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1章 覚悟のとき
31話 世界征服がしたい
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「はあ、美味かった。おなかいっぱい」
上機嫌に聖也くんが呟き、ふうと大きく息を吐いた。まあまあな量を残して、僕に押付けたくせに。
とはいえ、まだもう少し食べられそうな僕は帰ったら何をつまみ食いしよう、だなんて考えながら一瞬歩幅を広げて、彼の隣へ並んだ。
「ねえ、聖也くん」と、彼を呼ぶ。
彼はすっかりいつも通りの、分かりにくい、しかし瞳の奥は輝いたように澄んだ状態で僕を見上げた。
やっぱり。パンケーキが食べられて、相当ご満悦らしい。それなら、と僕は話を切り出した。
「さっき言ってくれたようなやりたいこととか、行きたい場所。全部制覇しましょう」
しかし、途端に彼の表情が曇る。なにかマズイことを言っただろうかと考える中、彼は手を口元へ置き眉をひそめて言った。
「手術受けないのはダメだって言うのに、思い出作りは賛成なんだ」
なるほど、と思う。どうやら僕の魂胆は透けて見えたようだ。僕ははあ、と息をついて彼の頭へ手を置いた。
「聖也くんも馬鹿じゃないんですね」
「お前ほど計算高くはないけどね」
彼はそうケラケラと声を上げた。
僕のその計画は、パンケーキを食べて上機嫌な彼を見て思いついたものだった。
あまりに幸せそうにパンケーキを頬張る聖也くん。その光景は、普段あまりに表情の分かりにくい彼からしたら異様なものだった。つまり、余程嬉しいんだろう、と。だから。
そうして、彼のやりたいことをたくさん叶えてしまったら。きっと彼も、この世界に未練を感じてしまうだろう、と。
そうなればきっと、僕が言葉巧みに彼を丸め込んで、手術を受けさせることは簡単だろう、と。そう考えたのだった。
「でも、いいじゃないですか」と僕は言う。「根比べです」
「根比べ?」と聖也は僕の言葉を復唱して小首を傾げて僕を見た。
「簡単です」と、僕は彼の進行方向へ躍り出て、聖也くんの額へと指で作った銃口を向けた。
「まだまだ楽しいことがあると知ってしまった聖也くんが生を望んで手術を受けてしまうのか。それとも僕が、大切な恋人の想いを汲んで手術を受けないことを承諾してしまうのか」
二つに一つだと思う。聖也くんは、素直な人だから。楽しいことをたくさんしたらきっとすぐに、もっと僕と楽しいことがしたくなるはずだ。
だから。その彼の細かな気持ちの揺らぎを僕がかっさらってやろう。
彼はそんなテンションの上がった僕の腕を掴み、「はいはい」と流して苦笑を浮かべながら再び自宅へと歩み始めた。
「別に、俺はなんだっていいよ。お前が俺のやりたいことに付き合ってくれるなら」
そう言う彼は、まるで僕の計画の成功を信じていないようだった。
聖也くんはあんなに純粋で、僕よりも素直な人なのに。そんな善人な彼には、悪人な僕の計画から逃れることなんて、出来るはずもない。
「じゃあ決まりです。帰ってからまずはやりたいことリストを作りましょう。そのうえで、しっかり計画通り動いてもらいますから」
僕が彼の手を強く握って歩く彼に歩幅を合わせると、彼は相変わらずな苦笑を浮かべて横目に僕を見た。
「こいつ、厨二病かよ」
なんとでも言うがいい。僕は今、打開策を見つけられて最高に気分がいい。
そんな浮かれた僕は、聖也くんの手を握ったままにブンブンと手を前後に振りながら家へと向かうのだった。
そうして家へ着くと、約束通りにやりたいことをリストアップしていった。カフェでやったときと同じように、聖也くんがおやつをつまみながらやりたいことを前のめりに話して、僕がそれをスマホで記録する方式だ。
彼は少し照れながらも、カフェで語ったものとはまた別な方向のやりたいことを語っていった。
「え、と……橙花と、夜景とか見に行きたい」
「デートしたいってことですか!?」
「……そう。キスも、たくさんしたい……」
「キス……? 聖也くんも、そういうの思うんですね……?」
「恋人らしいこと、してみたいじゃん。せっかく人間に生まれたんだから」
せっかく、に続く言葉の理解にはなかなか至らないが、とにかく聖也くんは案外普通の人間らしい感情が存在していることに喜びを感じる。
更に、彼は頬を染めて手元のクッキーへ視線を落としながら長いまつ毛をパタパタとはためかせて言った。
「あと、さ。実家、来て欲しい。おじいちゃんとおばあちゃんに紹介したい。北海道なんだけど……」
「行きましょう」
彼の言葉に、食い気味に返してその指に摘まれたクッキーを奪い自分の口へ放り込んでから、その空いた手を取る。
そんなことを言う彼が、愛おしくてたまらなかった。
