64 / 75
本編(完結)
エピローグ※エロ注意※
しおりを挟む
何年と過ぎ父が国王を引退し、レウル・ラピスが新たなる王となった日。同時にクウリ・ラピスが王妃たる存在として発表された。
初めての男同士の夫夫となる存在が国の頂点になると知り周囲は唖然……とすることはなく、大喝采。気のせいかいつしか見た聖書なるものが民たちの手にいくつも見られた。これには寧ろ俺と兄の方がえ?となり、顔を見合わせる結果に。
反対こそあるかと思われたが、ラピス国の民は驚くほどに寛容だったようだ。もしくは宗教に染まりやすい存在だったのかもしれない。できれば前者であってほしいものだが。
そんなわけで数日後本当の夫夫になるべく行われた結婚式は驚くほどに祝福され、観客のほとんどはカメラを持参が当たり前。パシャパシャと鳴るカメラのシャッター音は結婚式が終わり民の姿が見えなくなるまで止むことはなく、俺たち以上に国民の方が楽しみにしていたのかなと思わずにはいられなかった。
ただし、誓いのキスだけはびっくりするぐらいに静かで、触れるだけの兄とのキスにドキドキとしていたのに周囲を見てぎょっとしたものだ。だって誰もが涙を流して祈りのポーズをとるのだから。
全員例の宗教じゃないよな……?と疑ってしまうほどに今が結婚式なのか何かの儀式なのか混乱しかけた。さすがの兄も苦笑い。なんだか思っていた結婚式とは全く違っていたけどなんだかんだでようやく待ち望んだ初夜は心臓が爆発しそうで怖い。
この日までただただ俺たちはキス止まりだったのだから。互いを大事にするあまりに。
「緊張、してる?」
「はい……すごく」
「ふふ……私もだよ。大丈夫、優しくするからね」
やっぱりというか立場的にも俺は女役。それが自然とばかりにベッドへと兄に押し倒される。笑う兄は余裕そうに見えるけれど言葉にしたそれが嘘には思えない。兄も緊張してくれてると思うとそれはそれで顔がにやけてしまいそうだ。
「ん……っ」
なんて考えていれば額、瞼、頬、唇と兄の唇が触れる。くすぐったいような優しい降り注ぐキスは触れた部分から熱が湧き出るかのように熱い。そして二度目のキスは口を開けてとばかりに兄の舌が俺の唇の隙間を通って、歯をノックする。
「ぁ……っ」
密かに口を開けてしまえば絡まる舌と舌。触れるだけとは段違いなキスに息が絶え絶えになっていく。これだけで頭が真っ白になり何にも考えられなくなりそうなほどに。
くちゅりくちゅりと静かな空間に響く音は何ともいやらしく羞恥を煽る。そしてしばらくして離れる兄の顔。近すぎて見えなかった兄の表情はまるで俺を食べ尽くしてしまいたいとばかりの美しき野獣のよう。
「クウリ……可愛いね」
ぺろりと上唇を舐める兄のなんと色気が漂うことか。そんな兄に惚れ惚れしてる間に俺の衣服はするすると脱がされていく。衣服すら俺に触れるのは許さないとばかりに。そして俺を脱がし終われば兄は邪魔だとばかりにその容姿からは思えないほどに豪快に自らの服を脱ぎ捨てる。
それは兄の新たな面を見た瞬間でもあった。この日、この時まで兄は心の奥底で俺への欲情を隠し続けていたのだと。そう思えるほどに兄の俺を見る目はギラギラと獲物を狙うかのようでどうしようもなくそんな兄に惹かれている俺は早く全てを捧げたくなる。
「ぁふ……っ」
痛くても、血が出てもいいから兄の好きなだけ俺を食べ尽くして………そんなことが口に出掛ければ言われなくともとばかりに兄の手に握られるもうひとりの俺自身。既に脈立つそれを兄は愛しいとばかりに優しく撫でる。
欲に駆られてるとばかりの目をしているのにまだ余裕があるのかと思わされたその瞬間。その理性すら外した兄を見たいと俺は快感に耐えて勢いよく起き上がることで形勢逆転。兄を押し倒す側に。兄の見開く目を見て笑う。そんな自分に驚く兄だって可愛いじゃないかと。
