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予選
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「おい」
誰かがニックに声を掛けた。振り返ると、そこにはいつかの調理棟で見た、栗色の髪をした少年が立っている。
「あ、オメエはニワトリ」
「誰がニワトリだ!」
アーサーは首を前後にクイックイッ、と動かしながら怒っている。
「どうした? 紅花に用か?」
「いや……出来ればあのギラ族に……」
と、アーサーは四つん這いで唸るクラウスと鎖を引っ張り止める紅花、取り乱しているメランドリの方を見た。
「あっ」
彼は何か察したかのように目を逸らし、しばらく腕を組んで考えていたが、やがてニックの方に向き直った。
「これを」
そう言って彼がカバンから取り出したのは二つの卵である。
「これはニワトリの卵か?」
「ああ、今朝産んだばかりだ」
「へえ」
「俺がな」
「へえ」
「勘違いするな! 尻から出したわけではない! 口から吐き出すタイプの卵だからな!」
「分かってる分かってる。で、これをみんなで温めて孵すとお前が生まれるんだな?」
「そんなわけ無いだろ、頭おかしいのかお前は!」
「口から卵出す奴に頭おかしいって言われたよ。じゃあ何だ? どうしてこれを渡した?」
「それを、料理に使って欲しい」
「は?」
「そいつは良い卵だ」
「産みたてだもんな」
「それに生産者が俺だ」
「ああ」
「……俺が紅花に出来ることは卵を産むことくらいしかなかった……」
「いや流石にもっと他にもあったと思うぞ」
「頼む。それを紅花か、あのギラ族に渡してくれ」
「ああ。お前が産んだって言っとくわ」
「やめてくれ! ……恩着せがましいのは、嫌なんだ」
「そうか。じゃ、ありがたく頂いとくぜ。それから」
「何だ?」
「紅花に想いを伝えるなら、早い方が良いぜ。半熟だしな」
「なっ! 俺は別に、紅花のことなんて……!」
「分かった分かった。紅花にゃ俺から言っといてやるからよ。ま、絶対優勝するから楽しみにしとけや」
もしもこの時、アーサーが卵を渡した相手がニックでなければ……もしもこの時、メランドリ先生が腰を抜かしていなければ……もしもこの時、クラウスが正常でありさえすれば……。きっとこれから予選、準決勝で起こる悲劇は容易に回避することが出来ただろう。
しかし歴史にIFは無いのである。
◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆ ◇◆◇◆◇◆ ◇
予選会場に入ってなお、クラウスは未だ四足歩行をしていた。首に鎖を繋がれ、白目を剥いて他の対戦者を威嚇する様子は、全くこれから料理をする者の姿には見えない。ただのビーストである。
「おいクラウス、そろそろ立てよ。春なんだから」
「そうヨ。つくしに間違われるヨ」
クラウスはしばらく地面を見つめていたが、おもむろに立ち上がった。しかし瞳は虚空を見つめ、まるで廃人のように口を開けている。
「クラウスー? 喋れル?」
「皆殺シダ」
「大丈夫そうネ」
「そうだな」
ツッコミがいなかった。いつも紅花とニックにツッコミをすることで何とか均衡を保っていたクラウスが正気を失ったことにより、このチームは混沌の渦に落とされることになるのだった。
その時、無機質な声が会場に響き渡った。
「第三会場の皆さん。こんにちは。今から一回戦の課題料理を発表致します」
課題料理というのは、審査を受けるために作る料理である。
パスタ、天ぷら、カレー、ピザ、チョルバ(スープ)の中から選ばれることが事前に予告されており、この中から一回戦では一品、二回戦では二品作ることになっているのは、以前述べておいた通りだ。
参加者たちは、アナウンスに固唾を呑んで耳を傾けている。
「予選の課題料理は、【カレー】です。では皆さん、頑張って下さい」
アナウンスが響き終わると同時に、会場が活発に動き始めた。どの参加者も俊敏に動き回り、具材を選び、料理の準備に取り掛かっている。
「カレーヨ! いっぱい練習したから負けないヨ!」
「カレーだな! 今朝もカレー食ったし余裕だな!」
「カレー、ツマリ皆殺シダ……ヒヒッ!」
紅花チームも動き始めた。
紅花が肉を運び、ニックが野菜をつまみ食いし、クラウスの歯茎はピカピカ光っていた。
「クラウス! 予定通りスパイスを選り分けテ!」
