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2章
夫婦生活の報告4
「美世、僕の両親が今日時間があるなら、君と改めて話したいらしいんだけど、どうする?」
そう言われたのは、瑠璃と一日を過ごしたあの日から三日後、今日は私がジャージ姿でソファでごろごろし始め、面倒がったので、時雨が朝食を用意してくれている。初日の朝食と同じものと野菜ジュース。
いくら豪華なものを食べようと食べ慣れたものには敵わない。魅惑のソファから起き上がる。
ゆったりと歩きながらも、食卓の席に着いて、食べる前の挨拶をすれば、何気ない会話を始めるのは初日からずっとしていること。
今日は時雨から話題を出してくれたようで、その話が冒頭の言葉と言うわけだ。
「結婚式も挨拶くらいしかしなかったものねぇ・・・」
結婚式で初めて会って、挨拶だけなのは混乱が渦巻く結婚式だっただけに仕方ない。急なことでもあったわけだし。でも、その後も会わずにもう一ヶ月は過ぎているわけなのだから、言葉くらい交わしておくべきだろう。
時雨も改めて紹介してくれると初日言っていたし・・・。
それに、今になって改めてということは、ようやく落ち着いたから話せると言うことでもあるようだし、断るのも失礼よね。
「面倒なら断るよ?」
「いえ、どうせ暇だし、会いましょう」
時雨にしても、私にしても随分と失礼かもしれないが、私たちはこういう夫婦なのだから仕方ない。私はマイペースを崩す気はないのだし、時雨は何事も私優先なのだから。
時雨と暮らし始めてからマイペースさにより磨きがかかった気もするのよ?でも、そんな私でさえ時雨は止めずに好きにさせるのだから、夫のせいでもあると思うのよ。
とにもかくにも、今日することは決まった。朝食を終え、着替える。さすがに時雨の両親とは2度目の対面だし、瑠璃と遊びに出掛けるような格好はしない。それくらいはちゃんとするわ、さすがにね。
寝室のクローゼットには普段着しかないから、衣装部屋へ行く。時雨の実家に行く形になるようなので、恐らく豪邸。それに合わせた服を着なければと慎重に選んで、紺色の五分袖のワンピースに着替える。
化粧は・・・まあ、いいか。とせめて衣装部屋にある棚に置いてある小物入れから出てきたネックレスをつける。優雅な感じも出ているし、これなら大丈夫だろう。
衣装部屋から出れば、既にきっちりとした時雨の姿。頼りになる男性の雰囲気と、誰もが見惚れそうな容姿もあって、フェロモンが流れていてもおかしくはない。
これが私の夫なんてと笑いそうにすらなるくらいにレベルが違う。気にもしないけど。
「綺麗だね、美世」
「あなたには負けるわ」
感情を理解できていたならば、既に時雨に恋をしていただろうか?こんな美形がそこらにいる女と変わらない私に惚れるのだから世の中は何があるか、わからない。
恋に疎いと言う意味では他とは違うかもしれないけど。
「謙遜しないで。僕にとって君は誰よりも魅力的なんだ」
「知ってる」
じゃなきゃ、ここまで他人を理解しよう、知ろうなんて思うはずないのだから。時雨の私に対する理解度は素直にすごいと思っているのよ?
「じゃあ、車までエスコートするよ。お手をどうぞ、我が愛しい人」
「ええ」
大した距離でもないのに、過保護かとも思うときもある。けれど、悪い気分ではないから付き合うのだ。それを時雨は理解している。
車に乗って向かうのは時雨の実家。初めて行くそこはどんな豪邸か少し気にはなっている。そんな私は、着くまでの間、時雨と他愛ない会話をすることで、車にいる時間をやり過ごすのだった。
そう言われたのは、瑠璃と一日を過ごしたあの日から三日後、今日は私がジャージ姿でソファでごろごろし始め、面倒がったので、時雨が朝食を用意してくれている。初日の朝食と同じものと野菜ジュース。
いくら豪華なものを食べようと食べ慣れたものには敵わない。魅惑のソファから起き上がる。
ゆったりと歩きながらも、食卓の席に着いて、食べる前の挨拶をすれば、何気ない会話を始めるのは初日からずっとしていること。
今日は時雨から話題を出してくれたようで、その話が冒頭の言葉と言うわけだ。
「結婚式も挨拶くらいしかしなかったものねぇ・・・」
結婚式で初めて会って、挨拶だけなのは混乱が渦巻く結婚式だっただけに仕方ない。急なことでもあったわけだし。でも、その後も会わずにもう一ヶ月は過ぎているわけなのだから、言葉くらい交わしておくべきだろう。
時雨も改めて紹介してくれると初日言っていたし・・・。
それに、今になって改めてということは、ようやく落ち着いたから話せると言うことでもあるようだし、断るのも失礼よね。
「面倒なら断るよ?」
「いえ、どうせ暇だし、会いましょう」
時雨にしても、私にしても随分と失礼かもしれないが、私たちはこういう夫婦なのだから仕方ない。私はマイペースを崩す気はないのだし、時雨は何事も私優先なのだから。
時雨と暮らし始めてからマイペースさにより磨きがかかった気もするのよ?でも、そんな私でさえ時雨は止めずに好きにさせるのだから、夫のせいでもあると思うのよ。
とにもかくにも、今日することは決まった。朝食を終え、着替える。さすがに時雨の両親とは2度目の対面だし、瑠璃と遊びに出掛けるような格好はしない。それくらいはちゃんとするわ、さすがにね。
寝室のクローゼットには普段着しかないから、衣装部屋へ行く。時雨の実家に行く形になるようなので、恐らく豪邸。それに合わせた服を着なければと慎重に選んで、紺色の五分袖のワンピースに着替える。
化粧は・・・まあ、いいか。とせめて衣装部屋にある棚に置いてある小物入れから出てきたネックレスをつける。優雅な感じも出ているし、これなら大丈夫だろう。
衣装部屋から出れば、既にきっちりとした時雨の姿。頼りになる男性の雰囲気と、誰もが見惚れそうな容姿もあって、フェロモンが流れていてもおかしくはない。
これが私の夫なんてと笑いそうにすらなるくらいにレベルが違う。気にもしないけど。
「綺麗だね、美世」
「あなたには負けるわ」
感情を理解できていたならば、既に時雨に恋をしていただろうか?こんな美形がそこらにいる女と変わらない私に惚れるのだから世の中は何があるか、わからない。
恋に疎いと言う意味では他とは違うかもしれないけど。
「謙遜しないで。僕にとって君は誰よりも魅力的なんだ」
「知ってる」
じゃなきゃ、ここまで他人を理解しよう、知ろうなんて思うはずないのだから。時雨の私に対する理解度は素直にすごいと思っているのよ?
「じゃあ、車までエスコートするよ。お手をどうぞ、我が愛しい人」
「ええ」
大した距離でもないのに、過保護かとも思うときもある。けれど、悪い気分ではないから付き合うのだ。それを時雨は理解している。
車に乗って向かうのは時雨の実家。初めて行くそこはどんな豪邸か少し気にはなっている。そんな私は、着くまでの間、時雨と他愛ない会話をすることで、車にいる時間をやり過ごすのだった。
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