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第8話 大都市エルクステン

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 〝天界〟の自室にて女神アルテナは、楽し気な様子で〝魔力水晶〟に映る、稗月倖真ひえづきゆきまさの姿を見ていた。

「ふふ♪ 倖真ゆきまさは早くも〝異世界〟に馴染んできましたね。少し妬ける場面もありますが……クレハ・アートハイム……わたくしのライバルになりそうな方ですね」

 最初は機嫌が良かったアルテナだが……
 最後の方は可愛らしくムムッとした様子である。

 ──ドンドン! ガチャッ!

「アルテナ先輩! 大変です! 前代未聞ですッ!」

 荒めのノックの後に、慌てた様子で金髪ショートの後輩の女神が入ってくる。

「返事が返って来てから入ってくださいね♪ それでどうしましたか? クロエス?」

 ノックはしたものの、返事を待たずに入室する後輩女神を軽く注意しながらアルテナは優しく聞き返す。

「そ、それが……」

 ──

 ────

「それは本当ですか? 何故そんな事になったのです?」

 アルテナにしては珍しく本気で焦った様子でいる。

「すいません。私も注意はしていたのですが。気づいたらもう終わっていて……私のミスです……本当に申し訳ありません」

「……仕方ありませんね。私が様子を見てきますので、少し待っててもらえますか?」
「はい、本当にすいません。よろしくお願いします……」

 本当に申し訳なさそうにクロエスは頭を下げる。

(せっかく倖真ゆきまさの活躍を見てましたのに……残念ですが、続きはこの件をどうにかしてからですね)

 アルテナはヘコむクロエスの頭を、そっと優しく撫でると、自室を後にする。

(──倖真ゆきまさ、どうか世界をよろしくお願いします)

 そう心の中で願いながら、アルテナはクロエスから報告のあったの現場へと急行するのだった。



 〝大都市エルクステン〟に着いた俺は、そのまま竜車に揺られてクレハ達とギルドに向かっていた。

「でかい町だな? 大都市ってのも納得だ」

(それと魔王が3人いるって話──まあ、正確には4人いたらしいが……それは一先ひとまず、もう後回しだ!)

 どうやら、この世界では魔王は一般常識らしいからな。今、この話を追求すれば……この世界から見て、俺が異世界から来た話とかもしなきゃならなそうだし。

 それに全部を話したとしても、信じて貰えるとも思えない。

 幸い、クレハ達も深くは聞いてこなかったしな。

 そんな事を考えてると、俺は街に入ると真っ先に目に入るであろう大きな建物に視線が引き寄せられる。

(デカイ建物だな。あれは王宮か?)

「──人類の中でも、指折りの大きな都市だからね。あ、ユキマサ君、あれがギルドだよ!」

 と、クレハが指をさした建物は俺が今まさに眺めていた『王宮か?』と見ていたデカイ建物だった。

「は……あれがギルドなのか!?」

 マジか! 王宮かと思ったぞ!?

 するとクレハの向かいに座っていた金髪のエルフの少女──エメレアが相変わらず俺を睨みながらこちらに話しかけてくる。

「〝エルクステン〟のギルドは人類ではのギルドよ? 建物自体も有名な筈。あなた本当に何も知らないのね」

 エメレアは溜め息混じりの声で呆れた様子だ。

「ああ、初めてみる……」

 こればかりは異世界初日だし仕方ないだろう。

 あーあ。後で、ダメ元で異世界のガイドブックでもあるかどうかクレハにでも聞いてみるか?

 いや、教科書みたいな物の方がいいのか?

 まあ、これはこれで新鮮な気分だから、いいっちゃいいんだけどさ?

「ユキマサは本当に不思議な人だな? この街というより、この世界が今日が初めてみたいな反応だぞ?」

 ──お、正解だ。システィア!
 実は、この世界は今日が初めてなんだ!

