ヤンキー女が悪役令嬢になりまして~神様から皇帝を恋に落として世界を救ってほしいと言われたが、頼むやつ間違ってねぇか?~

荷居人(にいと)

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2章聖女らしくなんて無理無理無理

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治癒能力を目覚めさせてからしばらくディオに会えていない。神様が私を警戒して父に何かを言ったのか軟禁されたあげく、ディオも何か忙しくしているため会えなくなったのだ。

「やはり皇帝になる意思は変わりませんか……」

と神様が時折メイドの仕事をサボって呟くのでディオが既に皇帝になるための人生を歩み始めたのだと思えばそれも納得したが、随分幼い頃からがんばるんだなぁと思いつつ他の能力が目覚めないものかと夢を見て早4年ぐらい。

「なあ、神様、あたい何歳だっけ」

「………10歳です」

自分の年齢もわからなくなりましたか?とバカにしたような目で見られる。軟禁されてみろ……もはや月日がよくわからん。

「なあ、そろそろ外出れねぇの?」

「はぁ………治癒能力は?」

「隠す」

「遊びで?」

「使わない」

「人には?」

「優しく」

「暴力は?」

「我慢」

「自分には?」

「自制を………ってもういいだろ?」

この4年間同じことを何度言わされたことか。この世界なら滅ぼして構わないと神様言ってなかったか?悪いやつに正義の鉄槌くらいは普通………

「暴力は?」

「我慢」

正義の鉄槌は暴力じゃねぇし。

「はぁ………まあ、いいでしょう。ちょうど、未来の皇帝から城への招待がありましたしね」

「招待?」

「皇帝になるための第一段階が済みましたから報告かもしれません」

「へぇ………あ、そうだ」

「なんですか、そのひらめいた顔……。嫌な予感しかしません………」

そんな嫌そうな神様相手に私は………………





















「本気ですか?」

「本気だけど?」

後日私は神様を連れて城に赴いた。どうせどこからか監視しているなら、もう連れていった方がなんて前々から思っていたのだ。だからこの際次いつ会えるかわからないし、神様を紹介しておけば神様も堂々と監視できる。隠れてストーカーされる身にもなってほしい。神様だからって許されないことはあると思うし?

「私一回殺されてるんですよ?」

「既に死んでるだろ?」

「いや、まあそうなんですけど………」

私には説教するくせに自分はぐじぐじとうざったい神様だ。

「久しぶりだね、リア」

そんなぐじぐじ神様を連れてようやく再会を果たしたディオは中々の美少年になっていた。

「久しぶりだな!今日は紹介したいやつがいたから連れてきた!神様だ!」

「か、み………さま?え?」

「いやいやいやいや…………躊躇い無さすぎません?」

「嘘は言ってないぞ?」

「いや、まあそうなんですがね?」

「…………神様は人間だったんですね」

「ほら、すっごい怪しまれてるじゃないですか!」

「人間は人間なんだけど死体なんだ!手触ったらめっちゃ冷たいからな!」

「へぇ……?」

「ちょおおおおおおっ!」

さっきから神様がやかましいんだが、なんで?嘘は言ってないのに。それにディオも笑って受け入れてくれてんのに………困った神様だな。やれやれ………。
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