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お気に入り数突破記念(年齢制限なし)
お気に入り1000記念!~もしもシリーズ・園児たちと多分博士先生(語り手視点)~
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これはもしも多分博士以外が園児になったら?年齢差は無視したそんなもしもの話。
多分博士先生はクレット幼稚園と小さな場所で、年齢バラバラな5人の園児たちの面倒を見ています。
一人はリーアベル・クレット、5歳。年齢的に小学校にあがる前のお兄さん、弟に甘いところ以外は基本普通の子で、ある意味園児の中で一番強い子です。
二人目はセトア・クレット、3歳。一言で言えばかなりのブラコン。兄のリーアベルにどこまでも着いていき離れず、何故か二番目に幼いセトアが命令したことを、園児たち皆が聞くので、多分博士先生の苦労は尽きません。ストッパーは兄のリーアベル。エミリュカとスイレンには何故か名前関係なく『へいか』と呼ばれる不思議な子。多分博士先生も名前を呼ぶと吹雪に見舞われたのでそう呼ぶ、どこか恐ろしい園児でもあります。
三人目はエミリュカ・エメレン、5歳。リーアベルと同じく小学校あがる前のお兄さん、一人にすると物凄く影が薄く、かくれんぼが誰よりうまいです。基本、手のかからない子ですが、スイレンが苦手で構いすぎると泣きます。
四人目はスイレン・クレハ、4歳。しっかりした子でありながら、エミリュカを目の前にするとただのセクハラ幼児に。異様にエミリュカがトイレへ行きたがると見たがります。
最後に五人目、ミーシャ・クレット、2歳。一番幼いにも関わらず、多分博士先生に一番なついて離さないばかりか、かなりの力の持ち主。誰よりも手がかかり、多分博士先生が離れようとすれば何が何でも逃がさず、扱いに一番困る園児です。
そんな癖のある5人を今日も多分博士先生は見守ります。腕にはミーシャを抱き、余程のことがない限り、互いにペアでいる二組を眺めるだけのいつもの光景です。
「あにうえ、えほん、よんでください」
「うん、おいで」
「れん、くっつかないで」
「いやだ」
「しぇんしぇ、あたま、なでなでして」
「平和なんだな、多分」
ミーシャの甘えた声に多分博士先生は、頭を撫でてやりながら争いもないその光景は先生から見てもただただ平和。だが、ずっとそうは行かぬのがこの園児たち。
「あにうえはこのえほんのおひめさまとおうじさまみたいにずっといっしょにいてくれますか?」
絵本の内容の最後は、一緒に暮らすそんな幸せなお話だったのでしょう。兄が一緒なのは当たり前だと言うばかりのきらきらと目を輝かせるセトアに、リーアベルは困った顔をします。
なんせ、この年が終わればリーアベルは小学校へ入学します。リーアベルもそれを理解しているのですが、セトアは幼く、知るのはこの幼稚園と自分の住む場所。それを言えば確実にセトアは落ち込むだろうことを弟を誰より想うリーアベルはやはり困った顔以外することはできません。
「へいか、おれとあにさまは、らいねんにはここにいないよ。がっこうにいくから」
そんな中、困り顔のリーアベルを見かねてか、言えなかった言葉を言うエミリュカの言葉。その言葉にショックを受けたのはセトアだけでなく、嫌がるエミリュカにくっついていたスイレンもです。
二人は雷を受けたかのように固まり、絶望へと表情を変えます。園児のする顔では決してありません。多分博士先生はそれに気づいて遠い目をしました。
実はこのやりとり、今日が初めてではありません。ショックのあまり、この二人毎回翌日には忘れるのです。忘れた方が幸せと気づいて忘れるのです。受け入れて今の時間を大事にしてくれればいいものの、幼い心には難しい話のようで、多分博士先生はこれから起きることに頭を抱えます。
しかし、頭から手を離すなとばかりに、ミーシャの頭に置いた手はミーシャの手により掴まれ、2歳とは思えない力でその手は頭から離せず、片手で頭を抱える多分博士先生。
