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松穂

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第2部

諸岡良晃、ワトスンになる

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 デスクの上に拳を叩き付けてしばしそのまま固まった杉浦は、ふっと力を抜いて泣き笑いのような表情を浮かべた。
「……あいつ……受けたショックは、俺の何百倍もデカかったくせに。あーあ、俺ってば情けねーなー……」
 乱れた髪をかき回し己を責めて項垂うなだれるなど、いつもの杉浦ではあり得ない。彼に対して滅多に感じたことのないしんみりとした同情心が、諸岡の中にじわりと広がっていく。
 ――誰よりも彼が、警戒していたのだ。
 いつかの日、諸岡たちに情報収集の協力を求めてきた彼は、 “特に侑司と葵ちゃんの周辺で” と念を押していた。黒河侑司と水奈瀬葵に対して何らかの害意が存在することを、並みならぬ精度を誇るアンテナでいち早く察知していたのだのだろう。
 しかし、危険を予知し万が一を想定し、必死に防災処置を試みたにもかかわらず、災禍は防ぎきれなかった。無念や痛恨以上に、彼の自尊心はズタズタなのだ。そんな上司を見る諸岡の細い糸目にも、精一杯の情けが浮かぶ。

「杉浦さん。あのFAXが届いた時間、黒河マネージャーはどこにいたんですか?」
 男どもの繊細な心情なんかどうでもいいといった調子で、大久保が頓着なく杉浦に尋ねた。
 力なく項垂れていた杉浦は顔を上げて「それ、聞くのー?」と苦い顔をする。
「――さっき言ってた、日比谷、、、ですか?」
 容赦ない彼女の鋭さに、杉浦はさらに苦々しい顔をして「……ああ、そうだよ」と溜息と共に吐き出した。

「……昨日の夜、侑司は鶴さんとセミナーに行ってたんだよ。有楽町の何とかっていう商業ビル。それ終わったら二人一緒に日比谷へ顔を出す予定だった。昨日、日比谷に入ってた大型予約の顧客が、鶴さんの昔からの顔馴染みらしくてね……」
 デスクチェアの背もたれに身を預け、杉浦は天井をぼんやり見上げる。
「……マズいFAXが来た、って和史から連絡もらった時、ちょうど俺、うちに帰る途中でさ、とりあえず『紫櫻庵ここ』に戻ろうとしたとこで、カッシーから電話。慧徳にもFAXが届いたっていうじゃん。……その内容を聞いて、葵ちゃんのことも心配だったけど、とにかく侑司がヤバいって思って、慌てて車をかっ飛ばして日比谷に向かったんだよ。……その間、徳さんに電話したら、本社にもFAXが来てるっっていうし、鶴さんと侑司には電話がつながんないし」
 静かな事務室に、疲れたような溜息が漏れる。
「……んで、またカッシーからかかって来て、西條さんからもかかって来て、おまけにハルミちゃんからもかかって来て、出ようとしたところでバッテリー切れ」
 俺、よく事故んなかったよなぁ……と、杉浦は乾いた声で笑った。
 
「……それで、結局、黒河さんは……?」
「……俺が日比谷のスタッフルームに飛び込んだ時、侑司は豊島の胸ぐらを掴みかけてたよ。あわや一触即発、てやつさ。間に鶴さんが入ってたからどうにか手は出させなかったようだけどね。でも止めに入った鶴さんが殺し屋みたいな顔してたから、豊島がどんな言葉で侑司と葵ちゃんを侮辱したのか知れるってもんさ」
 ギッと歯噛みした大久保が「……クソ男」とすり潰すように呟いた。

「……挙句に、さっきも言った通り、豊島はご丁寧にも問題のFAXをスタッフ全員に回し読みさせていた。店舗管理者として大失態だよ。あとで上から相当な叱責を喰らうだろうね。…… “緊急事態における的確な状況判断の欠落と初動対応の不適当” ってやつさ」
「あのクズ男を店舗管理者に据えた上の責任でもありますよね」
 またもや大久保が辛辣な言葉を発する。
 彼女が豊島に対し、痛烈に激辛なのは無理もないのだ。入社当初、配属されたホテル店舗で彼女を陰湿に苛めていた筆頭が豊島だった。
 杉浦は中間管理職という立場をアピールするような、中途半端な笑みを浮かべてその先を続ける。

「それからどうなったのか、俺にもわかんないんだよ。『このFAXは全店舗に送信されたかもしれない』って俺が言った途端、突然侑司がスタッフルームを飛び出して行っちゃってさ。その場はとりあえず鶴さんに任せて、俺はすぐに追っかけたの。……んで、すったもんだの末に、ここへ連れてきたってわけ。本社に行こうかとも思ったんだけど……ま、こっちの方が近かったしね。あいつ、目を離したら何をしでかすかわかんなかったから」
「あ、暴れたりとか、したんですか……」
 暴れる黒河侑司というのも、なかなか想像できるものではないが。
 杉浦は口をへの字にして、ワイシャツの袖を捲ってみせた。露出した前腕から肘のあたりに赤黒い大きなあざがある。どこかに思い切り打ちつけたような内出血の痕だ。
 披露した杉浦は「名誉の負傷ね」と顔をしかめた。

