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1章
夫婦生活初日の朝食1
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結婚式を終え、同棲にて所謂初夜を迎えたけれど、やったのは一緒に寝ただけ。おやすみなさいと呟いてすぐに寝た。
動じないにしても急なことに変わりはなく、結婚式を終え、ようやく一息がつけたのだ。早く寝ても仕方ないわよね?時雨さんはそれを理解してくれていたようで、寝たいままに寝かせてくれた。
そして、朝、目が覚めればパシャリと機会音が響く。スマホのカメラが私を覗き込んでいた。さすがにこんな朝は初めてで少しばかり驚いた自分がいる。
「ドアップの寝顔・・・!また美世さんのコレクションが増えました」
「そうですか・・・」
私のコレクションとは?と思うけど聞かない方がいいような気がするので、聞かない。夫婦にだって秘め事はあるものだ。
「あ、美世さんの着替えはそこのクローゼにあります。他にも衣装部屋もあるので、気に入らなければ捨てるなり、衣装部屋のものと入れ替えるなり、好きにしてください。ですが、どの服も着る場合は写真撮らせてくださいね」
「はあ・・・」
時雨さんは写真が好きなのだろうか。なんて思いながらベットから出れば時雨さんも私と同じでスマホを持ちながら床に足をついて立ちあがる。夫の前だし気にすることないかと部屋の端にあるクローゼットを開けて手頃な服に着替えた。パシャリと鳴るカメラ音は無視して。
おしゃれな服なんて用意されていたら動きづらそうだし、着にくそうと思っていたけれど、それさえ見越された服ばかり。時雨さんが私の私生活を知るからこそできているのかしら?
なんせジャージまであるとは思わなかった。ジャージは動きやすいし、楽、私が学校の休日によく着ていた服。そちらにしたかったけど、さすがに夫婦生活初日はもう少しマシな服にするべきだと考えた。
それでもシンプルに少し大きめのフードのついた軽く厚みのある長袖の服とジーパン。暑すぎることも、寒すぎることもない今の季節にはちょうどいいかもしれない。
「さて、朝食はどうしますか?」
「毎日は面倒ですが、今日くらいは私が作ります」
「ありがとうございます。面倒なときは私が作りますよ」
「いい旦那様ね」
「君のためならなんでもするよ」
最後砕けた言い方にしっくり来る。夫婦なら話し方も丁寧さも何もない気安い話し方をするべきだろうか。それならまずは会話が大事ね。
私のクローゼットのベットを挟んだ反対側の端のクローゼットには、時雨さんの服があったのだろう。少し服を眺め、目を離していた隙に寝巻きから着替えられているのだから行動が早いものだ。
どんな会話をすべきか考えながらも朝食を用意するため、ある物を見る。卵にベーコン、食パンを見て、私が朝、よく作るものまで理解されているなと思わずにはいられない。食パンなんて私がいつも買っている食パンだ。卵も見た目じゃわからないけどそうだろう。ベーコンすらそうなのだから。
徹底されているなと思いながらも、ベーコンを敷いてその上に目玉焼きを作り、トーストした食パンに乗せるだけの簡単な朝食を用意してお皿に乗せ、飲み物はこれまた用意された私が朝食に毎日飲んでいる野菜ジュース。
ちなみに、用意している間時雨さんは静かだと思えば、スマホはこちらに向けられており、カメラ音がないところを見て動画を録られていると考えたが、まあ邪魔されるわけでもないので好きにさせた。それに手伝ってもらうほどでもないから。
用意が終わり席に着けば、時雨さんも動画を録り止めたのか、スマホを下げて席に着く。
「ああ、念願の美世さんの初手作り料理です!」
再びスマホが上げられ、パシャリパシャリと響くカメラ音、しかし撮るのは私ではなく、朝食。行儀などは気にしないし、料理と言ってもいいかわからないけれど、喜ばれて悪い気はしない。
「目玉焼きは好きなのかけてください」
友人の瑠璃曰く、目玉焼きに何をかけるかというのは時に戦争になると聞いているけど、私は気にしない。ちなみに胡椒派だ。
「美世さんと一緒がいいです。」
「どうぞ」
「ありがとうございます。」
「・・・では、いただきます」
「いただきます」
気が済んだのかスマホを置いて、私から胡椒を受け取り、同じくらいに振りかける時雨さん。時雨さんが胡椒を置いたのを見て食べる前の挨拶に、時雨さんも続いて言う。
一口、二口と食べ、野菜ジュースを飲む。親ではなく、夫と食べる食事ではあるけど、いつもと変わらない朝食を食べられるのはいい。
時雨さんはなんというかセレブが食べそうなおしゃれな朝食をマナーよく食べそうなイメージもあり、マナーなど知らない私からすれば気にせず食べられる環境は大事だ。
