聖女様と間違って召喚された腐女子ですが、申し訳ないので仕事します!

碧桜

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第23話 これって、デートっぽいですよね!?②

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私たちは手を繋いで花屋、果物屋、魚屋、肉屋まで、いろんな店を覗いて回った。
わかったことは、レイって顔見知りが多くて、気さくに喋る10代の男の子ってこと。

私が数日見ていた仏頂面のレイは、何だったのだろう……

「おや!?レイじゃないか!」

威勢いせいのいいオバサンの声がして、見るとパン屋の恰幅かっぷくのよい女性がこちらに向かって、手をブンブン振っていた。

「ああ、マーガレット」
ん?あの大きな声で恰幅かっぷくのよい、白いエプロン姿のオバサマは、マーガレットというお名前なのですか?
私の持つ、白い花に似た可憐な名前のマーガレット像と、豪快ごうかいそうなパン屋のオバサマとのギャップを感じてしまったけど、私も自分の名前の“花園美月はなぞのみつき”のキラキラしたイメージに、いつもギャップを感じていた。
花の園に美しい月……学生時代、どちらかと言えばいんキャ組だった私には、本当に眩しくて、名前負けしちゃってて自分の名前を言うのが恥ずかしかった。

ということを思い出し、心の中でマーガレットさんに謝罪し反省した。

私たちは、パン屋の店先に立ち寄る。
「レイー!久しぶりじゃないか、どうしてたんだい?」
「あ…」
「元気だったかい?ま、あんたは元気だね!」
「う」
「あんたの取り柄っちゃあ、顔と丈夫なことくらいだもんね」
「おぉ…」
「で、今日は恋人連れてかい。ようやく可愛い恋人さんが出来て良かったじゃないか!」
「いや…」
「レイはやんちゃで口下手だけど、根は優しくて、いい奴だから!あたしが保証するよっ!」

マーガレットさんは、私に向かって、って音が聞こえそうなウインクをしてくれた。

「ちょっとは喋らせろよ!…ったく。相変わらずなんだからっ」
レイが呆れて苦笑する。
「大体、彼女は恋人じゃない。客人だ」
「なんだい、恋人じゃないのかい。そりゃお嬢さん、悪かったねえ」
「あ、いえ」
笑って、大丈夫と手を振る。

「そして、は余計だ」
レイがふてくされた顔をして言う。
「なに言ってんだい。やんちゃだよ。なんなら子供の頃のあんたはさ、」
「あああ、わかったって」
慌ててレイは彼女の話を遮った。
彼がやんちゃって、想像つかないんだけど……

それから私たちは少しマーガレットさんと話を楽しんで離れた。

別れ際、マーガレットさんが「また二人で来なよ」と言ってくれたのだけど、この世界には長く居れないし、何て答えたらいいのか分からずいると、レイが「ああ、そうしたいな」って答えてくれた。
彼が否定しないでくれたのが、なぜか嬉しかった。

少し歩いていくと、甘い美味しそうな匂いが漂ってきた。
某テーマパークを思わせる、美味しいお菓子の匂い。
目をさ迷わせて、屋台に並ぶチュロスかドーナツのような揚げたお菓子を見つける。

「ああ、あれ」
私の視線の先に気がついたレイが教えてくれた。
見た目はチュロスのように長いのに、って
言うらしい。一応、丸いのも売っている。

「食べてみる?」
「え?いいの?」
のお礼」

……

覚えててくれたんだ!
正しくはなんですけど……

訂正する前に、彼はチュロスっぽいドーナツを買いに行ってしまった。

レイは手に2本持って戻ってきた。
「俺も好きなんだ。子供の頃、時々買ってもらって食べてた」
そう言ってパクっとかぶり付いた彼は、ちょっと嬉しそう。
紺青こんじょう色の瞳がキラキラして、可愛いなんて反則です。

ちょっとドキドキしてしまった自分を誤魔化すように、彼からお菓子に視線をそらす。
私もカプッと食べてみる。
うん!砂糖たっぷりめのチュロスだ!

レイと私は木陰のベンチに座りながら、チュロスにかじりついていた。
アクセサリーや玩具おもちゃ、いろんなお店を見て回ったのだけど、今まで仕事っぽい感じがなくて、すっかり忘れていた。私は全然楽しませて貰ってるのだけど、良かったのかな?

「あの、今日のお仕事って、街の様子を見て回るって、ここんな感じでいいの?私は思いっきり楽しませて貰ってるのだけど……」
「は?」
「え?あ、この後に仕事でしょうかっ」
「……あんたって、めちゃくちゃ仕事したい人?」
「いえ、めちゃくちゃ仕事好きじゃないです、どちらかと言えば、家でゴロゴロと小説読んでるか、ゲームしたりアニメ見てるほうが好きです」
「………………」

二人見合ったまま、沈黙が流れた。

あ、つい!本性出してしまった!?
私がマズイと思って、何か言って取りつくろわなくちゃと焦ってると、彼がプッと吹き出した。

「ごめん、聞いてなかった?今日、俺非番になって、あんたを街案内することにしたんだ」
「え?じゃあ……」
「仕事じゃない」
「あ、そうだったんだあ。よかったぁ~」

私は一気に休日モードになって笑った。
「私、ふつーに楽しんじゃってたから!」
そう言って、レイを見た。

ん?私たち……

いま、見つめ合ってる?

レイはふっと目を反らして、にこっと笑った。
「そっか、楽しめてるようで良かった」

なな、なんか、これ、デートっぽくないですか!?
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