「あにうえ、いなくなるのですか?」
「おうちで、あえるよ?」
「おうちでしかあえないんですか?」
「がっこうがやすみのひはずっといっしょだよ」
「がっこうがあるひは、いっしょにいられないんですか?」
どう言っても一緒にいる時間が減ることをセトアは理解しています。うるんできたセトアの目に、リーアベルはよしよしと頭を撫でたり、抱き締めてあげたりと甘やかしますがそれを甘受しながらも、受け入れられない現実に、次第に涙が溢れてきます。
さらに一方では絶望に染まり、簡単に離れることができてよかったものの、あまりのショックを受ける様子のスイレンに、珍しくエミリュカは心配そうに見ています。
前にも言ったよね?とばかりに何故またショックを受けているのかエミリュカには理解できません。
「りゅかのいないせかいはぜつぼうだ」
「そう、なんだ」
よく意味がわからないエミリュカはとりあえず引いたし、それを見た多分博士先生はまたか、多分と小さく呟きます。この世の不幸に出会ったかの園児は不気味でしかありません。
「りゅかの、りゅかのおしっこをみないといちにちなんてはじまらないというのに」
「みなくても、はじまるからだいじょうぶ」
正論です。既にエミリュカの目は汚物を見る目。これもまた園児がする目ではありませんが、多分博士先生的にも正解の目なんだな、多分と言わざる終えません。スイレンの将来がとても心配です。
毎回違うショックの受け方をするスイレンですが、今日はエミリュカだけで対応できそうなので、多分博士先生は兄弟の方に目を向けました。
静かに泣くセトアに、おろおろとし始めるリーアベル。リーアベルからしてもエミリュカのように、何故毎回ショックを受けるのかと思うことでしょう。何度だって学校に行き、離れ離れになることは話にあがっているのですから。
それでもショックを受ける大事な弟を放置できるリーアベルではないため、対処に困ります。
「あにうえを、がっこうからすくいだします・・・っぐずっ」
「がっこうはただべんきょうするところでわるいばしょじゃないよ?」
「がっこうは・・・うぅっ・・・あにうえをっうばいますっ!ひく・・・っ」
こうなるとセトアの中で学校は兄を奪う悪い場所に見えて仕方ありません。悪い人もいるなら悪い場所だってあるのがセトアの認識です。
「へいか、遅れてだけど、へいかも行くところになるんだな、多分」
対処しきれそうにないリーアベルを助けるが如くに言葉を告げる多分博士先生。
「・・・黙れ。」
「はい。多分」
一瞬空気が冷えました。セトアの涙も止まったかのように見えたのは気づかないふりをし、多分博士先生は身を引きました。
セトアが兄の前でいる姿は、園児を演じる何かに見えてきて仕方ない多分博士先生。涙さえも兄を引き付け、存分に甘やかしてもらおうというそれにしか見えなくなりました。
「しぇんしぇ、よちよち」
「いたいいたいいたいのだな、たぶーんっ!」
慰めるように撫でてくれるミーシャの気持ちを嬉しく感じるものの、頭を撫でてくれる幼い手には力が籠り、頭を押し潰されそうになる多分博士先生は必死に剥がそうとするも敵いません。なぜ離そうとするとばかりに余計に力を籠めるミーシャが多分博士先生が白目を向きつつあるのに気づけるのは多分博士先生が倒れたときでしょう。
「や、やだぁっ」
「あえなくなるまえにりゅかのぱんつをもらう。わたしたちはこいびとどうしだからな」
「こいびとなんか、しらないっ!うわあぁんっ」
多分博士先生が気絶寸前、さらに言えば互いしか見えていない兄弟を前に、泣いて嫌がるエミリュカのパンツを剥ごうとするスイレンを止めれる者はおらず、今日もクレット幼稚園は問題だらけで賑やかです。
作者より
お気に入り1000突破記念!ついに四桁!R18が続いたのでちょっと年齢制限なしで久々に!
少し趣向を変えて書いてみましたがいかがだったでしょうか?スイレンが幼いが故に理性なくただただ変態です(笑)こんな幼児将来不安しかないですね!でもエミリュカ以外にはしっかりしていて真面目な子なんで問題はないです。エミリュカ限定の変態加減ですから!