そんな兄を見ながら兄が抵抗しない間に布越しに隠された兄のものを取り出し慣らしていない自らの蕾に宛がう。
「にぃ、さん……っふ……ぅあ」
興奮した兄のものが大きいだけに目がちかちかするほどの痛みが走る。それでも入れよう入れようとすれば兄もまた痛むのか表情が歪んでいく。その表情を自分がさせていると思えばこんな痛みくらいと思えるほどに兄が愛しくて仕方ない。
「クウ、リ………っ」
ほら、兄さん忘れられない初夜にしよう?声にならない激しい痛み故に掠れた言葉を兄に送れば兄がひそかに笑った気がした。
痛くて気持ちよくて愛しい狂おしい夜、俺たちは同時に果てる。体内に感じる兄の吐き出されたものは傷から血を巡って痛みをより強くさせた。それが兄と繋がった証と思えばその痛みさえ愛しいのだけど。
「全く……無理をするね」
「へ、へへ……忘れられない、夜でしょ?」
「クウリのことは何一つ忘れる気はないけどね」
結局その日は無理をしたために一回しただけで終わったけれど回数よりも忘れられない初夜にできたことでなんだかんだと兄も満足そうだった。これが俺たちのあり方なのだから文句など言わせはしないけど。
ちなみに精子はあるからと子供を作れはしたが、もう少し二人の時間を堪能してからということで先伸ばし。一週間後、何故か俺たち二人だったはずの初夜が聖書にされていたわけだが、そろそろ犯人にお灸を据えとくべきかもしれない。兄と二人でね。
ーENDー
表題名……兄を悪役にさせないために全力を出した結果~ヤンデレブラコン化は悪役よりマシですか?~
裏題名……兄を悪役にさせないために全力を出した結果~どちらも病みましたが悪役よりマシですよね?~
初めての男同士の夫夫となる存在が国の頂点になると知り周囲は唖然……とすることはなく、大喝采。気のせいかいつしか見た聖書なるものが民たちの手にいくつも見られた。これには寧ろ俺と兄の方がえ?となり、顔を見合わせる結果に。
反対こそあるかと思われたが、ラピス国の民は驚くほどに寛容だったようだ。もしくは宗教に染まりやすい存在だったのかもしれない。できれば前者であってほしいものだが。
そんなわけで数日後本当の夫夫になるべく行われた結婚式は驚くほどに祝福され、観客のほとんどはカメラを持参が当たり前。パシャパシャと鳴るカメラのシャッター音は結婚式が終わり民の姿が見えなくなるまで止むことはなく、俺たち以上に国民の方が楽しみにしていたのかなと思わずにはいられなかった。
ただし、誓いのキスだけはびっくりするぐらいに静かで、触れるだけの兄とのキスにドキドキとしていたのに周囲を見てぎょっとしたものだ。だって誰もが涙を流して祈りのポーズをとるのだから。
全員例の宗教じゃないよな……?と疑ってしまうほどに今が結婚式なのか何かの儀式なのか混乱しかけた。さすがの兄も苦笑い。なんだか思っていた結婚式とは全く違っていたけどなんだかんだでようやく待ち望んだ初夜は心臓が爆発しそうで怖い。
この日までただただ俺たちはキス止まりだったのだから。互いを大事にするあまりに。
「緊張、してる?」
「はい……すごく」
「ふふ……私もだよ。大丈夫、優しくするからね」
やっぱりというか立場的にも俺は女役。それが自然とばかりにベッドへと兄に押し倒される。笑う兄は余裕そうに見えるけれど言葉にしたそれが嘘には思えない。兄も緊張してくれてると思うとそれはそれで顔がにやけてしまいそうだ。
「ん……っ」
