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第七章 いざ、最終決戦
人質コンプレックス1
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取り巻き令嬢たちを連れて廊下を歩いていたら。
げ、前方にロレンツォ発見。
もうすぐ授業が始まるから遠回りもできないし。
ロレンツォって基本待ち伏せしてくるんだよね。で、いつも腕組んで壁にもたれかかってる。
攻略対象だけあって絵にはなってるけど、孤高の俺様カッケーとでも思ってんのかしら?
「おい、ハナコ。素通りとは冷たい女だな」
「あら、ロレンツォ様、そんなところにいらっしゃいましたの。わたくしちっとも気づきませんでしたわ」
ちっ、そ知らぬフリは無理があったか。
ってか、なんでいつもひとの腕をつかんでくんのよ。
「この手は一体なんですの?」
「こうでもしないとあんたはすぐ逃げるからな」
「逃げるも何も、わたくし授業に遅れたくありませんの」
「ふっ、真面目だな。少しくらいサボっても問題ないだろう?」
「そのようなわけには参りませんわ」
これ以上サボったら卒業があやういんだってば。
手を引いても力を強めるばかりのロレンツォ。これは離す気はさらさらないな。
ああもう、ホントめんどくさい。予鈴はとっくに鳴っちゃったし、取り巻き令嬢たちもオロオロして困ってるし。
「あなたたちは先に教室に戻っていなさい」
「ですがハナコ様……」
「大丈夫よ。わたくしもすぐに行くわ」
次の授業、何かと厳しい魔法学の先生なんだよね。遅刻するとペナルティを課せられるかも。
巻き込むのも申し訳ないし、人目がない方がロレンツォにも言いたいこと言えちゃいそう。
本鈴が鳴り響いて、周囲にいた生徒たちはみんな教室へと消えていった。
シーンとした廊下で、乱暴に壁ドンされる。
「ようやくふたりきりになれたな」
「イタリーノではこんな強引な誘い方が常識ですの?」
「わが国では女を見たら口説くのが礼儀だからな」
「まぁ、それでは殿方は大忙しですわね。ですがここはヤーマダ国。このような行いはマナー違反ですわ」
「くくっ、郷に入れば郷に従え。そういうことか」
分かってるなら笑ってないでソコどきなさいよ。
っていうか、壁ドンしたまま髪に触れてくんなっ。
「許可もなく女性の髪に触れるだなんて。とても一国の王子の行いとは思えません」
「あいにく女の髪を褒めるのも重要な男のマナーでな」
そんなマナーあるわけないでしょ!
ぎっと睨みつけたら、余計に面白そうな顔されちゃった。
もしかして作戦間違えた?
大声出せば誰か来てくれるだろうけど、あまり大ごとにはしたくはないし。
「そこまでにしろ、ロレンツォ。今すぐハナコから離れるんだ」
「シュン様……!」
どうして山田が?
あ、取り巻きのひとりが呼びに行ってくれたんだ。心配そうに遠巻きにこっちを見てる。
うう、ありがとう。授業サボらせちゃってホントごめんね。
「なんだ? シュンには関係ないだろう?」
「生徒会長として学園の風紀を乱す行為を見過ごすわけにはいかない」
「はっ、そんなセリフを貴様が言うのか? 素直にハナコを取られたくないと言えばいいじゃないか」
壁ドンしたままロレンツォが、せせら笑いながらわたしの顔に触れてきて。
「ロレンツォ、やめるんだ」
肩をつかんだ山田をロレンツォがギリっとにらみつけた。
対する山田はまだ冷静さを失ってないって感じ。
「今は授業中だ。教室に戻れ」
「どいつもこいつも真面目くさりやがって」
吐き捨てるように言うと、ロレンツォはわたしからあっさり離れていった。
「まぁいい。ハナコ、次こそ逃がさないからな」
「しつこい殿方は嫌われましてよ?」
「くくっ、そのくらいの方が落としがいがある」
なによ、余裕ぶっちゃって。こっちは全力で逃げるっつうの。
それにその笑い方、ほんとムカつくんですけど。
と、そのときいきなり山田に手首を取られて。
「危ない、ハナコ……っ!」
「きゃあっ」
一瞬遅れて廊下の窓が砕け散った。
ガラスの破片が降り注ぐ中、山田にぎゅっと抱きしめられる。
廊下を跳ねて転がるボール。体育の授業で野球でもやってたのかな。割れた窓の外から、なんだか騒ぐ声が聞こえてくるし。
「ハナコ、怪我はないか?」
「はい、シュン様のお陰で大丈夫ですわ」
「すまない、とっさのことで庇いきれなかった」
ガラスをかぶっているのはほぼ山田だ。それもほとんど魔法で弾いたみたい。
「シュン王子、お怪我は!?」
「うむ、わたしは問題ない。ダンジュウロウ、すぐに窓の修復の手配を頼む」
「お任せを」
あれ、いつの間にダンジュウロウが。
っていうか生徒会のメンバー、全員そろってるし。
「マサトは事情聴取を」
「了解、王子」
言うなりマサトは窓から外へ飛び出した。
ってか、ここ二階っ。
「ユイナは破片を回収してくれ」
「はぁい。ぜぇ~んぶ、こっちにあつまれ~」
ゆいなが両手を広げると、飛び散ったガラスが一か所に引き寄せられてくる。
こういうとき魔法ってホント便利だよね。
「シュン王子、俺は何をすれば?」
「ケンタはロレンツォを保健室に連れて行ってくれ」
「俺はいい」
「念のためだ。ケンタ、頼む」
「承知しました。ではロレンツォ様、失礼します」
ロレンツォの手を取った健太。そのままふたりはぱっとかき消えて。
「ハナコも行こう」
どこに?