「暴れるってより……取り憑かれたようだったな、あいつ。ものすごい勢いで駐車場に向かってSUVに乗りこもうとするからさ、死ぬ気で止めたんだよ。今のお前じゃそこの大通りに出た途端、死者が出るって。それこそ本気で怒鳴って羽交い絞めして、……で、吹き飛ばされた」
「……なるほど」
 ワイシャツの袖を元に戻す杉浦を眺めながら、自然、諸岡も痛々しい顔になってしまう。
「最終的には諦めてくれたのか、大人しくなったからさ。その隙に俺の車に押し込んで、ここに連れてくることができたんだよ。……でもあいつ、それからひとっ言も喋んないの。昨日の夜から今まで発した言葉って、さっきの『手伝ってきます』だけ。……寝ないし食べないし、ずーっとあそこに座って外を眺めて、それで、時々思い出したようにふらっと立ち上がってどこかに行こうとして……」
「……杉さん、それって――」
「ああ、わかってるよ。……あいつ、慧徳に、、、行きたかったんだ」
 ――傷ついただろう、彼女のもとへ、、、、、、

 やるせない沈黙が下りた。諸岡は、やっぱり……と唇を噛みしめる。
 あのFAXは慧徳にも届いた。スタッフ皆が裏の事務室に集まり、賑やかな笑い声が上がる中、突然あれがFAX機から吐き出されたという。
 その時、彼女はどんな心地だっただろう。自分と黒河侑司の名をそこに見て、何を思っただろう。諸岡でさえ、こうして彼女を思えば胸が痛むのだから、黒河侑司が平然としていられるわけがないのだ。
 正直ついさっきまで、諸岡は黒河侑司という男が理解できなかった。
 いつからか突然、水奈瀬葵に対してことさら冷たくなり、つい一昨日の月会議終了後など、他の男との付き合いを推奨するような言葉を吐いたのだ。
 いずれくっつくのだろうと思っていた二人なのに、どうして彼が彼女をそこまで遠ざけようとするのか不可解でならず、彼女の傷ついた表情が不憫でならず、諸岡も我知らずカッと血が上ってしまったほどだ。
 けれど、今ならはっきりとわかる。何か事情があったのだ。あの時の黒河侑司の言動は、本意ではなかった。
 もし、彼が彼女を何とも思っておらず、単に悪質な中傷の中へ組み込まれただけだと認識するのなら、彼は毅然と顔を上げてそれを無視するだろう。事実でない妄言など彼は歯牙にもかけない。それだけの強さを持った人間だ。
 だが、先ほどまでここにいた黒河侑司は、まるでシステム障害を起こしたアンドロイドのようだった。限界を超えて激した感情が完全にショートしてしまったのだ。
 諸岡はようやく、彼の中に抑えつけられた強い恋情を垣間見たような気がした。

「――杉さん。これって犯罪ですよね? 名誉棄損罪にしろ侮辱罪にしろ、然るべき場で裁かれなきゃならない罪だと思います。警察に被害届を出して捜査してもらうわけにはいかないんですか?」
「警察、ね……でもその辺の判断は、俺の範疇じゃないしさ……」
「じゃあ、どうするんですか? このまま黙って指をくわえて見てるだけですか? 杉さんに限ってそれはないですよね? だってもう、犯人がわかっている、、、、、、、、、んでしょう?」
 隣の大久保が驚いた眼を諸岡に向け、次いでそのまま問うように杉浦を見る。二人の視線を受けて「お」と小さく仰け反った杉浦は「いやいや」と頭を振った。
「モロちゃん。俺を買ってくれるのは嬉しいけどね、まだ何とも言えないよ。大体、物証も乏しいのに――、」
「――嘘だ。少なくとも杉さんは、犯人が誰か、、、、、、目星はつけているはずです。確かに決め手となる証拠はないのかもしれない。だから、その証拠を、、、どこから見つけるか、、、、、、、、、……それを今、必死で考え中なんでしょう?」
 挑むように言えば、杉浦は「……モロちゃん、ホントに君は顔と性格が合ってないよ……」と呆れたように呟いて、少し考え込むように宙を見つめる。そしてゆっくりと両手の指を組み直した。

