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どうしようもない家族たち

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「なんだこれ……」

目が覚めた時僕の部屋、僕自身も真っ赤に染まっていた。

しかし、部屋が酷く荒れた様子はない。少し棚に置いていたフィギアが倒れたりしている程度である。ただ言うならばあちこちが赤く染まっている。

今自分の下にあるベットは本来白であるはずがほぼ赤に変わっている。さすがに起きてすぐは驚いたものの冷静になればなんてことはない。

「あ、おきたー!」

「おきたー!」

ドアからこちらを覗く小さな存在が二人。この惨状に驚くこともなく面白そうにクスクス笑っている。恐らく僕が起きるのを待っていたのだろう。

「優!舞!」

「きゃーっおこったー!」

「にっげろー!」

双子姉妹はいたずら好き。考えるまでもなく犯人はこの二人で確定だ。それともうひとり。

大量の水に赤い絵の具を混ぜ込んでかけまくったのだろう。あの小さな双子たちだけでは難しいのは明白。

何よりベットに眠る僕がかけられて気がつかないのもおかしな話だ。昨日夕食後酷く眠くそれを見て笑っていた人物を思い出す。

双子は今正に思い出した人物の後ろへと隠れる。

「親父!睡眠薬仕込んだな!」

「あーはっはっはっ!何のことやら!」

双子をいたずら好きにさせた張本人いたずら大好きな父に怒りしか湧かない。薬まで盛るか?普通!

そう言ったところでこの父はいたずらのためなら何だってする。特に母親似の僕に対しては。

「母さんが旅行から帰ったら言うから」

「え」

母に何もできないから代わりとばかりに僕にされてはたまったものじゃない。いつもは母に尻にひかれて憐れな父を見過ごしてきたがどうやら甘くしすぎたようだ。

さすがにやり過ぎなので今回は痛い目を見てもらおう。

翌日、友達との旅行から帰ってきた母は話を聞いて鬼となった。しばらく父と双子のいたずらがなくなったのは言うまでもない。

何事も平和が一番である。ひそかな時間だとしても。
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