って聞く前に、気づくともう保健室の中にいた。
げ、前方にロレンツォ発見。
もうすぐ授業が始まるから遠回りもできないし。
ロレンツォって基本待ち伏せしてくるんだよね。で、いつも腕組んで壁にもたれかかってる。
攻略対象だけあって絵にはなってるけど、孤高の俺様カッケーとでも思ってんのかしら?
「おい、ハナコ。素通りとは冷たい女だな」
「あら、ロレンツォ様、そんなところにいらっしゃいましたの。わたくしちっとも気づきませんでしたわ」
ちっ、そ知らぬフリは無理があったか。
ってか、なんでいつもひとの腕をつかんでくんのよ。
「この手は一体なんですの?」
「こうでもしないとあんたはすぐ逃げるからな」
「逃げるも何も、わたくし授業に遅れたくありませんの」
「ふっ、真面目だな。少しくらいサボっても問題ないだろう?」
「そのようなわけには参りませんわ」
これ以上サボったら卒業があやういんだってば。
手を引いても力を強めるばかりのロレンツォ。これは離す気はさらさらないな。
ああもう、ホントめんどくさい。予鈴はとっくに鳴っちゃったし、取り巻き令嬢たちもオロオロして困ってるし。
「あなたたちは先に教室に戻っていなさい」
「ですがハナコ様……」
「大丈夫よ。わたくしもすぐに行くわ」
次の授業、何かと厳しい魔法学の先生なんだよね。遅刻するとペナルティを課せられるかも。
巻き込むのも申し訳ないし、人目がない方がロレンツォにも言いたいこと言えちゃいそう。
本鈴が鳴り響いて、周囲にいた生徒たちはみんな教室へと消えていった。
シーンとした廊下で、乱暴に壁ドンされる。
「ようやくふたりきりになれたな」
「イタリーノではこんな強引な誘い方が常識ですの?」
「わが国では女を見たら口説くのが礼儀だからな」
「まぁ、それでは殿方は大忙しですわね。ですがここはヤーマダ国。このような行いはマナー違反ですわ」
「くくっ、郷に入れば郷に従え。そういうことか」
分かってるなら笑ってないでソコどきなさいよ。
っていうか、壁ドンしたまま髪に触れてくんなっ。
「許可もなく女性の髪に触れるだなんて。とても一国の王子の行いとは思えません」
「あいにく女の髪を褒めるのも重要な男のマナーでな」
そんなマナーあるわけないでしょ!
ぎっと睨みつけたら、余計に面白そうな顔されちゃった。
もしかして作戦間違えた?
大声出せば誰か来てくれるだろうけど、あまり大ごとにはしたくはないし。
「そこまでにしろ、ロレンツォ。今すぐハナコから離れるんだ」
「シュン様……!」
どうして山田が?
あ、取り巻きのひとりが呼びに行ってくれたんだ。心配そうに遠巻きにこっちを見てる。
うう、ありがとう。授業サボらせちゃってホントごめんね。
「なんだ? シュンには関係ないだろう?」
「生徒会長として学園の風紀を乱す行為を見過ごすわけにはいかない」
「はっ、そんなセリフを貴様が言うのか? 素直にハナコを取られたくないと言えばいいじゃないか」
壁ドンしたままロレンツォが、せせら笑いながらわたしの顔に触れてきて。
「ロレンツォ、やめるんだ」
肩をつかんだ山田をロレンツォがギリっとにらみつけた。
対する山田はまだ冷静さを失ってないって感じ。
「今は授業中だ。教室に戻れ」
「どいつもこいつも真面目くさりやがって」
吐き捨てるように言うと、ロレンツォはわたしからあっさり離れていった。
「まぁいい。ハナコ、次こそ逃がさないからな」
「しつこい殿方は嫌われましてよ?」
「くくっ、そのくらいの方が落としがいがある」
なによ、余裕ぶっちゃって。こっちは全力で逃げるっつうの。
それにその笑い方、ほんとムカつくんですけど。
と、そのときいきなり山田に手首を取られて。
「危ない、ハナコ……っ!」
「きゃあっ」
一瞬遅れて廊下の窓が砕け散った。
ガラスの破片が降り注ぐ中、山田にぎゅっと抱きしめられる。
廊下を跳ねて転がるボール。体育の授業で野球でもやってたのかな。割れた窓の外から、なんだか騒ぐ声が聞こえてくるし。
「ハナコ、怪我はないか?」
「はい、シュン様のお陰で大丈夫ですわ」
「すまない、とっさのことで庇いきれなかった」
ガラスをかぶっているのはほぼ山田だ。それもほとんど魔法で弾いたみたい。
「シュン王子、お怪我は!?」
「うむ、わたしは問題ない。ダンジュウロウ、すぐに窓の修復の手配を頼む」
「お任せを」
あれ、いつの間にダンジュウロウが。
っていうか生徒会のメンバー、全員そろってるし。
「マサトは事情聴取を」
「了解、王子」
言うなりマサトは窓から外へ飛び出した。
ってか、ここ二階っ。
「ユイナは破片を回収してくれ」
「はぁい。ぜぇ~んぶ、こっちにあつまれ~」
ゆいなが両手を広げると、飛び散ったガラスが一か所に引き寄せられてくる。
こういうとき魔法ってホント便利だよね。
「シュン王子、俺は何をすれば?」
「ケンタはロレンツォを保健室に連れて行ってくれ」
「俺はいい」
「念のためだ。ケンタ、頼む」
「承知しました。ではロレンツォ様、失礼します」
ロレンツォの手を取った健太。そのままふたりはぱっとかき消えて。
「ハナコも行こう」
どこに?
って聞く前に、気づくともう保健室の中にいた。
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