ミーシャは・・・まあ、恐ろしい子ですね。うん。
多分博士先生はクレット幼稚園と小さな場所で、年齢バラバラな5人の園児たちの面倒を見ています。
一人はリーアベル・クレット、5歳。年齢的に小学校にあがる前のお兄さん、弟に甘いところ以外は基本普通の子で、ある意味園児の中で一番強い子です。
二人目はセトア・クレット、3歳。一言で言えばかなりのブラコン。兄のリーアベルにどこまでも着いていき離れず、何故か二番目に幼いセトアが命令したことを、園児たち皆が聞くので、多分博士先生の苦労は尽きません。ストッパーは兄のリーアベル。エミリュカとスイレンには何故か名前関係なく『へいか』と呼ばれる不思議な子。多分博士先生も名前を呼ぶと吹雪に見舞われたのでそう呼ぶ、どこか恐ろしい園児でもあります。
三人目はエミリュカ・エメレン、5歳。リーアベルと同じく小学校あがる前のお兄さん、一人にすると物凄く影が薄く、かくれんぼが誰よりうまいです。基本、手のかからない子ですが、スイレンが苦手で構いすぎると泣きます。
四人目はスイレン・クレハ、4歳。しっかりした子でありながら、エミリュカを目の前にするとただのセクハラ幼児に。異様にエミリュカがトイレへ行きたがると見たがります。
最後に五人目、ミーシャ・クレット、2歳。一番幼いにも関わらず、多分博士先生に一番なついて離さないばかりか、かなりの力の持ち主。誰よりも手がかかり、多分博士先生が離れようとすれば何が何でも逃がさず、扱いに一番困る園児です。
そんな癖のある5人を今日も多分博士先生は見守ります。腕にはミーシャを抱き、余程のことがない限り、互いにペアでいる二組を眺めるだけのいつもの光景です。
「あにうえ、えほん、よんでください」
「うん、おいで」
「れん、くっつかないで」
「いやだ」
「しぇんしぇ、あたま、なでなでして」
「平和なんだな、多分」
ミーシャの甘えた声に多分博士先生は、頭を撫でてやりながら争いもないその光景は先生から見てもただただ平和。だが、ずっとそうは行かぬのがこの園児たち。
「あにうえはこのえほんのおひめさまとおうじさまみたいにずっといっしょにいてくれますか?」
絵本の内容の最後は、一緒に暮らすそんな幸せなお話だったのでしょう。兄が一緒なのは当たり前だと言うばかりのきらきらと目を輝かせるセトアに、リーアベルは困った顔をします。
なんせ、この年が終わればリーアベルは小学校へ入学します。リーアベルもそれを理解しているのですが、セトアは幼く、知るのはこの幼稚園と自分の住む場所。それを言えば確実にセトアは落ち込むだろうことを弟を誰より想うリーアベルはやはり困った顔以外することはできません。
「へいか、おれとあにさまは、らいねんにはここにいないよ。がっこうにいくから」
そんな中、困り顔のリーアベルを見かねてか、言えなかった言葉を言うエミリュカの言葉。その言葉にショックを受けたのはセトアだけでなく、嫌がるエミリュカにくっついていたスイレンもです。
二人は雷を受けたかのように固まり、絶望へと表情を変えます。園児のする顔では決してありません。多分博士先生はそれに気づいて遠い目をしました。
実はこのやりとり、今日が初めてではありません。ショックのあまり、この二人毎回翌日には忘れるのです。忘れた方が幸せと気づいて忘れるのです。受け入れて今の時間を大事にしてくれればいいものの、幼い心には難しい話のようで、多分博士先生はこれから起きることに頭を抱えます。
しかし、頭から手を離すなとばかりに、ミーシャの頭に置いた手はミーシャの手により掴まれ、2歳とは思えない力でその手は頭から離せず、片手で頭を抱える多分博士先生。
「あにうえ、いなくなるのですか?」
「おうちで、あえるよ?」
「おうちでしかあえないんですか?」
「がっこうがやすみのひはずっといっしょだよ」
「がっこうがあるひは、いっしょにいられないんですか?」
