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5章
縁結びの魂
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「お別れできたようですね。あまり時間がとれず申し訳ありません」
「十分だよ」
「ありがとう」
アーカとお別れが言えただけでもよかったと思う。ここにいる分には身体が楽だ。
「貴方たちを助けられなかったお礼に離れないよう縁結びもしますね。全の神はまだ魂ができていないので、神の力の源の濃い魂を作る部分に繋ぎましょう」
「縁結び?」
よくわからないので、特に疑問に感じた言葉が口に出る。
「魂と魂を糸のようなもので繋いで生涯転生は同じ場所を目指すようにするのを縁結びって言うんだ。滅多にできないけど、互いを想い合う気持ちがある魂は縁結びを僕もしていた。それは相性のいい魂同士である証で、幸せを産み出しやすいからね」
「へぇ・・・」
「貴方たちならその方がいいでしょう。縁結びならどんな関係になろうと必ず出会うきっかけはありますから」
「そっか、また友達になれるかな」
「家族かもしれないよ?」
「神様とならそれもいいなぁ。後、幼馴染みとか」
「人間じゃない可能性もあるんだけどね?動物とか」
「俺、ペット・・・?神様ペットとか考えにくい」
「君の前世の世界じゃ、動物園で会う可能性もあるかもね」
「それはそれで・・・」
そう考えると記憶あるとやりにくいかもしれない。
「ふふ、できました」
「え?」
話している内に終わっていたようだ。何も感じないと思っていたら神様が俺を降ろした。なんで?と思えば神様が消えかかっていて慌てて手を伸ばせば、俺も消えかかっているのがわかった。
「何これ?」
「本来の魂に成り代わって輪廻に行こうとしてるんだよ。僕の場合は残った神の力を魂変換させていっているみたいだ。一ヶ所に力が集まりつつあるのがわかる」
「全の神は時間がかかります。先にユージンが行きなさい」
「神様と一緒がいい!」
「嫌がってももう魂に抵抗力はないので輪廻に引き寄せられて流れてしまいますよ。大丈夫。縁結びはしたので、全の神の魂が流れない限り輪廻を流れ続けるだけで転生はしませんから」
「待ってて、ユージン」
「神様!」
その言葉を最後に自分の身体は消えていき、次第に何かに引かれるようにして神様から遠退いていく。神様はもはや顔も消えてしまい、言葉は返されなかった。
後ろを振り向いて最後に見たのは虹色に輝く場所。
全てが消えたのだろう。真っ暗になればただ引き寄せられ流れるままに回される気分。まだ意識だけはあった。
だけど、何か、抜き取られていくのがわかる。
ああ、神様は最後何を言っていた?
神様は・・・あれ、神様ってなんだっけ?
俺はなんでこんな真っ暗な場所に?
俺は何をしていた?
俺は・・・誰?
自分の名前を忘れたとたん、俺はもう思考すらできず、意識も消えた。
「十分だよ」
「ありがとう」
アーカとお別れが言えただけでもよかったと思う。ここにいる分には身体が楽だ。
「貴方たちを助けられなかったお礼に離れないよう縁結びもしますね。全の神はまだ魂ができていないので、神の力の源の濃い魂を作る部分に繋ぎましょう」
「縁結び?」
よくわからないので、特に疑問に感じた言葉が口に出る。
「魂と魂を糸のようなもので繋いで生涯転生は同じ場所を目指すようにするのを縁結びって言うんだ。滅多にできないけど、互いを想い合う気持ちがある魂は縁結びを僕もしていた。それは相性のいい魂同士である証で、幸せを産み出しやすいからね」
「へぇ・・・」
「貴方たちならその方がいいでしょう。縁結びならどんな関係になろうと必ず出会うきっかけはありますから」
「そっか、また友達になれるかな」
「家族かもしれないよ?」
「神様とならそれもいいなぁ。後、幼馴染みとか」
「人間じゃない可能性もあるんだけどね?動物とか」
「俺、ペット・・・?神様ペットとか考えにくい」
「君の前世の世界じゃ、動物園で会う可能性もあるかもね」
「それはそれで・・・」
そう考えると記憶あるとやりにくいかもしれない。
「ふふ、できました」
「え?」
話している内に終わっていたようだ。何も感じないと思っていたら神様が俺を降ろした。なんで?と思えば神様が消えかかっていて慌てて手を伸ばせば、俺も消えかかっているのがわかった。
「何これ?」
「本来の魂に成り代わって輪廻に行こうとしてるんだよ。僕の場合は残った神の力を魂変換させていっているみたいだ。一ヶ所に力が集まりつつあるのがわかる」
「全の神は時間がかかります。先にユージンが行きなさい」
「神様と一緒がいい!」
「嫌がってももう魂に抵抗力はないので輪廻に引き寄せられて流れてしまいますよ。大丈夫。縁結びはしたので、全の神の魂が流れない限り輪廻を流れ続けるだけで転生はしませんから」
「待ってて、ユージン」
「神様!」
その言葉を最後に自分の身体は消えていき、次第に何かに引かれるようにして神様から遠退いていく。神様はもはや顔も消えてしまい、言葉は返されなかった。
後ろを振り向いて最後に見たのは虹色に輝く場所。
全てが消えたのだろう。真っ暗になればただ引き寄せられ流れるままに回される気分。まだ意識だけはあった。
だけど、何か、抜き取られていくのがわかる。
ああ、神様は最後何を言っていた?
神様は・・・あれ、神様ってなんだっけ?
俺はなんでこんな真っ暗な場所に?
俺は何をしていた?
俺は・・・誰?
自分の名前を忘れたとたん、俺はもう思考すらできず、意識も消えた。
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