 ……とは、やはり言えず。

「まあな」

 と、これまた俺は曖昧あいまいな返事を返す。

「あ、もう着くよ!」

 そうクレハが言い終わるとほぼ同時に、竜車がピタッと止まり、目的地のギルドの前に竜車が到着する。

 すると、外から男性の声が聞こえて来る。

「──皆さん! ご苦労様でした! また情報不足により、危険にさらしてしまった事を深くお詫び申し上げます!」

 その方向を見てみると、少し長めの灰色の髪に知的に丸眼鏡をかけた、見た目は30前後の優男な雰囲気の男性がいる。

「ギルドマスター!」
「システィア隊長。ご苦労様でした。フォルタニアさんの方からお話は伺っております」

「いえ、私の力が及ばず……かなりの被害も……そして死者も出してしまいました。本当に申し訳ありません。全て私の責任です」

「それを言うのでしたら、あなた方〝第8隊〟にヒュドラの討伐を任せたのは他ならぬ私なのですから。今回の件は全てギルドマスターとしての私の責任です。どうか頭をあげてください」
「それでも私の力不足は痛感しました……」

「亡くなられた方々は本当に残念でなりませんが……ヒュドラの〝特定変異種指定魔獣ヴァルタリス〟を相手にこの人数で生き残り、帰って来てくれた事は称賛に値しますよ」

 ギルドマスターと呼ばれた灰髪グレーヘアーの男性は、自分を責めるシスティアを上手くなだめている。

「報告は伝わってるかと思いますが、あのヒュドラを倒したのは私共ではありません。そちらにいるユキマサ殿のおかげです。彼がいなければ隊は全滅……少なくとも私はここには居なかった筈です」

(さらっと話をふられたな?)

 竜車から傍観ぼうかんを決め込んでた俺だが……
 名指しで話を振られては仕方ないと竜車を降りる。

「そちらの彼がヒュドラを!? フォルタニアさんから話は聞いています。この度は本当にありがとうございました。本当に何とお礼をいっていいのやら……」

 ギルドマスターは深々と頭を下げ、丁寧な喋りでお礼を言って来る。
 
「どういたしまして。それに、その事は別に気にしなくていい。俺が勝手にやったことだからな」
「しかし、せめて褒賞金ぐらいは受け取ってもらえればこちらとしても嬉しいのですが……」

(褒賞金か。金はあって困る事はまず無いが……)

 クレハには『おにぎりの礼だ』とか言ってしまった手前……正直な話、それも受け取りづらいので……

「考えとくよ」

 とだけ返事をする。

「分かりました。それと申し訳ありませんがユキマサさん、それとシスティア隊長。少しギルドマスター室へ来ていただきたいのですが……よろしければお話をお聞かせ願えませんか?」
「私はもちろん向かいますが……」

 と、答えたシスティアがチラッと俺を見てくる。

「分かったよ……」
「ありがとうございます。ではこちらへ──」

 そう言うとギルドマスターは俺達を中へ案内する。

「あと、フォルタニアさんも来てもらえますか? それとギルドの職員に隊の後処理の手伝いと、亡くなった方々の遺族の方への対処や見舞金などの準備を頼んでください──皆さんも、何かあればすぐに私の方へと知らせるようにしてください!」

 ギルドマスターは後方にいる金髪のエルフの女性に話かけ、その後に帰還した第8隊員や冒険者達に向けて声をかける。

「分かりました」

 そのフォルタニアと呼ばれたエルフの女性は簡潔に返事して、他のギルド職員に指示を出す。

「失礼いたしました。では、改めてましてこちらへ」

 俺はギルドマスターに案内されるがまま、システィアと一緒にギルドの中へ入る。

「外から見てもデカイが中もかなり広いな?」

 〝へぇ……〟と俺はギルドの中を見渡す。

 ギルドの中は人も多く、よく見るとチラほらと騎士でも冒険者でもなさそうな奴もいる。

「このギルドはギルドの役割の他にも、騎士の養成所や、魔法や武器の練習場の他にも、色々とありますから──〝7年前の魔王戦争〟の後からも、色んな施設を組み込んでまして。ちなみに上の階には食堂とかもありますよ? 値段も安くて美味しく量も多いので、騎士隊の方や冒険者の方もよく利用しますよ」
「……そりゃ……広いわけだな……」