「……本当にまだ何にも掴めてないよ。今のところ唯一の物証と言えるのは、各店舗に送られてきたFAX用紙だけだろ? それを見る限りわかるのは、簡単にアシがつかないための浅知恵だけは持っている人間……もう一つ言うなら、その内容からして、水奈瀬葵と黒河侑司に対してかなり強い怨恨を持った人間……それくらいだな」
「葵ちゃんと黒河マネージャーの両方を同時に恨む人間って、まったく思いつかないんですけど」
 大久保が、形のいい眉をこれ以上ないほどに寄せて考え込む。
 かゆい所に手が届かないようなもどかしさに押されて、諸岡はきっぱりと断言した。
「――俺は、木戸穂菜美が犯人だと思います」

 大久保は寄せていた眉をギョッと上げ、杉浦も珍獣を発見したかのような目を向けた。そして諸岡は、そんな二人の反応を黙って受けとめる。
 諸岡とて、FAXを発見してからただ怒りに震えていたわけではない。諸岡なりに一晩かけて、この背景にある “犯人” とその “動機” について推理を積み重ねてきたのだ。
 その出来上がり図は、我ながら筋の通った様相を成していると思う。
 たっぷりと間を持たせてから、諸岡は改めて小さく咳払いした。

「……その理由として、まず注目してほしいのは、水奈瀬の携帯にかかってきていた公衆電話からの不審な着信、です。二人にはもう話しましたよね? ……俺がその話を彼女から聞いたのは十月の会議の日でした。聞いたすぐ後に偶然、水奈瀬と木戸穂菜美がぶつかって、その拍子に、木戸はテレフォンカードを落としました。明らかに使われた形跡のある、穴の開いたテレフォンカードです。……その時、木戸はこっちが引くほど動揺したんです。他でもない水奈瀬本人にそのカードを見られたから、あれだけ慌てふためいたに違いありません。……つまり、公衆電話から電話をかけ続けて水奈瀬に嫌がらせをしていたのは、木戸穂菜美だとみて間違いないと思います」

 そこで少し乾いた唇を湿らせた。杉浦は黙ったままだ。大久保は少々納得がいかない顔で「でもさ」と口を挟む。
「不審電話の件は彼女が犯人だとしても、今回のこのFAXも木戸さんが犯人っていうのは、ちょっと飛躍しすぎなんじゃない?」
「そうかな。俺は不審電話とFAXだけじゃなくて、慧徳で起きた異物混入、それから本社へのクレーム、ネットへの悪質な投稿記事も、全部あの女が裏で手を引いたんじゃないかって、にらんでる」
「えぇっ? ……全部? 木戸さんが?」
「うん、全部だよ。だっておかしいだろ? こんなに立て続けて慧徳の店や水奈瀬の周辺で不快なことばかり起きるなんて。ただの偶然じゃあり得ないよ。実行犯は別にいるとしても、裏で手を引く黒幕は、木戸穂菜美――彼女だと思う」
 自信満々な諸岡の言い様に、大久保はう~んと考え込んでしまう。
 一方の杉浦は、その眼に興味深そうな色を瞬かせた。
「んじゃさモロちゃん。一個一個説明してよ。慧徳の異物混入は? どうして木戸さんが裏で手を引いていると思うのー?」
 大きく頷いた諸岡は、腕を組んで意識を集中させる。きちんと理論立てて説明するには、思考の歯車を丁寧に回転させなければならない。

「最初に、慧徳で起きた異物混入は虚言クレーム――つまり “やらせ” だと、前提しておきます。……誰がどう聞いても “やらせ” なのは明らかなんですけどね。それを踏まえた上で、あの状況を思い出して下さい」
 諸岡自身、実際のクレーム発生現場に居合わせたわけではないが、後から詳細を聞いているので、騒動の経緯は大体把握しているつもりだ。

「そもそも、なぜあの異物――髪の毛は、メンチカツの挽肉の中に、、、、、仕込まれたのか? クロカワフーズ傘下の店はどこも、衛生管理が徹底していると俺は自負しています。そりゃあ、人間の手が入る以上、絶対はありませんけど、挽肉の中に異物が混入するなんて、クロカワフーズ傘下の店に限っては最もあり得ないはずなんです。……なのに、髪の毛はメンチカツの挽肉の中にあった。……メンチの下でも、つけ合わせガロニの隙間でもなく、挽肉の中に。……想定しがたいミスにもかかわらず、敢えて中へ混入させたのは、そこが一番、給仕人の目が届かない場所、、、、、、、、、、、、だからです。下手に見えそうな場所に異物を仕込めば、後から給仕人が『そんなところに髪の毛なんて絶対になかった』と言い張る可能性がある。……それじゃダメなんです。異物混入を間違いなく確実に、店の責任にしたい、、、、、、、、わけですから」
 大久保の眉が再びキュッと寄っていく。諸岡の説明を上手く判じかねるようだ。