聖也くんは目を丸めて顔を上げたが、直ぐに僕の言葉に何度も頷いてからスマホを手に取った。
「今度帰るねって、連絡しておかなきゃ」
そう言って、彼はスマホを指で操作する。
しかし、聖也くんは直ぐにその動きを止めて、目線はスマホへ落としたままにボソッと小さく呟いた。
「あと、もう1個」
声は小さかった。
もしかしたら、と思う。なにか物凄く言いにくいものなのかもしれない。僕は固唾を飲んで彼を見守った。
「あのね」と、彼は勿体ぶって話を切り出した。
「お前に、音楽をちゃんと教えてみたい」
彼の口から飛び出したものは案外簡単なもので、思わず拍子抜けしてしまう。彼がそんなに緊張感を漂わせる意味は、僕には理解できなかった。
「いい、ですけど……」
と、僕は顔色を伺いながら言葉を返す。そう。いいけど、だ。
彼の意図が分からない。別に、彼は音楽の講師になりたい訳でも無ければ、今から教わったところで手術までにとんでもない歌声を得られて、一緒に楽しめるわけでもない。
しかし、彼は嬉しそうに表情を緩めてスマホをテーブルへ放り出すと、両手で頬杖を着いて僕をそれはそれは愛おしそうに見つめるのだった。
「ありがとう。お前に音楽教えてさ、本気で二人で音楽やってみたかった」
本気で、だなんて。そこまで成長出来るかもよく分からないけど。でも。
彼がやってみたいなら、とりあえずそうしようと。そう思うのだった。
こうして最終的にリストアップされたものは、以下の通りだ。
①曲を完成させる
②ゲームを完成させる
③ゲームでよいランクをとる
④夜景を見に行く
⑤たくさんキスをする
⑥聖也くんの実家に行く
⑦僕に音楽を教える
「なんだか……こうして見ると、案外普通ですね」
と、僕は言う。
「結局、最期にやりたいのなんてそんなもんなんだって。世界征服とか言っても、どうせ実現できないでしょ?」
聖也くんはそう、変な例えを用いて説明してみせた。
「なにそれ」
思わず吹き出して彼を茶化す。彼もまた僕に倣ってふっと笑ったが、一瞬。表情に哀が見えたような気がした。
だから、僕は彼の隣へ身を移しそっと背中をさすって声をかけた。
「ねえ、聖也くんにとっての世界征服って、なんですか?」
彼は一時沈黙を見せ、パーカーの袖や髪の毛をしきりに弄りながら深く考えた後、冗談をいう風でもなく真剣な顔で言った。
「んー、予約1年くらいかかる店の、すごーいステーキが食べたい」
「それは……手術までには物理的に不可能ですね」
彼の発言が本気なのか彼なりの冗談なのか分からずに、中途半端なツッコミを返す。
「でしょ?」
彼はそう言って途端に表情を崩し、ふっと息を零すのだった。
上機嫌に聖也くんが呟き、ふうと大きく息を吐いた。まあまあな量を残して、僕に押付けたくせに。
とはいえ、まだもう少し食べられそうな僕は帰ったら何をつまみ食いしよう、だなんて考えながら一瞬歩幅を広げて、彼の隣へ並んだ。
「ねえ、聖也くん」と、彼を呼ぶ。
彼はすっかりいつも通りの、分かりにくい、しかし瞳の奥は輝いたように澄んだ状態で僕を見上げた。
やっぱり。パンケーキが食べられて、相当ご満悦らしい。それなら、と僕は話を切り出した。
「さっき言ってくれたようなやりたいこととか、行きたい場所。全部制覇しましょう」
しかし、途端に彼の表情が曇る。なにかマズイことを言っただろうかと考える中、彼は手を口元へ置き眉をひそめて言った。
「手術受けないのはダメだって言うのに、思い出作りは賛成なんだ」
なるほど、と思う。どうやら僕の魂胆は透けて見えたようだ。僕ははあ、と息をついて彼の頭へ手を置いた。
「聖也くんも馬鹿じゃないんですね」
「お前ほど計算高くはないけどね」
彼はそうケラケラと声を上げた。
僕のその計画は、パンケーキを食べて上機嫌な彼を見て思いついたものだった。
あまりに幸せそうにパンケーキを頬張る聖也くん。その光景は、普段あまりに表情の分かりにくい彼からしたら異様なものだった。つまり、余程嬉しいんだろう、と。だから。
そうして、彼のやりたいことをたくさん叶えてしまったら。きっと彼も、この世界に未練を感じてしまうだろう、と。
そうなればきっと、僕が言葉巧みに彼を丸め込んで、手術を受けさせることは簡単だろう、と。そう考えたのだった。
「でも、いいじゃないですか」と僕は言う。「根比べです」
「根比べ?」と聖也は僕の言葉を復唱して小首を傾げて僕を見た。
「簡単です」と、僕は彼の進行方向へ躍り出て、聖也くんの額へと指で作った銃口を向けた。
「まだまだ楽しいことがあると知ってしまった聖也くんが生を望んで手術を受けてしまうのか。それとも僕が、大切な恋人の想いを汲んで手術を受けないことを承諾してしまうのか」
二つに一つだと思う。聖也くんは、素直な人だから。楽しいことをたくさんしたらきっとすぐに、もっと僕と楽しいことがしたくなるはずだ。