 俺の思っていたギルドとは勝手が少し違うみたいだ。
 何て言うか、思っていたより規模がデカイし、ギルドの中にある様々な施設の種類もかなり多いようだ。

 その後も、俺は簡単にギルドの説明を受けつつ、ギルドマスターの案内に従いギルドを進んでいく。

「──着きました。どうぞこちらへ」

 と、相変わらずの優男と言うか……
 最早、胡散臭いまでの笑顔で案内される。

 というか、胡散臭いな。

「お邪魔します」

 俺は少し警戒しながら案内された部屋に入る。

「どうぞ。お座りください」

 と、言われうながされるまま席に座る。

 するとさっきのエルフの女性が「お茶をお持ちします。少しお待ちください」と、部屋に入るなりお茶を煎れにいく。

(確かフォルタニアとか呼ばれてたな?)

「フォルタニア殿、お茶なら私が!」

 そのフォルタニアがお茶を煎れに行こうとすると『私が……!』とシスティアが立ち上がるが……

「いえ、システィア隊長もお疲れでしょう。お気になさらずお茶ぐらいはわたくしにお任せください」と、優しげな声でやんわりと断られ、システィアは「も、申し訳ない……」と再び席に着く。

(それにしても、このギルドマスターは何だ? ……この感じ……人間か? 何か変な感じだな?)

 席に着いた所で、俺は最初見た時からこのギルドマスターに感じていた違和感に首を傾げる。

「お待たせしました」

 直ぐにフォルタニアがお茶を煎れてくると、お茶の良い香りが鼻腔びこうをくすぐる。

(これは紅茶か……? おにぎりといい〝異世界〟でも共通の食材や料理もあるんだな……)

 俺は運ばれてきたお茶を見ながらそんな事を思う。

「どうぞ、粗茶ですが」

 礼儀正しく言うフォルタニア。

「どうも、いただきます」

 と、俺は冷める前に美味しく紅茶をいただく。

 俺は、紅茶はあまり飲まないタイプだが……

 ──これは美味いな! 茶葉も品質が高いのは直ぐ分かるが、それにお茶の煎れ方が抜群だ。

 そんな俺の様子を察してか、ギルドマスターは満足そうな表情で、俺を見ながら自身も紅茶を口に運ぶ。

「それで、話って何だ?」

 お茶も程々に俺は話を切り出す。

「はい。その前に改めまして、私はこのギルドでギルドマスターを務めさせて頂いています──ロキ・ラピスラズリと申します」

 ペコリとお辞儀をした後に、ロキは先程の竜車の中でもクレハ達に見せて貰った、ゲームのような〝ステータス画面〟をこちらに見せてくる。

 ―ステータス―
 【名前】 ロキ・ラピスラズリ
 【種族】 半霊人ハーフアンデッド
 【年齢】 59
 【性別】 男
 【レベル】70

 ──半霊人ハーフアンデッド? 違和感の正体はこれか……

 続けて、隣にいたエルフの女性が自己紹介をする。

わたくしはフォルタニアと申します。このギルドの副ギルドマスターを務めさせてもらっています。どうぞよろしくお願い致します」

 改めて名乗ったフォルタニアも、同じく〝ステータス画面〟を見せながら自己紹介をしてくる。

(この名刺交換みたいな〝ステータス画面〟の見せ合いは〝異世界〟では、もはや一般常識みたいだ……)