「木戸穂菜美はその辺の事情をよく知っています。仮にも赤坂のアテンドを務めている彼女なら、いくら格下の、、、『アーコレード』とはいえ、給仕人のクオリティは承知のはず。下手な場所に仕込めば、簡単に “やらせ” がバレて店側の責任を問えない……つまり、店長の水奈瀬を確実に追い込めなくなると思ったんです。……だから、髪の毛を仕込む場所として、挽肉の中、、、、を選んだんですよ。……もちろん、彼女が直接慧徳に赴いて手を出すわけにもいきませんし、知り合いか誰かに実行を頼んだんでしょうけどね」

 慧徳で異物混入を訴えた客の正体は未だ判明せぬままだけれど、その客と木戸穂菜美の間には何らかのつながりが必ずあるはずだと、諸岡は信じている。
 杉浦は「……なるほど」と頷いて、デスクチェアごと身体を右へ左へ回し始めた。
「……じゃ、本社への苦情メールとグルメサイトの悪評記事は?」
「それも彼女が犯人だと言える根拠があります。苦情メールと悪評記事は内容がほぼ同じでしたよね。そこで、あの文面を思い出してほしいんですけど……っていうか、杉さんもとっくに気づいていますよね?」
 とぼけた顔で白々しく首を傾げる杉浦。そんな彼に思い切り胡散臭い視線を送ってやった諸岡は、大久保の方へ向いて続けた。

「……あの文面の中におかしな記述があったんだよ。確か……《お詫びと言ってデザートを出されたが、その栗のアイスクリームも半分溶けかかっており、呆れるしかない》……こんな記述だ。栗のアイスクリーム、、、、、、、、、……わかる? 慧徳ではその日……いや、全店で栗のデセールが始まった日から一度も、栗のアイスクリームだけは出していないのに、、、、、、、、
「……え、そうだったの?」
 大久保が黒髪を跳ねさせた。
「だって『アーコレード』の氷菓は『櫻華亭』のレシピとほぼ同じはず……あ、そっか! 葵ちゃんとこのアイスクリームメーカー……!」
「そう。故障したんだよ。もう二か月も前に。それから慧徳は氷菓を店で仕込むことができなかったんだ。……本当ならもっと早く新機器を購入する予定だったんだけど、色々時間がかかった上に購入許可も下りなくて、仕方なく慧徳はしばらくの間だけ氷菓を外注している。たぶん、今年いっぱいは外注品で対応するはずだよ」
「……そっか……あ、外注メーカーで、同じ栗のアイスは取らなかったの?」
「取り扱っているメーカーもあったらしいけど、品質と原価、搬入コストなんかを鑑みて、栗アイスは諦めたらしい。だから、慧徳店で十一月に出していたのは “バニラアイスクリーム” と “洋梨のシャーベット” だ」
「……でも、それならどうして “栗のアイスクリーム” だなんて……」
「おそらく、より悪く印象付けるために、より細かい描写を捏造したんだろうと思うね。 “栗のアイスクリーム” なんていう具体的な商品名を挙げてリアリティを出せば、内容にも信憑性が出ると考えたんじゃないか?」
「うーん……」
 やはり大久保は難しい顔で唸るだけだ。
「いいか? さっき大久保も言ったように、『アーコレード』の氷菓のレシピが『櫻華亭』とほぼ同じだってことは、クロカワフーズの役職者なら誰でも知っている。逆に、慧徳がしばらく氷菓を外注品にすることは、統括やマネージャー陣は知っていても、他の社員はほとんど知らない。知っていたのは水奈瀬から事情を聞いていた牧野さんと俺くらいなんだよ。……当然、木戸は知らなかった。彼女は、他の店舗と同じように慧徳でも “栗のアイスクリーム” が出されている、と思い込んでいたんだ。……苦情にリアリティを出すべく、ちょっとした味付け気分で脚色に使ったんだろうけど、それが裏目に出たってことさ」
 そこでちらりと杉浦を見れば、話を聞いているのかいないのか、相変わらずデスクチェアをのんびりツイストさせながら茫洋と宙を見上げたままだ。
 人が構築した推論を軽く見られているようで面白くないが、最後の仕上げはあと一つ。諸岡は一息吸った。