どう言っても一緒にいる時間が減ることをセトアは理解しています。うるんできたセトアの目に、リーアベルはよしよしと頭を撫でたり、抱き締めてあげたりと甘やかしますがそれを甘受しながらも、受け入れられない現実に、次第に涙が溢れてきます。
さらに一方では絶望に染まり、簡単に離れることができてよかったものの、あまりのショックを受ける様子のスイレンに、珍しくエミリュカは心配そうに見ています。
前にも言ったよね?とばかりに何故またショックを受けているのかエミリュカには理解できません。
「りゅかのいないせかいはぜつぼうだ」
「そう、なんだ」
よく意味がわからないエミリュカはとりあえず引いたし、それを見た多分博士先生はまたか、多分と小さく呟きます。この世の不幸に出会ったかの園児は不気味でしかありません。
「りゅかの、りゅかのおしっこをみないといちにちなんてはじまらないというのに」
「みなくても、はじまるからだいじょうぶ」
正論です。既にエミリュカの目は汚物を見る目。これもまた園児がする目ではありませんが、多分博士先生的にも正解の目なんだな、多分と言わざる終えません。スイレンの将来がとても心配です。
毎回違うショックの受け方をするスイレンですが、今日はエミリュカだけで対応できそうなので、多分博士先生は兄弟の方に目を向けました。
静かに泣くセトアに、おろおろとし始めるリーアベル。リーアベルからしてもエミリュカのように、何故毎回ショックを受けるのかと思うことでしょう。何度だって学校に行き、離れ離れになることは話にあがっているのですから。
それでもショックを受ける大事な弟を放置できるリーアベルではないため、対処に困ります。
「あにうえを、がっこうからすくいだします・・・っぐずっ」
「がっこうはただべんきょうするところでわるいばしょじゃないよ?」
「がっこうは・・・うぅっ・・・あにうえをっうばいますっ!ひく・・・っ」
こうなるとセトアの中で学校は兄を奪う悪い場所に見えて仕方ありません。悪い人もいるなら悪い場所だってあるのがセトアの認識です。
「へいか、遅れてだけど、へいかも行くところになるんだな、多分」
対処しきれそうにないリーアベルを助けるが如くに言葉を告げる多分博士先生。
「・・・黙れ。」
「はい。多分」
一瞬空気が冷えました。セトアの涙も止まったかのように見えたのは気づかないふりをし、多分博士先生は身を引きました。
セトアが兄の前でいる姿は、園児を演じる何かに見えてきて仕方ない多分博士先生。涙さえも兄を引き付け、存分に甘やかしてもらおうというそれにしか見えなくなりました。
「しぇんしぇ、よちよち」
「いたいいたいいたいのだな、たぶーんっ!」
慰めるように撫でてくれるミーシャの気持ちを嬉しく感じるものの、頭を撫でてくれる幼い手には力が籠り、頭を押し潰されそうになる多分博士先生は必死に剥がそうとするも敵いません。なぜ離そうとするとばかりに余計に力を籠めるミーシャが多分博士先生が白目を向きつつあるのに気づけるのは多分博士先生が倒れたときでしょう。
「や、やだぁっ」
「あえなくなるまえにりゅかのぱんつをもらう。わたしたちはこいびとどうしだからな」
「こいびとなんか、しらないっ!うわあぁんっ」
多分博士先生が気絶寸前、さらに言えば互いしか見えていない兄弟を前に、泣いて嫌がるエミリュカのパンツを剥ごうとするスイレンを止めれる者はおらず、今日もクレット幼稚園は問題だらけで賑やかです。
作者より
お気に入り1000突破記念!ついに四桁!R18が続いたのでちょっと年齢制限なしで久々に!
少し趣向を変えて書いてみましたがいかがだったでしょうか?スイレンが幼いが故に理性なくただただ変態です(笑)こんな幼児将来不安しかないですね!でもエミリュカ以外にはしっかりしていて真面目な子なんで問題はないです。エミリュカ限定の変態加減ですから!
ミーシャは・・・まあ、恐ろしい子ですね。うん。
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