それすら時雨さんはわかっているのかもしれない。そう思うと時雨さんを即決した私は間違いなかったのではないだろうか。随分私寄りに考えてくれる夫なのだから。
動じないにしても急なことに変わりはなく、結婚式を終え、ようやく一息がつけたのだ。早く寝ても仕方ないわよね?時雨さんはそれを理解してくれていたようで、寝たいままに寝かせてくれた。
そして、朝、目が覚めればパシャリと機会音が響く。スマホのカメラが私を覗き込んでいた。さすがにこんな朝は初めてで少しばかり驚いた自分がいる。
「ドアップの寝顔・・・!また美世さんのコレクションが増えました」
「そうですか・・・」
私のコレクションとは?と思うけど聞かない方がいいような気がするので、聞かない。夫婦にだって秘め事はあるものだ。
「あ、美世さんの着替えはそこのクローゼにあります。他にも衣装部屋もあるので、気に入らなければ捨てるなり、衣装部屋のものと入れ替えるなり、好きにしてください。ですが、どの服も着る場合は写真撮らせてくださいね」
「はあ・・・」
時雨さんは写真が好きなのだろうか。なんて思いながらベットから出れば時雨さんも私と同じでスマホを持ちながら床に足をついて立ちあがる。夫の前だし気にすることないかと部屋の端にあるクローゼットを開けて手頃な服に着替えた。パシャリと鳴るカメラ音は無視して。
おしゃれな服なんて用意されていたら動きづらそうだし、着にくそうと思っていたけれど、それさえ見越された服ばかり。時雨さんが私の私生活を知るからこそできているのかしら?
なんせジャージまであるとは思わなかった。ジャージは動きやすいし、楽、私が学校の休日によく着ていた服。そちらにしたかったけど、さすがに夫婦生活初日はもう少しマシな服にするべきだと考えた。
それでもシンプルに少し大きめのフードのついた軽く厚みのある長袖の服とジーパン。暑すぎることも、寒すぎることもない今の季節にはちょうどいいかもしれない。
「さて、朝食はどうしますか?」
「毎日は面倒ですが、今日くらいは私が作ります」
「ありがとうございます。面倒なときは私が作りますよ」
「いい旦那様ね」
「君のためならなんでもするよ」
最後砕けた言い方にしっくり来る。夫婦なら話し方も丁寧さも何もない気安い話し方をするべきだろうか。それならまずは会話が大事ね。
私のクローゼットのベットを挟んだ反対側の端のクローゼットには、時雨さんの服があったのだろう。少し服を眺め、目を離していた隙に寝巻きから着替えられているのだから行動が早いものだ。
どんな会話をすべきか考えながらも朝食を用意するため、ある物を見る。卵にベーコン、食パンを見て、私が朝、よく作るものまで理解されているなと思わずにはいられない。食パンなんて私がいつも買っている食パンだ。卵も見た目じゃわからないけどそうだろう。ベーコンすらそうなのだから。
徹底されているなと思いながらも、ベーコンを敷いてその上に目玉焼きを作り、トーストした食パンに乗せるだけの簡単な朝食を用意してお皿に乗せ、飲み物はこれまた用意された私が朝食に毎日飲んでいる野菜ジュース。
ちなみに、用意している間時雨さんは静かだと思えば、スマホはこちらに向けられており、カメラ音がないところを見て動画を録られていると考えたが、まあ邪魔されるわけでもないので好きにさせた。それに手伝ってもらうほどでもないから。
用意が終わり席に着けば、時雨さんも動画を録り止めたのか、スマホを下げて席に着く。
「ああ、念願の美世さんの初手作り料理です!」
再びスマホが上げられ、パシャリパシャリと響くカメラ音、しかし撮るのは私ではなく、朝食。行儀などは気にしないし、料理と言ってもいいかわからないけれど、喜ばれて悪い気はしない。
「目玉焼きは好きなのかけてください」
友人の瑠璃曰く、目玉焼きに何をかけるかというのは時に戦争になると聞いているけど、私は気にしない。ちなみに胡椒派だ。
「美世さんと一緒がいいです。」
「どうぞ」
「ありがとうございます。」
「・・・では、いただきます」
「いただきます」
気が済んだのかスマホを置いて、私から胡椒を受け取り、同じくらいに振りかける時雨さん。時雨さんが胡椒を置いたのを見て食べる前の挨拶に、時雨さんも続いて言う。
一口、二口と食べ、野菜ジュースを飲む。親ではなく、夫と食べる食事ではあるけど、いつもと変わらない朝食を食べられるのはいい。
時雨さんはなんというかセレブが食べそうなおしゃれな朝食をマナーよく食べそうなイメージもあり、マナーなど知らない私からすれば気にせず食べられる環境は大事だ。
それすら時雨さんはわかっているのかもしれない。そう思うと時雨さんを即決した私は間違いなかったのではないだろうか。随分私寄りに考えてくれる夫なのだから。
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