子と結婚させるつもりなんだろう。考えるアレンの横で、ニナリアは不安だった。
(今回のことはアレン次第だ)
アレンがそんなことを許すはずがない。でもそう言い切れるのか? 信じたいけど、気持ちが揺れる。せっかくの居場所がどうなってしまうか分からない。そうなったら、母を捜しに南に行くだけだ。二度と祖父のもとへは戻らない。
自分にしたことを考えたら、本当は祖父に様付けで呼びたくなかった。シェイラの手前、貴族らしく振舞わなければならない。「お祖父さん」ぐらいなら呼んでやってもいいとニナリアは思った。
「シェイラにまた存在しない子と言われました」
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「アレンのことを変態だと思ってしまいました。すいません」
気が緩んで、思わず言ってしまった。アレンは何の話か分からない。
「? ……間違っていないな」
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