「クミンシードターメリックカイエンペッパーコリアンダークミンパウダーガラムマサラクミンシードターメリックカイエンペッパーコリアンダークミンパウダーガラムマサラクミンシードターメリックチンチンカイエンペッパーコリアンダークミンパウダーガラムマサラ」
呪いのように口ずさまれるスパイスの数々。
クラウスは先ほどまで白目を剥いていたのが嘘だったかのように、静かにスパイスを選り分け始めた。白目を剥いている事実を除けば、彼は凄腕の料理人のように見える。
観衆も、周りで作業をしていたライバル達もクラウスの異様な様子に気付き始めた。
しかしクラウスは意に介さず、余ったスパイスを指に取り、ニヤリと笑う。
「ヒヒッ! スパイスィ……!」
ここは無法地帯である。
その時、クラウスの動きがぴたりと止まった。どうやら自分の手を強く噛みすぎてしまったようだ。
顎の力が強いと固いものが食べやすい。
「ヒヒッ! 痛い……!」
料理が進む。
「クラウス! 野菜切っテ!」
「ヒヒッ! 野菜……!」
突如、クラウスの手が八本に増えた。
いや、増えたように見えた。実際はクラウスの手があまりに早く動いていたので、周りの人にはそう見えただけであった。
クラウスの二本の手は素早くニンジンを刻んでいく。そしてもう六本の手は使われるでもなく、暇を持て余し、テニスをしたり、将棋をさしたりしていた。
一方でニックは額の汗を拭いつつ、クラウスの切った野菜を少しづつ口に運んでいる。
三人の息のあったコンビネーションにより、順調に料理は進んでいく。
タマネギが炒められ、ニンニク、トマト、生姜と具材が追加されていく。
「あ、そうだ!」
クラウスが長い舌で絡め取ったオタマでカレーをかき混ぜている時、ニックが出し抜けに言った。
「卵入れようぜ! これ!」
ニックはエプロンのポケットからアメンボを取り出した。
「あ、これはおやつにしようと思ってたやつだった」
バタつくアメンボを慌ててポケットの中に戻し、再び探ると、今度こそ卵が出てきた。
「それ、どうしたノ?」
「鶏から貰ったんだよ。入れてみようぜ!」
無論、ニックのいう鶏がアーサーであると紅花は気付いていない。アーサーの産んだ卵は完全に鶏の卵に擬態していた。
紅花はしばらく考えていたが、大きく頷いた。
「とろみが出て美味しいかもしれないからやってみるヨ!」
「おう! 俺食わねえから関係ねえや!」
早速ニックは卵を割り、鍋の中に放り入れたのだった。
「コケー!!」
予選の結果を待っていた第三会場の生徒達が一斉に声の方を見た。そこにいたのはロートン。魔法料理学部の教師であり、第三会場審査員の代表を務める男だ。決して鶏ではない。
「コケッコケッ!」
生徒達がどよめく。会場に緊張が走る。
「何だって……!」
「おい、いくら何でも少なすぎじゃないか?」
生徒達は焦りと動揺を隠せない。それくらいロートンの言葉は衝撃的だったのだ。
「コケコケッ」
ロートンは首を前後に動かしながら言う。彼の言葉は重く生徒達にのしかかる。自分たちは一体、何のためにここまで料理の腕を磨いてきたのだと思わずにはいられないのだ。
その生徒達の中には紅花達もいる。
紅花と、審査員をあんな感じにした元凶であるニックと、白目を剥いたクラウスである。
「なあ、誰もつっこまねえから言うんだが……」
「ヒヒッ……」
「どうしたノ?」
「あの教師、靴ヒモ解けてねえ?」
「本当ヨ! 人前に出てるのにだらしないヨ!」
「コケーッ!」
会場の空気が一気に重たくなる。いよいよ予選の結果が発表されるのだ。
「コケッ!」
「やったー!」
生徒の一人が拳を突き上げた! 彼を取り巻いていた関係者達が抱き合って喜んでいる。紅花には、その場所だけ異質に見えた。誰かが受かるということは、誰かが蹴落とされるということなのだ。
「コケっ!」
また一人が歓喜の声をあげる。
「コケッ!」
一人一人、名前が呼び上げられる度、残った生徒達の心は重くなる。紅花は両手の指を組み、祈るように審査員を見つめた。
「コケッ」
紅花は目を見張った。そのまま横にいたニックと目を見合わせる。今、確かに、審査員は紅花の名前を呼んだ。ニックは優しく頷いた。クラウスの腕は20本に増えていた。
「やった! やったヨ! 予選突破したヨ!!」
「おう! 二回戦も頑張ろうぜ!」
「コケコケッ! コケーコケ! コケコッコー!」
「……えっ?」
「嘘……だろ……?」
