(タイトル変更予定あり)前世悪役令嬢だった私が前世の婚約者に溺愛されています

荷居人(にいと)

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3章(真面目版)悪役令嬢とそれぞれの出会い

4~???視点~

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入学式、壇上へ上がって生徒会長として挨拶を述べながら探すのはレヴェリーの姿。見たらきっとわかると信じて探す。

だが、いるとも限らない。もしこの世界にいたとして見つけられないと言うならば私はただ無駄に努力しただけでレヴェリーに会うことすら許されない存在なのだという証明だろう。

それぐらいに私は許されない存在かもしれない。すべきことを逃げ出してきた私など。だからこそこの人生をかけてレヴェリーを探し出す。どんな姿かわからない。どんな声かもわからない。ここでの名前や生まれ、全てわからない。

だけど、私はを見ただけでわかった。もまた見ただけで私を理解した。だからこそ前世の記憶とこの記憶を理解するようにここでは初対面でも私は。そうでないと、私は…………。

もしかしてまだ生まれてないのだろうか?

まさか私の方が後に生まれて既に…………背筋が凍るような想いに心の中で自分の考えを否定する。違う違う。レヴェリーは必ずどこかにいる。あの人もあの人ができる方法で一緒に探してくれている。

私がそんな考えに囚われてはだめだ。

気がつけば挨拶を終え、自然と舞台裏へと動く私の足。同じ生徒会役員が私を心配そうにして見ていることに気がついた。

「どうしたのです?」

「会長、気づいていないんですか?顔が真っ青ですよ」

「はは………疲れ、ですかね」

さっきのは違うと否定したはずなのに。余程恐怖に感じてしまったのかもしれない。この世界にレヴェリーがいないかもしれないという可能性に。

「会長は頑張りすぎです。少しは休むことも……」

「私は十分に休みすぎたんです。だからこそ今短い人生でできることは全てしたい。休む時間なんてもったいないでしょう?」

心配してくれるのは素直に嬉しい。だけど、前世ですべきことを放置してきた私に意味のない休みなんて必要ないのだ。

休みの時間はいつかレヴェリーに会えた日のための訓練の時間、勉学、鍛練、なんでもいい。何がどうレヴェリーの役に立つかわからないから。

「もったいないも何も超人と言われる会長ができないことがあるんですか?」

「超人な人間なんていませんよ。私はただできないことすらできるようにならなければいけないんです」

全てはレヴェリーのために。

「コケコッコーッ」

そんな決意をぶち破るような鳥の鳴き声が近くから聞こえ私は戦慄した。

「あれ?会長のペットがまた………」

「すみません、やはり保健室へ行ってきます。ついでにトリニーを回収してきますね。入学式は静かにと言っておいたはずなんですが、改めて叱っときます」

「わかりました。まあ入学生たちは聞こえてるかもわかりませんし、気にしないでください。保健室でゆっくり休んでくださいねー!」

そんな生徒会役員の言葉に頷きながら鳥の鳴き声が聞こえた方向へと足早に向かう私だった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

トリニーの名前思い付かなかったからそのままにします。………なんか名前で意味のいいのあったらぜひ。

後に訂正します。

by作者
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