断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

古堂 素央

文字の大きさ
73 / 78
終章

桜散る散る卒業イベント1

しおりを挟む
 そして迎えた卒業式。
 わたしはいま在校生として見送る立場で出席してる。
 リハビリの日々で三学期はほとんど授業に出られなかったんだ。卒業試験を受けるまでもなく、あっけなく留年が決定したって感じ。

「……この感謝の言葉をもって挨拶を終らせていただきます。卒業生代表、ダンジュウロウ・ササーキ」

 体育館に大きな拍手が湧き起こる。
 卒業生代表挨拶は主席で卒業のダンジュウロウが務めることに。

 万年二位のダンジュウロウだったけど、実は山田も留年することになったんだ。
 山田の場合はテロ騒ぎの後処理で授業どころじゃなかったみたい。

 本来なら王様が仕切るところを、どうしても自分が前に出るって言ってきかなかったんだって。
 理由はわたしが撃たれて重傷を負ったから。
 国内に巣食うテロ組織の残党を、怒りマックスな山田がみるみるうちに検挙していったって話。

 そんなわけで今日学園を卒業するのは、ダンジュウロウとジュリエッタ、そしてロレンツォ王子の三人だけに。

 え? マサト?
 マサトは山田の護衛だからね。残党狩りにもお供して、やっぱり留年のき目にあって。
 本人はあんま気にしてないみたいだったけど、まだ勉強するのかぁってトコだけため息交じりにぼやいてた。

「卒業おめでとう、ジュリエッタ」
「ありがとうございます、ハナコ様」

 卒業証書片手に、未希とダンジュウロウが並んでやってきた。
 このふたり、最近なんか良さげな雰囲気なんですけど?
 あとで未希をつついて、どうなってるのかを探ってみなきゃ。

「ダンジュウロウ様も。卒業生代表の挨拶、なかなか凛々りりしかったですわよ」
「なんとも複雑な心境だがな……」
「あら、主席卒業には変わりませんもの。胸を張ってよろしいのではなくって?」

 本当なら卒業生代表挨拶は、ずっと成績トップを走ってた山田が務めるはずだったからね。
 でも山田の優秀さはメインヒーローチートだし?
 ダンジュウロウも十分できるオトコだよ。もっと自信を持ってくれたまえ。

「ほらふたりともそこに並んで? わたくしが記念撮影してあげますわ」

 この記憶オーブをネタにして、これから先ずっと未希のことからかってやるんだ。
 未希はダンジュウロウと同じ大学に行くから、このままくっついちゃえって思ってる。

「ハナコ様!」
「あらみなさん、卒業おめでとう。今日は素敵な卒業式だったわね」

 取り巻きの令嬢たちがぞろぞろとやってきて。
 それぞれが卒業証書と花束を抱えて、いかにも卒業生って姿してる。

「ハナコ様、これ、受け取ってください……!」
「どうしてわたくしに? 卒業するのはあなたたちの方でしょう?」

 全員がわたしに花束を差し出してくる。
 それってば、自分がもらったやつなんじゃないの?

「わたくしたち、ハナコ様の同窓でいられたこと、本当にうれしく思っていますっ」
「一緒には卒業できませんでしたが、そのことを誇りに思わせてくださいっ」
「ハナコ様と共に過ごせた三年間は、わたしたちの宝物なんですっ」

 ずいっと花束を捧げられて、勢いに押されて受け取っちゃった。

「そ、そう。そんなふうに言ってもらえるとわたくしもうれしいわ」
「はいっ。わたくしたち、卒業してもハナコ様のこと、ずっとお慕いしておりますから!」
「まぁ大げさね。卒業後も社交界で会えるでしょう? みなさんのことは、これからもわたくしがしっかり面倒見て差し上げてよ?」

 ほーっほっほっほ、って気づいたらふんぞり返って高笑いしてた。
 ちょっと、ハナコっ。
 こんなときに出しゃばって来ないでよっ。

 最近、自然体で令嬢ハナコになってることが多くって。
 これも日本で過ごしたハナコの記憶を、夢の中で思い出したせいかしら?

「ハナコ嬢は人望が厚いんだな」
「それも当然のことですわ。ずっとわたくしたちを引っ張ってきてくださいましたもの」

 未希はからかい半分って感じだけど、ダンジュウロウの方は生温かい目を向けてくる。

「ダンジュウロウ様。ジュリエッタもわたくしの大切な学友のひとりですのよ。大学ではことさら目をかけてやってくださらないかしら?」
「ああ、ジュリエッタ嬢は俺の同窓でもあるからな。ぜひそうさせてもらおう」

 ぷぷ、上手くいった。
 未希ってば、ちょっと顔赤くなってるし。

 ふたりの恋の進展を、今度はこっちが生温かく見守ってやろうじゃないの。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない

あーもんど
恋愛
ある日、悪役令嬢に憑依してしまった主人公。 困惑するものの、わりとすんなり状況を受け入れ、『必ず幸せになる!』と決意。 さあ、第二の人生の幕開けよ!────と意気込むものの、人生そう上手くいかず…… ────えっ?悪役令嬢って、家族と不仲だったの? ────ヒロインに『悪役になりきれ』って言われたけど、どうすれば……? などと悩みながらも、真っ向から人と向き合い、自分なりの道を模索していく。 そんな主人公に惹かれたのか、皆だんだん優しくなっていき……? ついには、主人公を溺愛するように! ────これは孤独だった悪役令嬢が家族に、攻略対象者に、ヒロインに愛されまくるお語。 ◆小説家になろう様にて、先行公開中◆

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

モブ令嬢アレハンドリナの謀略

青杜六九
恋愛
転生モブ令嬢アレハンドリナは、王子セレドニオの婚約者ビビアナと、彼女をひそかに思う侯爵令息ルカのじれじれな恋を観察するのが日課だった。いつまで経っても決定打にかける二人に業を煮やし、セレドニオが男色家だと噂を流すべく、幼馴染の美少年イルデフォンソをけしかけたのだが……。 令嬢らしからぬ主人公が、乙女ゲームの傍観者を気取っていたところ、なぜか巻き込まれていくお話です。主人公の独白が主です。「悪役令嬢ビビアナの恋」と同じキャラクターが出てきますが、読んでいなくても全く問題はありません。あらすじはアレですが、BL要素はありません。 アレハンドリナ編のヤンデレの病み具合は弱めです。 イルデフォンソ編は腹黒です。病んでます。 2018.3.26 一旦完結しました。 2019.8.15 その後の話を執筆中ですが、別タイトルとするため、こちらは完結処理しました。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした

Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。 同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。 さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、 婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった…… とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。 それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、 婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく…… ※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』 に出てくる主人公の友人の話です。 そちらを読んでいなくても問題ありません。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

処理中です...