ロートンの言葉は喜びに沸いていた紅花達の熱を覚ますには十分だった。それは紅花達にとって、あまりに衝撃的な内容だった……。
誰かがニックに声を掛けた。振り返ると、そこにはいつかの調理棟で見た、栗色の髪をした少年が立っている。
「あ、オメエはニワトリ」
「誰がニワトリだ!」
アーサーは首を前後にクイックイッ、と動かしながら怒っている。
「どうした? 紅花に用か?」
「いや……出来ればあのギラ族に……」
と、アーサーは四つん這いで唸るクラウスと鎖を引っ張り止める紅花、取り乱しているメランドリの方を見た。
「あっ」
彼は何か察したかのように目を逸らし、しばらく腕を組んで考えていたが、やがてニックの方に向き直った。
「これを」
そう言って彼がカバンから取り出したのは二つの卵である。
「これはニワトリの卵か?」
「ああ、今朝産んだばかりだ」
「へえ」
「俺がな」
「へえ」
「勘違いするな! 尻から出したわけではない! 口から吐き出すタイプの卵だからな!」
「分かってる分かってる。で、これをみんなで温めて孵すとお前が生まれるんだな?」
「そんなわけ無いだろ、頭おかしいのかお前は!」
「口から卵出す奴に頭おかしいって言われたよ。じゃあ何だ? どうしてこれを渡した?」
「それを、料理に使って欲しい」
「は?」
「そいつは良い卵だ」
「産みたてだもんな」
「それに生産者が俺だ」
「ああ」
「……俺が紅花に出来ることは卵を産むことくらいしかなかった……」
「いや流石にもっと他にもあったと思うぞ」
「頼む。それを紅花か、あのギラ族に渡してくれ」
「ああ。お前が産んだって言っとくわ」
「やめてくれ! ……恩着せがましいのは、嫌なんだ」
「そうか。じゃ、ありがたく頂いとくぜ。それから」
「何だ?」
「紅花に想いを伝えるなら、早い方が良いぜ。半熟だしな」
「なっ! 俺は別に、紅花のことなんて……!」
「分かった分かった。紅花にゃ俺から言っといてやるからよ。ま、絶対優勝するから楽しみにしとけや」
もしもこの時、アーサーが卵を渡した相手がニックでなければ……もしもこの時、メランドリ先生が腰を抜かしていなければ……もしもこの時、クラウスが正常でありさえすれば……。きっとこれから予選、準決勝で起こる悲劇は容易に回避することが出来ただろう。
しかし歴史にIFは無いのである。
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予選会場に入ってなお、クラウスは未だ四足歩行をしていた。首に鎖を繋がれ、白目を剥いて他の対戦者を威嚇する様子は、全くこれから料理をする者の姿には見えない。ただのビーストである。
「おいクラウス、そろそろ立てよ。春なんだから」
「そうヨ。つくしに間違われるヨ」
クラウスはしばらく地面を見つめていたが、おもむろに立ち上がった。しかし瞳は虚空を見つめ、まるで廃人のように口を開けている。
「クラウスー? 喋れル?」
「皆殺シダ」
「大丈夫そうネ」
「そうだな」
ツッコミがいなかった。いつも紅花とニックにツッコミをすることで何とか均衡を保っていたクラウスが正気を失ったことにより、このチームは混沌の渦に落とされることになるのだった。
その時、無機質な声が会場に響き渡った。
「第三会場の皆さん。こんにちは。今から一回戦の課題料理を発表致します」
課題料理というのは、審査を受けるために作る料理である。
パスタ、天ぷら、カレー、ピザ、チョルバ(スープ)の中から選ばれることが事前に予告されており、この中から一回戦では一品、二回戦では二品作ることになっているのは、以前述べておいた通りだ。
参加者たちは、アナウンスに固唾を呑んで耳を傾けている。
「予選の課題料理は、【カレー】です。では皆さん、頑張って下さい」
アナウンスが響き終わると同時に、会場が活発に動き始めた。どの参加者も俊敏に動き回り、具材を選び、料理の準備に取り掛かっている。
「カレーヨ! いっぱい練習したから負けないヨ!」
「カレーだな! 今朝もカレー食ったし余裕だな!」
「カレー、ツマリ皆殺シダ……ヒヒッ!」
紅花チームも動き始めた。
紅花が肉を運び、ニックが野菜をつまみ食いし、クラウスの歯茎はピカピカ光っていた。
「クラウス! 予定通りスパイスを選り分けテ!」
「クミンシードターメリックカイエンペッパーコリアンダークミンパウダーガラムマサラクミンシードターメリックカイエンペッパーコリアンダークミンパウダーガラムマサラクミンシードターメリックチンチンカイエンペッパーコリアンダークミンパウダーガラムマサラ」