だから。その彼の細かな気持ちの揺らぎを僕がかっさらってやろう。
彼はそんなテンションの上がった僕の腕を掴み、「はいはい」と流して苦笑を浮かべながら再び自宅へと歩み始めた。
「別に、俺はなんだっていいよ。お前が俺のやりたいことに付き合ってくれるなら」
そう言う彼は、まるで僕の計画の成功を信じていないようだった。
聖也くんはあんなに純粋で、僕よりも素直な人なのに。そんな善人な彼には、悪人な僕の計画から逃れることなんて、出来るはずもない。
「じゃあ決まりです。帰ってからまずはやりたいことリストを作りましょう。そのうえで、しっかり計画通り動いてもらいますから」
僕が彼の手を強く握って歩く彼に歩幅を合わせると、彼は相変わらずな苦笑を浮かべて横目に僕を見た。
「こいつ、厨二病かよ」
なんとでも言うがいい。僕は今、打開策を見つけられて最高に気分がいい。
そんな浮かれた僕は、聖也くんの手を握ったままにブンブンと手を前後に振りながら家へと向かうのだった。
そうして家へ着くと、約束通りにやりたいことをリストアップしていった。カフェでやったときと同じように、聖也くんがおやつをつまみながらやりたいことを前のめりに話して、僕がそれをスマホで記録する方式だ。
彼は少し照れながらも、カフェで語ったものとはまた別な方向のやりたいことを語っていった。
「え、と……橙花と、夜景とか見に行きたい」
「デートしたいってことですか!?」
「……そう。キスも、たくさんしたい……」
「キス……? 聖也くんも、そういうの思うんですね……?」
「恋人らしいこと、してみたいじゃん。せっかく人間に生まれたんだから」
せっかく、に続く言葉の理解にはなかなか至らないが、とにかく聖也くんは案外普通の人間らしい感情が存在していることに喜びを感じる。
更に、彼は頬を染めて手元のクッキーへ視線を落としながら長いまつ毛をパタパタとはためかせて言った。
「あと、さ。実家、来て欲しい。おじいちゃんとおばあちゃんに紹介したい。北海道なんだけど……」
「行きましょう」
彼の言葉に、食い気味に返してその指に摘まれたクッキーを奪い自分の口へ放り込んでから、その空いた手を取る。
そんなことを言う彼が、愛おしくてたまらなかった。
聖也くんは目を丸めて顔を上げたが、直ぐに僕の言葉に何度も頷いてからスマホを手に取った。
「今度帰るねって、連絡しておかなきゃ」
そう言って、彼はスマホを指で操作する。
しかし、聖也くんは直ぐにその動きを止めて、目線はスマホへ落としたままにボソッと小さく呟いた。
「あと、もう1個」
声は小さかった。
もしかしたら、と思う。なにか物凄く言いにくいものなのかもしれない。僕は固唾を飲んで彼を見守った。
「あのね」と、彼は勿体ぶって話を切り出した。
「お前に、音楽をちゃんと教えてみたい」
彼の口から飛び出したものは案外簡単なもので、思わず拍子抜けしてしまう。彼がそんなに緊張感を漂わせる意味は、僕には理解できなかった。
「いい、ですけど……」
と、僕は顔色を伺いながら言葉を返す。そう。いいけど、だ。
彼の意図が分からない。別に、彼は音楽の講師になりたい訳でも無ければ、今から教わったところで手術までにとんでもない歌声を得られて、一緒に楽しめるわけでもない。
しかし、彼は嬉しそうに表情を緩めてスマホをテーブルへ放り出すと、両手で頬杖を着いて僕をそれはそれは愛おしそうに見つめるのだった。
「ありがとう。お前に音楽教えてさ、本気で二人で音楽やってみたかった」
本気で、だなんて。そこまで成長出来るかもよく分からないけど。でも。
彼がやってみたいなら、とりあえずそうしようと。そう思うのだった。
こうして最終的にリストアップされたものは、以下の通りだ。
①曲を完成させる
②ゲームを完成させる
③ゲームでよいランクをとる
④夜景を見に行く
⑤たくさんキスをする
⑥聖也くんの実家に行く
⑦僕に音楽を教える
「なんだか……こうして見ると、案外普通ですね」
と、僕は言う。
「結局、最期にやりたいのなんてそんなもんなんだって。世界征服とか言っても、どうせ実現できないでしょ?」
聖也くんはそう、変な例えを用いて説明してみせた。
「なにそれ」
思わず吹き出して彼を茶化す。彼もまた僕に倣ってふっと笑ったが、一瞬。表情に哀が見えたような気がした。
だから、僕は彼の隣へ身を移しそっと背中をさすって声をかけた。
「ねえ、聖也くんにとっての世界征服って、なんですか?」
彼は一時沈黙を見せ、パーカーの袖や髪の毛をしきりに弄りながら深く考えた後、冗談をいう風でもなく真剣な顔で言った。
「んー、予約1年くらいかかる店の、すごーいステーキが食べたい」
「それは……手術までには物理的に不可能ですね」
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