弟のために悪役になる!~ヒロインに会うまで可愛がった結果~

荷居人(にいと)

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本編完結(年齢制限無し)

プロローグ

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「兄上がどう君に嫌がらせをしたか話してくれる?」

おかしい、何かがおかしい。

「は、はい………っ教科書を破られ、靴を捨てられ、服に泥をつけられましたわっ」

ヒロインが泣きながら俺の弟に訴える。これは嘘ではないし、本来俺が知るシナリオでは、弟がヒロインに親身になって冷たく見るのは俺のはず。

なのに、何故弟は俺に抱きつきながらヒロインを冷めた目で見ているのか。信じてないんだろうか?

「へぇ……で?」

「え……あの……?」

ここで本来なら弟がいい加減にしろと俺に冷めた目で見ながら怒鳴るところだ。なのに、この“だから、何?”みたいな態度はなんだ?お前の将来の結婚相手のヒロインだぞ?まあまだ婚約すらしてないけど。

「もう用がないなら兄上との時間をとらないでくれるかな?君と関わってから兄上が全く会ってくださらない。久々に兄上に甘えられるのにそんなことで時間をとるな!」

そんなこと………。え、なんで?ヒロインは涙ながらに訳がわからないといった表情だし、周囲も本来なら弟と一緒に俺を非難するはずが、ぽかんとしている。

本来この“イベント”は弟がヒロインと結婚を誓う、婚約イベントになるはずだった。

こんなことなら女に暴行するのを躊躇わず、大きな怪我をさせない程度にもっと酷くいじめを決行すべきだったかと後悔した。

どうにもあの“ゲーム”通りにならないのはやっぱりヒロインと出会うまでの弟を可愛がりすぎた結果かもしれない。

目の前の令嬢をヒロインと言い、この出来事をイベントと称す理由は俺の前世の記憶にある。

これは前世の記憶が甦ったことで命を顧みず、弟の幸せを一番に願う兄の話である。
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感想 51

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