「そして、昨晩のFAX。彼女が昨日の着信時、赤坂の店にいたかどうかはわからないけど、今は送信時刻を予約設定できるファクシミリだってあるんだ。自分が必ず店にいる時刻を設定しておいて、着信したFAXを他のスタッフと一緒に見る。そこでさも驚いた風を装えば、誰も彼女が送信者だなんて思わない」
「一応のアリバイにもなるってこと……」
 大久保の呟きに、諸岡は「簡単に崩せるアリバイだけどね」と補足しておく。
「いずれにしても、自分は犯人じゃないことを周りに印象づけることはできると思ったんだろう。……で、肝心の “動機” だけど。さっき大久保は、黒河さんと水奈瀬の両方に恨みや妬みを持っている人間なんて思いつかない……そう言ってたけど俺は、木戸穂菜美――彼女なら該当すると思う。……その理由は、大久保ならわかるだろ?」
 問われた大久保は、かき氷の早食いでもしたかのように、眉間をぐりぐりとさすった。
「……なんか回りくどすぎて頭痛くなってきた……要は、彼女が黒河マネージャーに恋慕しているのが要因だって、言いたいんでしょ?」
「回りくどいとか言うな。要は、それしか理由がない。……木戸は元々、水奈瀬に対して強烈な嫉妬心を抱えていたんだと思う。自分の方が年上なのに、年下のあの子の方が何でも上手くこなしてしまう……仕事も、恋愛も。それが水奈瀬に対する害意に変わったんだよ。こないだの結婚披露パーティーで、水奈瀬と黒河さんの仲が会場中で冷やかされたことも一つのきっかけになったんだ。……好きな人を奪った恋敵と、好きなのに振り向いてくれない想い人……そんなところなんじゃないかな」
「でもさ……いくら何でも、嫉妬であんな酷い言葉……FAXでばら撒くなんて……」
「まぁ……その辺の女心は、俺もよくわかんないんだけどさ……」
 そこを突っ込まれると、恋愛経験がほぼ皆無である諸岡としては、いささか言葉に詰まる。
 そして実はこのFAXに関して、一つだけわからない部分もある。
 木戸はどうして《妊娠》や《堕胎》のくだりを思いついたのだろう。言い換えれば、どこから水奈瀬葵の過去を知ったのだろう、ということだ。
 しかしその一点を除けば、自身が組み立てたこの推論はかなり真実に近い的を射ているのではないかと思っている。
 “愛憎” という言葉があるように、 “愛する” 感情と “憎む” 感情は表裏一体紙一重なのだ。木戸穂菜美が報われない恋に自暴自棄となり、想い人の黒河侑司でさえ貶めようとするのは、あり得る図なのではないだろうか……

 ――と、諸岡が独り自己フォローしていると、デスク前の上司は、組んだ脚をブラブラさせながら大久保を見て小さく噴き出した。
「エリちゃんてば、右と左の眉毛がくっついちゃうよ? 納得いかないなら、ぜひぜひ反論しちゃってよー」
「いや、反論、っていうか……」
 大久保はゆるゆると頭を振って、頬にかかった黒髪を耳にかける。
「私は……わからないです。葵ちゃんを妬んでこんな酷いことする人間のことなんか考えたくもないし、諸岡の言う通り、もし木戸さんが犯人なら、私は彼女を絶対に許さない。でも……」
「――でも?」
「木戸さんが犯人だとして……なんで黒河マネージャーを、巻き込んだんだろう」
 いや、だからそれは……と口を開きかけた諸岡を制して、大久保が続けた。
「だって、木戸さんは黒河マネージャーのことが好きなんでしょ? だったら、あのFAXの文面はちょっと、行き過ぎ、、、、だよ。《孕ませて》《捨てた》なんて、黒河マネージャーの信用問題に関わるし、ヘタすればクビが飛ぶかもしれないのに……」
「だから。それはさっき言っただろ? 好きだからこそ手に入らない苛立ちとか、そういうんじゃないの? 可愛さ余って憎さ百倍……みたいな」
「でもなんかそれ、木戸さんの性格からしてしっくりこない。それに……」
「――それに?」
 杉浦が身動みじろぎして、デスクチェアがギッと大きく軋んだ。

「……これはただの直感なんで、鵜呑みにしないで下さいね。……私、慧徳で異物混入のクレームが発生したって聞いて、それが虚言らしいってなった時、真っ先に豊島、、を思いついたんですよ」
「……豊島、支配人……?」
 怪訝な顔をした諸岡に、大久保は頷く。
「私が入社して赤坂に勤務してた頃、豊島は赤坂のアテンドだったんだけど、覚えてる?」
「ああ、まぁ、覚えてるけど……」
 諸岡と大久保は同期だ。自分のことで精一杯だった頃とはいえ、さすがにその辺の記憶はある。
 杉浦も、ブラブラさせていた片脚をピンッと跳ねさせて「あーそうそう」と膝を打った。
「あの当時は豊島が赤坂のアテンドで、その下に蜂谷がいたんだよなー。あの頃は豊島の方が上だったんだよ。ちゃんと真面目にお仕事してりゃ、今頃ヤツも赤坂の支配人だったのにさー、エリちゃん苛めて遊んでるから、日比谷に飛ばされちゃったんだよねー」
「それでも、今は支配人になっちゃいましたけどね」
「ホテル店舗はどんどん人が辞めちゃうからねー」
 ジトッとした半眼になる大久保に、杉浦は「俺のせいじゃないよー」と口を尖らせた。