 ―ステータス―
 【名前】 フォルタニア
 【種族】 エルフ
 【年齢】 21
 【性別】 女
 【レベル】40

「システィアとは竜車で自己紹介済みだ。俺はユキマサだ。縁合ってこの街に来た、よろしく頼むよ──」

 ―ステータス―
 【名前】 ユキマサ
 【種族】 人間ヒューマン
 【年齢】 16
 【性別】 男

 俺は馬車と同じく魔力を込めて〝ステータス画面〟を開き、パッと指で弾く感じで二人に見せながら、最低限の自己紹介をする。

「悪いな、情報少なくて?」
「いえいえ、気にならないと言えば嘘になりますが、お気になさらないでください。十分ですよ。それに自己紹介を拒否されても文句も言えない立場ですから、私的には概ね満足です」

「そうか、ならよかった。そういえば、半霊人ハーフアンデッドってのは、俺はあまり聞いたこと無いな?」
「ええ。実は私は、昔──〝即死魔法〟を食らってしまい、一度死んでしまったんですよ。私のユニークスキル〝魔法半減マジックハーフ〟は、どんな魔法も威力と効果半減というスキルなのですが──〝即死魔法〟を食らったら、そのスキル効果で半分だけ死んだといった感じです。あ、元々は人間ですよ?」

 ロキは『いやぁ、あれは流石に参りました……』とばかりに〝お手上げのジェスチャー〟を加えて、半分死んだと言うのに、結構明るい感じで説明してくる。

「なるほど。そりゃ、波瀾万丈だな……」

(これは幽霊やゾンビともまた違うな?)

 ──神様アルテナですら、死人は生き返らないと言っていた。

 ロキの場合は〝死人が半分生き返った〟のでは無く
 〝生きてる人間が半分死んだ〟ってことか。

 結果は同じようなものだが、過程は真逆だな。

「そうですね。半霊人ハーフアンデッドになってからは、良くも悪くも生活や体質が変わりましたが……それでも死ぬよりはいくらかマシでしたね」

 本音なのだろう。相変わらず胡散臭いが、
 その時を思い出したロキの表情は少し固い。

「悪いな。あまり聞かない方がよかったか?」
「いえいえ。全然聞いてもらって結構ですよ」

「そうか? 物理攻撃もあまり効かなそうだな?」

 許可も出たので俺は続けて質問してみる。

「よくおわかりで。半霊人ハーフアンデッドになったら〝物理半減〟のスキルも獲得しましてね」

 クイッと片手で眼鏡を直しながら、ロキは相変わらずの胡散臭い笑顔で答えてくる。

「〝魔法半減〟に〝物理半減〟か……随分と軽減カット特化なんだな? 〝半霊人ハーフアンデッド〟ってことは、光がダメとかデメリットもあるのか?」

 更に俺は少し気になった質問を投げてみる。

「あまり得意では無くなりましたね。夕方は平気ですが、日中とかだと出せる力も少し制限されますしね」
「まあ、あんたなら多少制限されても、そこら辺の冒険者や騎士よりは全然戦えるだろう?」

 レベルも70だしな。数字だけ見ても、第8騎士隊長であるシスティアよりもレベルは20ほど高い。

「誉めても何もでませんよ? 他に変わった事といえば、睡眠や食事がいらなくなったとかでしょうか? 簡単に言えば、人間的な欲求が無い身体なのですよ。そこだけみれば、それこそ幽霊みたいですね。あ、でも、紅茶やお酒は好きですから飲みますよ」

(……水分は摂るのか? いや、ってことは必ずしも必要というわけでもないのか)

「それは本当に良くも悪くもだな」

 便利そうではあるが……なりたいかと言えば、には正直あまりなりたくは無い体質だ。

「ええ。それとユキマサさん。よろしければ私の方からも1つだけ質問させて貰っても良いですか?」

 相変わらず胡散臭い笑顔で話かけてくるが……

 その場の空気が少し変わる。

 ──急に来たな?

