私の夫はストーカー~私は恋も愛も知りません~

荷居人(にいと)

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6章

夫婦生活は本物となる1

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さて、どういうことかしら?何故か目を覚ませば抱かれている。いや、相手は夫なので問題はないけれど・・・。

「・・・っ」

この緊張が何なのかがわからない。離れたいような離れたくないような、よくわからない気持ち。

「み、よ・・・?」

聞こえてきた声にどきりとした。顔が見れない。どきどきとする鼓動の音に頭がおかしくなりそうだ。

「しぐ、れ・・・ごめ、なさい」

何とか紡いだ言葉。言いたかった言葉。でもそれだけではないはずなのに、それを言葉にするにはなんと言えばいいのかわからない。

「美世?」

「ごめん、なさい」

「美世、落ち着いて」

「ごめ・・・っ嫌わないでっ」

思わず出た言葉に私自身が驚いた。嫌わないで・・・?私は何を言っている?

「美世・・・僕に嫌われたくないの?」

「あ・・・私・・・」

「混乱してるんだね。思わず出た言葉なら本心かな?」

「しぐ、れ」

落ち着かない気持ちが加速する。見れなかった時雨の顔を、その言葉に反応して見れば、時雨は笑っていた。なんで笑っているのか理解ができない。

「ああ、僕の方こそ泣かせてごめんと謝らなきゃなのに、顔がにやけてしまうな」

「なんで・・・」

「好きだから、いや、愛しているからだよ」

「好き?愛?」

ああ、心臓が破裂しそうなほどに高鳴ってくる。

「愛している人から嫌われたくないくらいに好かれているなんて嬉しくて仕方ないだろう?」

「・・・っ」

その言葉の意味を理解したとたん、ようやく気持ちのピースがはまったような気がした。私は時雨が好きなのだと。

この高鳴る気持ちも時雨が好きだからこその気持ちだと。瑠璃や結愛も好きだと思う。けど、時雨の好きは違うのだろう。

だって、こんなにも落ち着かないのだから。

「順番、おかしいかもしれないけど、両想いと浮かれていいかな?もう泣かせないと誓うから」

「好き・・・好きだわ、時雨・・・」

理解すればようやく言葉にできるとばかりに紡いだそれ。時雨は蕩けそうなばかりの笑顔。そんな表情は初めて見た気がした。

私は今どんな表情をしているのだろうか?

「僕も愛してるよ、美世」

「愛してる・・・私も」

愛は好きより上なのだろうか。そう思いながらも同じように返せば、とてもしっくりと来た気がした。気持ちを言葉として伝えられるのがとても気持ちのいいもので、幸せだと思えた瞬間だった。
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