「……あの頃、豊島は異常なほど私を目の敵にしていたんですよ。厭味や揚げ足は日常茶飯事、残業は押し付けられるし、ミスは全部私のせいにするし。そこに性的な嫌がらせがなかっただけマシって感じですかね。あったら……今頃あいつの顔は形が変わっているはず」
 ポスト牧野と呼ばれるだけのことはある。「わぉ」と口だけを動かした杉浦もきっと同じことを思った違いない。

「それはともかく……入社して一年くらいたった時のことですけど、ランチタイムも終わりかけの時間にバックヤードへ呼ばれて、お客様から下げてきた皿を突きつけられたんですよ。この髪の毛はなんだ、って。確かに、食べ終わったその皿のふちに一本の細い髪の毛がついていました。……豊島が言うには、このメイン皿をあの客にサーヴしたのはお前だ、この髪はお前のものに違いない、客は何も言わず帰ったからよかったものの、クレームになっていたらどうするつもりだったんだ、って、ものすごい剣幕でなじってきて」
「へぇ……その話、初耳」
 杉浦が興味深げに瞬いて、大久保は「言ってませんから」と肩をすくめた。
「……それで、散々責められて聞くに堪えない言葉で罵倒してくるから、こっちも思わず手が出そうになって。その時、蜂谷さんが横から入って来たんですよ。『……そう言えば、その女性のお客様が食べ終わった後に、自分の肩口についていた髪をつまんで、その皿に置いていたのを見ましたよ』って。見てたんならもっと早く言えよ!とは思いましたけど、そのおかげで疑いは晴れて、豊島は真っ赤に膨張して破裂しそうになってました。鼻で笑ってやりましたけど」
 ついに杉浦は笑い声をあげた。
「真っ赤に膨張ねー、破裂するあいつを見てみたいよなー」
 諸岡としては、顔に似合わず意外と熱しやすい彼女にヒヤヒヤするのだが。

「それで、鼻先であいつを笑ってやって、とっととその場を去ろうとした時、背後で聞こえたんですよ。……『本当にクレームが出ればあの女、追い出してやるのに』って。豊島が蜂谷さんに向かって悔しそうに舌打ちしたんです。その時、こいつマジで危ない、って思ったのを覚えています。こいつなら、気に入らないスタッフを排除するために、わざと髪の毛を混入させてクレーム出す……なんてことやりかねないな、って。だから、慧徳で異物混入があって、しかも髪の毛だったって聞いた時、すぐにあいつを思い浮かべたんですよ」

 なるほどね……諸岡はうーむと腕を組み直した。
 よくよく考えれば、先ほど自分が披露してみせた推論のうち、「木戸穂菜美」の部分を「豊島支配人」に変えても筋は通らなくもない。
 ……動機は、年下上司である黒河侑司への妬み。けれど、黒河家の次男を攻撃すれば彼自身の身が危ない。だから、彼がつき合っているらしい(結婚披露パーティーの騒ぎでそう思い込んだとすれば)水奈瀬葵へ、恨みの矛先が向いた……
 考えられなくもないが、やはり諸岡はうーむと唸ってしまう。
 そもそも諸岡は、豊島が社内で最も蛇蝎のごとく嫌っている人間を知っている。――大久保恵梨ではない。小野寺双子兄弟だ。
 あの双子、ああ見えて本当にリカーを勉強しており、クロカワフーズ唯一のソムリエ加納氏も一目置くほどなのだが、豊島はそれが極めて面白くないらしい。
 ワイン通を自称し、自宅に集めたヴィンテージワインを自慢している豊島は、ダイニングバー『プルナス』の若き店長として重宝される双子兄弟の存在が、癇に障って仕方ないのだろう。『プルナス』開店当初、店長に就いた小野寺双子の資質に問題があるとして、上に抗議したこともある。
 当然、双子兄弟の方もそんな豊島が大嫌いである。
 現在『櫻華亭』と『プルナス』で接点が少ないことと、西條マネージャーがさりげなく大きな遮断壁になっていることのおかげで、大きないざこざは起こっていないが、双方が抱く不穏な感情は決して小さいものではないのだ。
 それを知っているからこそ、豊島が犯人だと考えると、何だか肩透かしを食らった感じがしてしまう。――何故ここで、黒河侑司と水奈瀬葵、なのか……と。
 ――やっぱり……どうしても、木戸穂菜美の犯行と考えた方が、しっくりくるのだけど……