なんて考えていれば額、瞼、頬、唇と兄の唇が触れる。くすぐったいような優しい降り注ぐキスは触れた部分から熱が湧き出るかのように熱い。そして二度目のキスは口を開けてとばかりに兄の舌が俺の唇の隙間を通って、歯をノックする。
「ぁ……っ」
密かに口を開けてしまえば絡まる舌と舌。触れるだけとは段違いなキスに息が絶え絶えになっていく。これだけで頭が真っ白になり何にも考えられなくなりそうなほどに。
くちゅりくちゅりと静かな空間に響く音は何ともいやらしく羞恥を煽る。そしてしばらくして離れる兄の顔。近すぎて見えなかった兄の表情はまるで俺を食べ尽くしてしまいたいとばかりの美しき野獣のよう。
「クウリ……可愛いね」
ぺろりと上唇を舐める兄のなんと色気が漂うことか。そんな兄に惚れ惚れしてる間に俺の衣服はするすると脱がされていく。衣服すら俺に触れるのは許さないとばかりに。そして俺を脱がし終われば兄は邪魔だとばかりにその容姿からは思えないほどに豪快に自らの服を脱ぎ捨てる。
それは兄の新たな面を見た瞬間でもあった。この日、この時まで兄は心の奥底で俺への欲情を隠し続けていたのだと。そう思えるほどに兄の俺を見る目はギラギラと獲物を狙うかのようでどうしようもなくそんな兄に惹かれている俺は早く全てを捧げたくなる。
「ぁふ……っ」
痛くても、血が出てもいいから兄の好きなだけ俺を食べ尽くして………そんなことが口に出掛ければ言われなくともとばかりに兄の手に握られるもうひとりの俺自身。既に脈立つそれを兄は愛しいとばかりに優しく撫でる。
欲に駆られてるとばかりの目をしているのにまだ余裕があるのかと思わされたその瞬間。その理性すら外した兄を見たいと俺は快感に耐えて勢いよく起き上がることで形勢逆転。兄を押し倒す側に。兄の見開く目を見て笑う。そんな自分に驚く兄だって可愛いじゃないかと。
そんな兄を見ながら兄が抵抗しない間に布越しに隠された兄のものを取り出し慣らしていない自らの蕾に宛がう。
「にぃ、さん……っふ……ぅあ」
興奮した兄のものが大きいだけに目がちかちかするほどの痛みが走る。それでも入れよう入れようとすれば兄もまた痛むのか表情が歪んでいく。その表情を自分がさせていると思えばこんな痛みくらいと思えるほどに兄が愛しくて仕方ない。
「クウ、リ………っ」
ほら、兄さん忘れられない初夜にしよう?声にならない激しい痛み故に掠れた言葉を兄に送れば兄がひそかに笑った気がした。
痛くて気持ちよくて愛しい狂おしい夜、俺たちは同時に果てる。体内に感じる兄の吐き出されたものは傷から血を巡って痛みをより強くさせた。それが兄と繋がった証と思えばその痛みさえ愛しいのだけど。
「全く……無理をするね」
「へ、へへ……忘れられない、夜でしょ?」
「クウリのことは何一つ忘れる気はないけどね」
結局その日は無理をしたために一回しただけで終わったけれど回数よりも忘れられない初夜にできたことでなんだかんだと兄も満足そうだった。これが俺たちのあり方なのだから文句など言わせはしないけど。
ちなみに精子はあるからと子供を作れはしたが、もう少し二人の時間を堪能してからということで先伸ばし。一週間後、何故か俺たち二人だったはずの初夜が聖書にされていたわけだが、そろそろ犯人にお灸を据えとくべきかもしれない。兄と二人でね。
ーENDー
表題名……兄を悪役にさせないために全力を出した結果~ヤンデレブラコン化は悪役よりマシですか?~
裏題名……兄を悪役にさせないために全力を出した結果~どちらも病みましたが悪役よりマシですよね?~
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
4,935
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる