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3章
夫婦生活の恋の宿敵6
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涙が止まれば、人が泣いている間、瑠璃と結愛は連絡先を交換したようだ。私も結愛と連絡先を交換し、時雨を見れば、複雑そうにはしていたものの、それに反対はしなかった。
時雨には悪いけれど女性陣だけで残りの時間は盛り上がって、気がつけば帰る時間に。
「では、また。瑠璃、家まで送るわ」
「え、でも自転車あるし・・・」
「自転車も家に届けるよう手配するわよ」
「お、おお・・・私もついにセレブ入り?」
「全く何を言ってるんだか・・・」
少ない時間で二人は随分仲良くなった様子。別に私が除け者にされているとは感じないし、友人同士が仲がいいのも悪くない。
そんな二人を見送れば、時雨からのエスコートの誘い。
「僕たちも帰ろうか」
「ええ」
慣れたそれを断るはずもなく、時雨に寄り添って、時雨の車にまで移動し、その車で帰宅。
薄めの上着を時雨に渡し、ソファに腰かければ、タイミングよく瑠璃と結愛から帰宅したと連絡が来て、私も今帰ったと返信。嫌われなくてよかった(わ)ねと二人から別々に同じ内容が届くのだからまだ二人は一緒にいるのではと疑ってしまう。
わざわざそれを送ってきた意味がわからず首を傾げていれば、上着をハンガーにかけていた時雨が私を後ろから抱き締める。
とくんと高鳴った胸に疑問を覚えたが、よくわからず無視することにした。
「どうしたの?」
「二人から帰宅の連絡が来て返信したらよくわからない返事が来たのよ・・・」
「ふーん?・・・なるほど」
「意味わかるの?」
文を読んで納得したかのような時雨に何故そんなことが送られてきたのかわかるのか問えば、ぎゅっと抱き締める力が強まった。
「僕としては美世に自分で気づいてほしいかな」
「?」
益々わからなくなった。気にはなっても、今日の反省もあるし、無理に聞き出すようなことは、する気が起きない。
「ヒントほしい?」
「・・・いいえ、自分で考えるわ」
無理に聞き出すようなではなく、自分で考えたいと思ったから、聞く気にならないだけみたいだ。友人二人が脈絡もなく送ってきた文はきっと意味がある。だからこそ私はそれに答えたいのかもしれない。
「お風呂のお湯入れてくるね」
「今日のお詫びに一緒に入る?」
「み、美世・・・僕だって男だからね?」
「冗談よ」
「そ、そっか」
腕が離れて振り向きざまに言った言葉に時雨の頬が赤く染まる。なんとなくからかってしまった。照れた顔を隠すように、お風呂場へそそくさと行ってしまった時雨を見て、前へ向き直る。
「なに、これ」
そこにはまるで伝染したかのように胸を高鳴らせ、顔が熱くなる私がいた。
時雨には悪いけれど女性陣だけで残りの時間は盛り上がって、気がつけば帰る時間に。
「では、また。瑠璃、家まで送るわ」
「え、でも自転車あるし・・・」
「自転車も家に届けるよう手配するわよ」
「お、おお・・・私もついにセレブ入り?」
「全く何を言ってるんだか・・・」
少ない時間で二人は随分仲良くなった様子。別に私が除け者にされているとは感じないし、友人同士が仲がいいのも悪くない。
そんな二人を見送れば、時雨からのエスコートの誘い。
「僕たちも帰ろうか」
「ええ」
慣れたそれを断るはずもなく、時雨に寄り添って、時雨の車にまで移動し、その車で帰宅。
薄めの上着を時雨に渡し、ソファに腰かければ、タイミングよく瑠璃と結愛から帰宅したと連絡が来て、私も今帰ったと返信。嫌われなくてよかった(わ)ねと二人から別々に同じ内容が届くのだからまだ二人は一緒にいるのではと疑ってしまう。
わざわざそれを送ってきた意味がわからず首を傾げていれば、上着をハンガーにかけていた時雨が私を後ろから抱き締める。
とくんと高鳴った胸に疑問を覚えたが、よくわからず無視することにした。
「どうしたの?」
「二人から帰宅の連絡が来て返信したらよくわからない返事が来たのよ・・・」
「ふーん?・・・なるほど」
「意味わかるの?」
文を読んで納得したかのような時雨に何故そんなことが送られてきたのかわかるのか問えば、ぎゅっと抱き締める力が強まった。
「僕としては美世に自分で気づいてほしいかな」
「?」
益々わからなくなった。気にはなっても、今日の反省もあるし、無理に聞き出すようなことは、する気が起きない。
「ヒントほしい?」
「・・・いいえ、自分で考えるわ」
無理に聞き出すようなではなく、自分で考えたいと思ったから、聞く気にならないだけみたいだ。友人二人が脈絡もなく送ってきた文はきっと意味がある。だからこそ私はそれに答えたいのかもしれない。
「お風呂のお湯入れてくるね」
「今日のお詫びに一緒に入る?」
「み、美世・・・僕だって男だからね?」
「冗談よ」
「そ、そっか」
腕が離れて振り向きざまに言った言葉に時雨の頬が赤く染まる。なんとなくからかってしまった。照れた顔を隠すように、お風呂場へそそくさと行ってしまった時雨を見て、前へ向き直る。
「なに、これ」
そこにはまるで伝染したかのように胸を高鳴らせ、顔が熱くなる私がいた。
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