 三者三様に思考を巡らせているのか、事務室の中は奇妙な静寂に包まれた。
 かすかに遠くから、フロアスタッフの客を迎える声や、厨房のせわしい気配が漏れ聞こえてくる。店はとっくにオープンしているようだ。
 ――と、当然コール音が鳴り響き、皆がハッとしたように目を上げた。
 デスク上の親機が鳴っている。ツーコールで音は止み、何となく三人の目がフロアに通じるドアに向けられる。数秒後、静かにそれが開いた。
「――杉浦さん、お電話です。徳永GMから」
 手塚支配人が顔を出し、デスク上の親機を指し示す。かかってきた電話をフロアにある子機で受けたのだろう。
 杉浦は面倒そうな顔をして電話に手を伸ばし、受話器を取る前に「テッちゃん、ユージはー? 皿、割ってないー?」と訊く。
「はい、黙々と洗い場を捌いています。皿を割るどころか、チップが入っているグラスを見つけてくれましたよ」
「……フーン。あいつの目、CT並みのX線スキャンができるからねー」
 冗談ともつかない顔で言うと、杉浦は親機の受話器を取った。
「――はい、杉浦でーす……はい……へー、そうなんですか……はい……」

 ドアが静かに締まり、諸岡と大久保は何となく目を見合わせ、何となく長い息を吐いた。
 ずいぶんの時間、話し込んでいたようだ。強張った背を伸ばし首をぐるりと回す諸岡の隣で、大久保はボディバッグから出した携帯端末を確認している。
 ここで諸岡も、はたと自店を思い出した。ディナーまでには戻ると言って飛び出して来てしまったが、ランチは滞りなく営業できているだろうか。
 自分も携帯端末を取り出そうとした時、杉浦が「……わかりましたよ……はーい、じゃ」と言って受話器を親機に戻し、チェアごとくるりと振り向いた。

「――モロちゃーん、徳さんが怒ってたよー。恵比寿の店長はどこへ行った!って」
「げ……っ、なんで店にいないってバレたんですか……?」
「んなの、徳さん直々に電話を入れたからじゃーん? 例のFAXに関して不必要に口外しないこと、騒ぎ立てないこと、店舗営業に支障を出さないこと――その辺りを各店舗の支配人や店長にキビしくお達し回ってるみたいよー? 後でモロちゃん、お~し~お~き~だ~べ~」

 杉浦が変な声を出しているが、諸岡はそれどころじゃないと慌てて立ち上がった。
 店を出る時は気がいていて、本社やマネージャーから連絡が来た時の対処法を考えていなかった。店を任せてきた鴇田は、本社からの電話に焦りまくっただろう。……ヤバいぞこれは。
「とりあえず帰ります」と冷や汗を滲ませてながら簡易椅子を畳めば、杉浦も立ち上がってうぅーんと腰を伸ばす。
「うわ、もうこんな時間じゃーん。なーんか腹減ってきたなー。エリちゃんは? 今日は休みなのー?」
「私は前半休です。一度うちに帰らなきゃならないんで……あ、今日ここで聞いた現在状況だけでも、私から穂積さんに説明していいですか」
「んあ、それくらいなら構わないよー。あ、マッキーに『ハルミちゃんのケア、よろしくー』って伝えといてー」
 大久保が座っていた簡易椅子も一緒に元あった場所に戻した諸岡は、あれ?と首を傾げて、もう一度杉浦を見た。
 伸びをして首をコキコキ鳴らす杉浦は、いつの間にかいつもの彼だ。チャラい口調に掴めない表情……疲労が滲んでいた双眸には今、力強い光が瞬いている。
 じっと見つめる諸岡の視線に気づいたのか、杉浦は二ッと笑った。

「んじゃさー、帰る前に、素晴らしい推理と直感をご披露してくれたお二人へ、俺からも極秘情報を教えてあげるよー」
「極秘、情報?」
 訝し気な顔で瞬く二人に、杉浦は「トップシークレット並みの情報だからねー、誰にも言っちゃダメよー」と子供を諭すように言う。そして、ピンと人差し指を立てた。

「まず一つ目。今年の夏頃、うちの社内で不正横領の形跡が見つかったんだよねー。……横領と言っても、今のところはっきりしているのは金銭じゃなくて “リカー” 」
 諸岡と大久保は、思わず顔を見合わせた。
「……リカーの横領、って……店のワインとか、ウイスキーとかを無断でこっそり持って帰る、ってことですか……?」
「うん、その通り。ただし、今はまだ極秘で証拠を集め中。そんで、無断でこっそり、、、、、、、持って帰っているやつがいるのは、――日比谷」
 大久保が目を見開いた。
 杉浦は元居たデスクチェアには座ろうとせず、ゆっくりと二人の前を行き来しながら、二本目の指を立てた。

