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しおりを挟むきっちり6時に実家の玄関のチャイムが鳴り
孝志が美咲を迎えにやってきた。
「おばさん~、美咲ちゃんお借りします~~
仲間たちと会うので帰りが遅くなるかもしれませんが
心配しないで下さい。責任をもって送り届けます」
と母に向かって言うと
軽く美咲をエスコートし、孝志が運転してきた車
赤いアルファロメオの助手席に座らせた。
「これ、孝の車?」
「うん、ずっとこっちに置きっぱなしだけどね
美咲、アルファロメオに乗るのが夢だったろ?」
「えっええ、覚えてたの」
「一応な。。。」
孝志はゆっくりと車を発進させた
「イタリアンで良いかな?」
美咲は
「う~~ん、できれば和食がいいな~」
と、つぶやいた
「了解!お姫様」
ちょっと茶化したように孝志は返事をすると
先の信号で車をUターンさせた。
着いたのはお昼過ぎに二人が分かれた駅
駅の駐車場に車を入れると、併設されている
メトロポリタンホテルの和食処に美咲を案内した。
「ここの板さん京都の有名割烹に居たんだ
今のところ和食だったらここが一押しだな」
二人でコース料理を堪能し、日本酒も少し口にした
「美咲、酒飲めないだろ」
「うん、でも少し試してみたい。。。」
「じゃ、これ試して御覧」
と、孝志がお猪口に半分そそいだお酒は
辛くはあるが水のように飲みやすかった。
「あっこれなら大丈夫」
と言いお猪口に3杯ほど飲んで頬がピンク色に染まった美咲を
孝志は大切な何かを見守るようにそっと見つめていた
その眼差しに美咲は気がついていない。
「ご馳走様でした」
店をのれんをくぐってホテルのロビーに出たころ
「美咲、コーヒーでも飲まないか」
と孝志に切り出され
「OK」
と言いながら少し足元をふらつかせた美咲の体を
がしっと受け止め、そのまま手を繋いでエレベーターに乗ると
客室のボタンを押した孝志、上層階のラウンジで行くのだと思っていた
美咲が少しいぶかしむと孝志が
「実は実家に帰ったらリフォーム中でホテルに泊まれって言われてさ
ここに部屋をとったんだ。話もしたいしルームサービスでコーヒーを頼もう。
夜景がきれいだよ」
お酒を飲んで少し気持ちの良くなっていた美咲は何も考えずに
21階でエレベーターを降りると、孝志の手にしっかり手を握られ
導かれるままに室内に入った。
クロゼットの前には昼間孝志が来ていたスーツがハンガーでかけてあり
確かに宿泊している雰囲気だ。
何とはなしにダブルのベットの端に座らされる美咲
そこでやっと手を離した孝志はレースのカーテンを開けた
目の前に綺麗に広がる夜景。。。電車の往来も綺麗だ
備え付けの電話でコーヒーを頼むと美咲の隣に孝志は腰を下ろした。
ふわふわと気持ちの良いまま夜景を見つめる美咲
孝志は
「美咲、会いたかった」
とつぶやくように声をかけると
孝志の方を向いた美咲の頬を両手ではさみ
そっと羽で触れるようにキスをした。
「んっ」
何をしているのかわからずに目を瞬かせる美咲
部屋のチャイムが鳴りルームサービスのコーヒーが届いた隙に
帰ろうとした美咲の手をしっかりと握り
「コーヒーきたよ、美咲」
と言いながら帰るのを阻止した孝志
止まって歯車がゆっくりと動き出す音が聞こえたきた。
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