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2章聖女らしくなんて無理無理無理
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「もう………もう………貴女って人は………!」
「あーはいはい、大丈夫だったからいいじゃねぇか」
あれから神様は真っ青になる姿を見ながらのディオとの逢瀬は終わった。始終ディオはにこにこだったし、何故神様がそこまで怖がるのか謎だ。
それよりも神様の紹介を終えて色々神様から会話を遮られながらも最後、ディオから言われたことが気にかかる。
『そういえば近いうちに父上がまたリアに会いたいそうです。………その………髪のことで』
ディオの父と言えばあの気のいいおっさん………だよな?あれも髪の色とか悪魔とか気にしてるのか?と気になって仕方ない。だってそれって結局ディオを悪く言う奴らと同じって可能性どころか、そう言うことをディオの父親自身が許してる可能性もあるわけで………それなら、ディオの周りってマジで嫌なやつばかりじゃん。
黒髪にすることで不思議な力を抑制するための悪魔呼びが伝わってるのは仕方ねぇかもしれねーけど、ディオだって人だ。心があって、傷つきもするってのに……。
「………気になりますか?」
「え?」
「未来の皇帝の父がどう思っているのか」
「まあ……な。なんか気さくなおっさんだったし疑いたくねぇけど、仮にも王様だろ?ならさ、周りをなんとかもできたんじゃねぇかってふと思って………しかも、私の髪色で呼ぶぐらいだからやっぱ王様も悪魔の力ってことで警戒してたりしてんのかなって」
「………黒髪の真実を知るものはこの時代にはいませんが、今の国王は中々勘が鋭い部分がありまして本当に黒髪は悪魔の力なのか疑っているようです。ただ残念ながら悪意あるものに利用されないよう黒髪についての記述されたものは古く昔に消され尽くしているために確信を得るものがありません。実際それは正しい判断とも言えます。簡単に手に入る力はその昔戦争に利用され、多くは奴隷でしたから」
「奴隷……」
「今では黒髪の持ち主を制御する道具もありませんから余計に判断材料はないでしょうね。それがたまたま生まれた未来の皇帝の絶望を生み出し、世界の終わりを告げるものとなるとは思いませんでしたが……時空間を移動する術がなければ私はただその滅亡を見守るにすぎなかったでしょう。どうあっても不幸に終わる皇帝は来世に多くの幸せを得られるよう生まれ変わらせる方法もありましたから」
「世界を破壊して、見知らぬ世界でも破壊を尽くしたディオはどんな気持ちだったんだ?」
「絶望の先………虚無感が広がっていました。それはもはやただの殺戮マシーンのように、何のために世界を壊しているのかすらわからなくなって………最初はまだ、絶望で子供がどうしたらいいかわからなくて物に当たるような怒りがあったように思うんですがね。だから違う世界なら受け入れてもらえるのではないかと希望を抱けた……でも、同じ繰り返しでした絶望は破壊衝動を高め………私はね、神としてあらゆる世界を守るために色々考えてきました。でもそれ以外にもあの未来の皇帝に現世でも来世でもいいから幸せを与えたいのです。彼を殺す術があるならすぐにでも生まれ変わらせたいほどには」
「……………そうか」
改めてディオの未来と気持ちを知ってあたいはディオを救いたいと……最後までディオのために生きたいとそう感じた。それが恋かどうかはわからないけれど。幸せにはなってほしいって思うから。
「あーはいはい、大丈夫だったからいいじゃねぇか」
あれから神様は真っ青になる姿を見ながらのディオとの逢瀬は終わった。始終ディオはにこにこだったし、何故神様がそこまで怖がるのか謎だ。
それよりも神様の紹介を終えて色々神様から会話を遮られながらも最後、ディオから言われたことが気にかかる。
『そういえば近いうちに父上がまたリアに会いたいそうです。………その………髪のことで』
ディオの父と言えばあの気のいいおっさん………だよな?あれも髪の色とか悪魔とか気にしてるのか?と気になって仕方ない。だってそれって結局ディオを悪く言う奴らと同じって可能性どころか、そう言うことをディオの父親自身が許してる可能性もあるわけで………それなら、ディオの周りってマジで嫌なやつばかりじゃん。
黒髪にすることで不思議な力を抑制するための悪魔呼びが伝わってるのは仕方ねぇかもしれねーけど、ディオだって人だ。心があって、傷つきもするってのに……。
「………気になりますか?」
「え?」
「未来の皇帝の父がどう思っているのか」
「まあ……な。なんか気さくなおっさんだったし疑いたくねぇけど、仮にも王様だろ?ならさ、周りをなんとかもできたんじゃねぇかってふと思って………しかも、私の髪色で呼ぶぐらいだからやっぱ王様も悪魔の力ってことで警戒してたりしてんのかなって」
「………黒髪の真実を知るものはこの時代にはいませんが、今の国王は中々勘が鋭い部分がありまして本当に黒髪は悪魔の力なのか疑っているようです。ただ残念ながら悪意あるものに利用されないよう黒髪についての記述されたものは古く昔に消され尽くしているために確信を得るものがありません。実際それは正しい判断とも言えます。簡単に手に入る力はその昔戦争に利用され、多くは奴隷でしたから」
「奴隷……」
「今では黒髪の持ち主を制御する道具もありませんから余計に判断材料はないでしょうね。それがたまたま生まれた未来の皇帝の絶望を生み出し、世界の終わりを告げるものとなるとは思いませんでしたが……時空間を移動する術がなければ私はただその滅亡を見守るにすぎなかったでしょう。どうあっても不幸に終わる皇帝は来世に多くの幸せを得られるよう生まれ変わらせる方法もありましたから」
「世界を破壊して、見知らぬ世界でも破壊を尽くしたディオはどんな気持ちだったんだ?」
「絶望の先………虚無感が広がっていました。それはもはやただの殺戮マシーンのように、何のために世界を壊しているのかすらわからなくなって………最初はまだ、絶望で子供がどうしたらいいかわからなくて物に当たるような怒りがあったように思うんですがね。だから違う世界なら受け入れてもらえるのではないかと希望を抱けた……でも、同じ繰り返しでした絶望は破壊衝動を高め………私はね、神としてあらゆる世界を守るために色々考えてきました。でもそれ以外にもあの未来の皇帝に現世でも来世でもいいから幸せを与えたいのです。彼を殺す術があるならすぐにでも生まれ変わらせたいほどには」
「……………そうか」
改めてディオの未来と気持ちを知ってあたいはディオを救いたいと……最後までディオのために生きたいとそう感じた。それが恋かどうかはわからないけれど。幸せにはなってほしいって思うから。
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