「二つ目は……もうずいぶん前になるんだけど、西條さんの名刺がごっそり無くなった」
「――名刺が?」
「――無くなった?」
 二人合わせて素っ頓狂な声が上がる。
「これは今年の春ごろかなー、西條さんを含む役職者数名の名刺を、総務が外注したんだ。数日後、刷り上がった名刺が総務に届き、各人の手に渡るまで総務に保管されていた。でも新品の名刺なんて、金銭でも個人情報の詰まった書類でもないからね。保管場所に鍵なんて掛けないだろう? 百枚一梱包の名刺の包みが、西條さんのだけ紛失した……ま、状況を見る限り、盗まれたんだろうってことだねー」
 そこで杉浦はちょっと面白そうに目を細めた。
「ここだけの話、あの人の名刺はさ、出すところに出せば、とんでもない “魔法のカード” になるんだよ? だから西條さんも責任を感じちゃってねー。あの人のせいじゃないのにさ」
 くく、と小さく笑い、杉浦は二人の前に立ちはだかった。

「そして、三つ目。……今、ホテル店舗の中で『赤坂、日比谷、汐留の閉店』っていう、シャレにならない噂が流れている。いつから広まったのかは知らないんだけど……、『櫻華亭』所属のエリちゃんは? 聞いたことある?」
「いえ、初耳です」と小刻みに首を振った大久保は、すぐに何か思い当たった様子だ。
「……それってたぶん、ホテル側の圧力のせいなんじゃないですか? 本店や麻布うちに比べて、ホテルに入っている『櫻華亭』はどこも売り上げが悪いじゃないですか。 “このままじゃ閉店になってもおかしくないぞ” っていう、周りからの刷り込みっていうか」
「ほっほー、エリちゃん、いいとこ突くねー! 刷り込み刷り込み……かえったばかりのひなが最初に見たものを親鳥だと思い込む……っていうアレでしょー? フムフムなるほど……慢性的に不安を抱える集団が、例えばの末路、、、、、、をさもありがちにチラつかされれば……」
「ちょっと杉さん、その噂と今回のことがどういう――、」
 言いかけた諸岡に、杉浦はチェシャ猫みたいな口元をして、親指を折った「四」の手をずぃっと突き出した。

「じゃあ四つめ。これが最後の一つ。赤坂の木戸穂菜美、本日無断欠勤だそうだよー」
「え……」と息を呑む諸岡に、チェシャ杉浦はますます口端を上げた。
「携帯も自宅も連絡つかず。今日、本当は休みだった蜂谷が、慌てて出勤してきたってさー。ちなみに彼女ね、昨晩FAXが着信した時は店にいたそうだよ。んで、みんながそれを見て騒ぎになっている中、忽然と姿を消した、、、、、らしい」
「――姿を、消した……?」
「蜂谷が騒ぎを鎮めて本社に連絡をつけている間、いつの間にかいなくなってたんだってー。まだ店の片付けも残っているのに、誰にも挨拶しないまま。変だよねー」
 これ以上の面白いことはないという顔で、杉浦は言う。

 ――木戸穂菜美、無断欠勤……
 その事実は、自分が積み上げた推理を崩すものではないはずなのに。
 何だ? 何だろう……何か、見落としている気が、する。

「――以上、杉さんが君たちに捧げる極秘情報。参考になったかな? ワトスンくん、、、、、、
「……は?」
 “ワトスン” って……あの世界的有名な探偵の、助手的立ち位置だった、あの人か……?
「いやー、ああいう助手キャラってさー、あれはあれで重要なんだってこと、よくわかったよー。ドラマを盛り上げるためにはさ、間違った道に進んで迷子になる脇キャラって、どうしても必要なんだなーウンウン」
 自分一人勝手に納得して大きく頷いている上司を、諸岡は茫然と眺める。
 ――間違った道に、、、、、、、って……
 どういう意味ですか、と詰め寄る前に、杉浦は「さーてと」とデスクチェアの背に掛けてあったスーツの上着を威勢よく着込んだ。

「――ユージくんがあれだけ我慢しているわけだし、俺っちもここで腐っているわけにはいかないねー。モロちゃん、エリちゃん、サンキュねー。おかげでやる気が出てきたよ。……ユージとアオイちゃんをここまで侮辱されたんだ……このお礼はきっちりさせてもらうぜ」
 口元を不敵に上げて、杉浦は手の平に己の拳を叩き込んだ。
 その眼の奥に、熱を帯びた鋭い光を宿して。

 ――完璧な形で構築したと思っていた楼閣が、公園の砂場の山ほどに尺度を縮めていく……そんな感覚がした。
 だってさ……と、諸岡は思い出す。
 “ワトスン” は “ホームズ” に “気づき” を与える役目だった、はず。





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※ 運転中の携帯端末での通話は、法律で禁止されております。安全運転を心がけましょう。
※ チップ(chip)……グラスなどの淵や飲み口に生じる小さく欠けた部分。
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