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6章

夫婦生活は本物になる2~友人視点~

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私は鈴木瑠璃。なんてことないただの平凡女子。私には心配になる友達がいる。高校卒業後大した間もなく結婚した子。

あれには驚いた。結婚相手はストーカー、友達として心配して当たり前だよね?いつの間にかその人の元婚約者、結愛ちゃんとも・・・年上にどうかと思う呼び方だけど、まあ友人になったわけだ。

捜索中とテレビに出てた時は驚いたりとあったけど、まあそのあとはうまくやっているようだ。

実際今日、あれから少し経って、私の都合に合わせてもらう形で美世ちゃんと会った。所謂現状報告と、途切れて話せなかったことについて。一目見てすぐにわかった。雰囲気が変わったことに。話を終え出た言葉はひとつ。

「幸せそうだね、美世ちゃん」

「うん、とても。人を愛して愛されるってとても幸せね」

小さな笑み。でも美世ちゃんにとっては大きな変化だ。それが幸せから来る笑みなのが見てわかる。私が何度も美世ちゃんのその笑みを見たくて、頑張って来たことを美世ちゃんは気づいているだろうか?

美世ちゃんは知らないだろうけど、喜怒哀楽が激しくて正直な私は美世ちゃんに何度と救われた。いじめこそなかったけれど、誰もが私を嫌っていたのは知っていたから。

うるさくて、人の気持ちも考えずしゃしゃり出る迷惑な女。時にはすぐ泣いて怒り、癇癪を起こす子だと。周囲が影でこそこそと言っていたのを私は知っている。

その中で美世ちゃんは何を思ったのか、私のことをこそこそ言う本人たちに無表情で醜いブスたちねと言い、怒るその人たちの標的を自分に変えた。

美世ちゃんは表情も言葉も冷たく、酷い子だと言われてきて、それが事実だったこともないとは言えないけど、優しい子でもある。それを私は実感している。

私が私であれるのは美世ちゃんのおかげだ。だからこそ、今幸せな結婚生活が送れているなら私だって幸せな気持ちになる。

「私も結婚はともかく恋人くらいほしくなっちゃったな。」

「瑠璃ならいい人に会えるわ」

「美世ちゃんからそう言われるとは思わなかった・・・」

「そう?だって私瑠璃が好きですもの」

「ふふっそっか。私も美世ちゃん大好きだよ!今更だけど結婚おめでとう!」

「ええ、ありがとう」

心からの言葉だ。今言うのが正しいと私が思ったからこそ出た言葉。美世から直接的な好意の言葉がもらえるなんて今まで考えてもみなかった。嫌いじゃない、そう言われるだけで十分親しい関係であると自負していた私がいたから。

大事な友達から好意を直接的に言われる照れはあるけど、それ以上に嬉しい気持ちでいっぱいだ。時雨さんには美世ちゃんをいい方向に変えてくれたことに感謝しなければいけない。

これからも美世ちゃんとはよき友人としていきたいと改めて思った日だった。
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