「内容によるが……何だ?」
「単刀直入に聞きます。ユキマサさん貴方は我々……人類の味方ですか? それとも敵ですか? 失礼は承知ですが、それでも我々からみれば貴方がもし敵ならばあなたの強さは脅威なのです。だからハッキリさせておきたい。よければ答えていただけませんか?」

 部屋に更に緊張した空気が走る。

「現状ハッキリ言えるのは、今の所はこの場にいる奴の敵では無いという事だけだな。それに人類の味方かと聞かれれば──誰でもへだて無く人類全体の味方になれるとは思えない。でも、少なくとも、俺は今この都市にも、大まかな人類にも特に敵対意思は無い」
「そうですか、それは良かった……」

 心底ホッとした様子でロキは一息つく。

「今の回答で満足か?」

 やけに簡単に納得したな……
 嘘は言ってないが信じすぎじゃ無いか?

 つーか、今の話だと人類に人類の敵がいるのか?

「はい。一切いっさい嘘が無いのは確認できましたから」

 そこで俺は会った当初から微かに〝魔力〟を込めていて……自己紹介以降は黙ったまま話を聞いている、ロキの後ろに立つエルフの女性に目をやる。

「フォルタニアだったな? 何かの魔法か?」
「はい。私のスキル〝審判ジャッジ〟にて、嘘か真かを失礼を承知で、勝手ながら判断をさせてもらっていました」

 あっさり認めたな。

「申し訳ありません、私の指示です」

 ロキが謝ってくる。

「いいよ別に。で、結果はどうだった?」

 ロキの反応で分かるが、俺はフォルタニアに興味本意で、そんな質問を投げてみる。

「嘘はありませんでした。それに濁すような言い回しも、暗示的な物も無いと判断します」
「それは何よりだ」

 てか、濁すような答えや、暗示的な答えなのかそんな事まで分かるのか? かなり高性能だな。

「ふぅ……私も少しドキドキしたぞ……」

 同じく黙って、じっと話を聞いていたシスティアが軽く深呼吸をしホッと息を吐く。

「話は以上か?」
「ええ、私からはひとまず以上です。もしユキマサさんの方から何か質問などあれば答えますが?」

「ギルドには依頼の受注などで顔を出してもいいか?」

 取り敢えず、俺はそこの許可を取る。

「勿論大歓迎ですよ。むしろ、こちらから何か依頼があれば受けていただきたいのですが……?」
「内容によるが……話ぐらいならいつでも聞く」

 一先ひとまず、ギルドへの入室許可は下りたな。

「はい。是非によろしくお願いします」
「ああ。それと取り敢えず今日は失礼するよ」

 勿論俺は他にも聞きたい事だらけだが……
 フォルタニアのスキルが少し厄介だ。

 信じては貰えそうだが……異世界だの、神様だので、騒ぎになっても面倒だ。
 もう少し自分で情報を集めてから、改めて色々と話を聞いても遅くは無いだろう。

「分かりました。もう少し個人的にはお話したかったのですが……では、それはまたの機会にでも──」

 と言う、ロキは本当に残念そうだ。

「俺もまた何かあれば来るよ。システィアもまたな。フォルタニアもお茶ご馳走さま。美味かったよ」

 するとシスティアがバッと立ち上がり──

「ユキマサ、本当に今回は助かった! 今度改めて礼をさせてほしい。では私の気がすまん……!」

 深々と頭を下げて来る。

 あ、ああ……確か、システィアがヒュドラの討伐後に何か礼をしたいと言うので俺は『竜車で送ってくれるのでいい』って言ったんだったな。

「またいつでも来てください。大体こちらのギルドマスター室にいますので。美味しい茶葉を用意してお待ちしてますよ」

 ロキは爽やかな笑顔を浮かべる。

「お粗末様でした」

 フォルタニアも、落ち着いた様子でペコリとお辞儀をし、返事をしてくる。

「ああ、ありがとう」

 とだけ返し、ギルドマスター室を後にする。

 ──さて、この後はどうするか?

 アルテナにもらった剣も壊れちまったし……
 買い物がてら、異世界の街でも見て回るとするか。
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