呪いのように口ずさまれるスパイスの数々。
クラウスは先ほどまで白目を剥いていたのが嘘だったかのように、静かにスパイスを選り分け始めた。白目を剥いている事実を除けば、彼は凄腕の料理人のように見える。
観衆も、周りで作業をしていたライバル達もクラウスの異様な様子に気付き始めた。
しかしクラウスは意に介さず、余ったスパイスを指に取り、ニヤリと笑う。
「ヒヒッ! スパイスィ……!」
ここは無法地帯である。
その時、クラウスの動きがぴたりと止まった。どうやら自分の手を強く噛みすぎてしまったようだ。
顎の力が強いと固いものが食べやすい。
「ヒヒッ! 痛い……!」
料理が進む。
「クラウス! 野菜切っテ!」
「ヒヒッ! 野菜……!」
突如、クラウスの手が八本に増えた。
いや、増えたように見えた。実際はクラウスの手があまりに早く動いていたので、周りの人にはそう見えただけであった。
クラウスの二本の手は素早くニンジンを刻んでいく。そしてもう六本の手は使われるでもなく、暇を持て余し、テニスをしたり、将棋をさしたりしていた。
一方でニックは額の汗を拭いつつ、クラウスの切った野菜を少しづつ口に運んでいる。
三人の息のあったコンビネーションにより、順調に料理は進んでいく。
タマネギが炒められ、ニンニク、トマト、生姜と具材が追加されていく。
「あ、そうだ!」
クラウスが長い舌で絡め取ったオタマでカレーをかき混ぜている時、ニックが出し抜けに言った。
「卵入れようぜ! これ!」
ニックはエプロンのポケットからアメンボを取り出した。
「あ、これはおやつにしようと思ってたやつだった」
バタつくアメンボを慌ててポケットの中に戻し、再び探ると、今度こそ卵が出てきた。
「それ、どうしたノ?」
「鶏から貰ったんだよ。入れてみようぜ!」
無論、ニックのいう鶏がアーサーであると紅花は気付いていない。アーサーの産んだ卵は完全に鶏の卵に擬態していた。
紅花はしばらく考えていたが、大きく頷いた。
「とろみが出て美味しいかもしれないからやってみるヨ!」
「おう! 俺食わねえから関係ねえや!」
早速ニックは卵を割り、鍋の中に放り入れたのだった。
「コケー!!」
予選の結果を待っていた第三会場の生徒達が一斉に声の方を見た。そこにいたのはロートン。魔法料理学部の教師であり、第三会場審査員の代表を務める男だ。決して鶏ではない。
「コケッコケッ!」
生徒達がどよめく。会場に緊張が走る。
「何だって……!」
「おい、いくら何でも少なすぎじゃないか?」
生徒達は焦りと動揺を隠せない。それくらいロートンの言葉は衝撃的だったのだ。
「コケコケッ」
ロートンは首を前後に動かしながら言う。彼の言葉は重く生徒達にのしかかる。自分たちは一体、何のためにここまで料理の腕を磨いてきたのだと思わずにはいられないのだ。
その生徒達の中には紅花達もいる。
紅花と、審査員をあんな感じにした元凶であるニックと、白目を剥いたクラウスである。
「なあ、誰もつっこまねえから言うんだが……」
「ヒヒッ……」
「どうしたノ?」
「あの教師、靴ヒモ解けてねえ?」
「本当ヨ! 人前に出てるのにだらしないヨ!」
「コケーッ!」
会場の空気が一気に重たくなる。いよいよ予選の結果が発表されるのだ。
「コケッ!」
「やったー!」
生徒の一人が拳を突き上げた! 彼を取り巻いていた関係者達が抱き合って喜んでいる。紅花には、その場所だけ異質に見えた。誰かが受かるということは、誰かが蹴落とされるということなのだ。
「コケっ!」
また一人が歓喜の声をあげる。
「コケッ!」
一人一人、名前が呼び上げられる度、残った生徒達の心は重くなる。紅花は両手の指を組み、祈るように審査員を見つめた。
「コケッ」
紅花は目を見張った。そのまま横にいたニックと目を見合わせる。今、確かに、審査員は紅花の名前を呼んだ。ニックは優しく頷いた。クラウスの腕は20本に増えていた。
「やった! やったヨ! 予選突破したヨ!!」
「おう! 二回戦も頑張ろうぜ!」
「コケコケッ! コケーコケ! コケコッコー!」
「……えっ?」
「嘘……だろ……?」
ロートンの言葉は喜びに沸いていた紅花達の熱を覚ますには十分だった。それは紅花達にとって、あまりに衝撃的な内容だった……。
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