仮)銀の魔物模倣師と黒剣のペルギアルス。

たゆ

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1 異世界へ

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 目が覚めると病室に似た白い部屋の床に寝ていた。
(あれだけ大勢の人間が一度に飛び降りたんだ。ベットの数が足りなかったんだろう)ふとそんなことを考えたりもしたが、僕の背中には敷布団の感触も無く、あるのは床の硬い感触とひんやりとした冷たさだけだ。
 寝心地の悪さに、これ以上ここで寝ていたいという気持ちにもなれず体を起こす。

 よく見ると真っ白い部屋には一切家具が無く、病室にしてはやたらと狭い。二畳か三畳程の広さだろうか。部屋には窓も無く、ただ一つ真っ白い扉だけがあった。大理石に見える真っ白い天井と床と壁には不釣り合いな、可愛らしいカントリー系の家にも合いそうな白い木の扉。
 改めて思い出す。隕石が落ちて出来た穴の中に飛び込んだことを……死んだんだろうか?それならここは死後の世界だ。たまにリアルな夢を見ることもあった。だから、ありきたりだけど思いっきり自分の足を叩いてみる(痛いよな、夢じゃないのか、でも本当に夢では痛みを感じることはないんだろうか?うーん……)

 本当に夢の中で痛みを感じないのか自信がない、夢って大半は忘れてしまうし、痛くても覚えてないだけなのかもしれないし。

 落ち着いて来たんだろう。自分の体を見える範囲で確認した。背負っていたはずのリュックも無ければ、家を出る時に履いていた某アパレルチェーン店で買ったお気に入りの黒いスキニーデニムも、ファッション系通販の福袋に入っていたグレーのパーカーもなくなっている。(お気に入りだったのに)と口を尖らせる。
 僕の格好は、下着の上に白いバスローブぽいものを羽織っただけの、芸人さんがたまにネタで使う、一人掛けソファーでブランデーグラスを回しながら飲む時にする格好だ。パンツとTシャツに関しては自分の物だというのはなんとなく分かる。もちろんポケットに入れていたスマホもパーカーが消えたんだから無くなっている。

 自分の耳が聞こえなくなってしまったのかと思えるほどに、部屋の中は静かだった。声を出してみた。耳は問題ないらしい。

 急に早く部屋を出なければという焦燥感に駆られた。
 白い扉には鍵などもかかっておらず、僕はすぐに部屋を出る。
 部屋の外に出ると、廊下を挟みすぐ前にある似た白い扉から、タイミング良く人が出て来た。(同い年くらいか?)二〇代後半から三〇代前半と思われる男の顔。反射的に思わず頭を下げると、相手の男も頭を下げた。

 部屋の外にあったのは、部屋と似た印象を受ける白くて広い長い廊下だった。本当に長い……先が見えないのだから。同じように部屋を出た人々が、次から次へと何処かを目指すように同じ方向に歩いていく。年齢は若い人もいれば年配の人もいる、男女両方、少しだけ男の方が多いかもしれない。服装はみんな僕と同じ白いバスローブだ。みんなが無言で真っ直ぐと歩く。(なんでだろう……話し掛けちゃいけない気がする)あまりにも静かなせいか、声を出すのも躊躇われた。
 日本人の習性かもしれない。僕もその人たちに習う様にその列に従い歩きはじめた。
 壁も床も天井も真っ白なせいか、どれくらいの距離を歩いたのか?どれくらいの時間歩き続けたのもわからない?ただ言えるのは、ひたすら歩き続けているということだ。
 やがて僕らはひとつの大きな部屋の中にいた。真っ白な円形のホール。今までの部屋や廊下とは違い天井が物凄く高い。
 人数は三〇人前後、ここにいる全員が、あの大穴に向かって飛び降りたんだろうか。
 僕らが部屋の中に集まると、目の前にあったステージに一人の幼女が顔を見せる。人間離れした整った顔をした一人の幼女。不思議なのは、髪の色も服装も整った顔だと分かるのに上手く認識出来ないということだ。
 ひとつ間違うと通報されそうだけど(あの幼女は、カワイイ!)

「えー、皆さまよくぞ参られました。本当にこの世界の人たちは異世界好きが多いんですね。あんなに深い不気味な穴に向かって、私たちの後押しがあったとしてもこれだけ多くの人が飛び降りちゃうんですから」
 幼女は何が楽しいのか、ケラケラと気味の悪い声で笑う。見た目と声が合っていない(後押し?)
「皆さまが期待していた様に、ここは異世界へと続く門の様な場所です。皆さまが警察や自衛隊と呼ぶんでしょうか?彼らに見つからずにここに辿り着けたのは、私が異世界に行くことを望んだ方に力をお貸ししたからなんですよ!たまたま異世界に興味がある人間が一番多くいた町で暮らしていただで選ばれたんですからラッキーですね。今回の実験では、皆さまに同じ世界へと飛んでもらいます。ちなみに、皆さまが望むようなチート能力はお渡しできないので諦めてください。私たちも予習済みなのですよ」
 幼女が手を翳すと、ステージの上には大量の異世界アニメのDVDや書籍が積み上げられた。有名なタイトルもチラホラとある。
 異世界ラノベ好きを公言している僕すら読んだことが無い、タイトルすら知らなかった異世界ラノベもいっぱいだ。こんなに知らないタイトルがあったなんて……異世界に行く前に読ませてもらえないだろうか?とつい考えてしまう。
「それでは、皆さまの足元に異世界へ行く際のルールが書かれた冊子が置いてあると思います。まずはそれをしっかりと熟読して下さいね。ちなみに、ウン◯やおしっ◯に行きたくなったり、お腹が空いたり、性欲に駆られるようなことはここでは起きないので、どうぞご安心してください」
 幼女が、ウン◯やおしっ◯に性欲という言葉を言ったのに僕は何も感じなかった。普段なら……、本当に欲の様なモノはここでは抱けない様だ。それに周りに三〇人近い人がいるのにも関わらず、目を逸らした瞬間、その人がどんな顔をしていたのかさえ思い出せない。
 僕は白い床に座り、冊子を読み始めた。
 (ふむふむ、未読タイトルのラノベは借りることは出来ないみたいだ。もちろんアニメも漫画もダメか)異世界へ行く際のルール:これから行く世界には、僕たちと見た目や価値観がほぼ同じ種族がいて、彼らは人族と呼ばれている様だ。地球の様な他民族多言語文化でなく人族は同じ共通語と呼ばれる言葉を使う。僕らは共通語に関しては読み書きは出来る様にしてもらえるぽいな。
 後は異世界と言うだけあって剣と魔法の世界で魔物もいる。異世界人となる僕らは、普通の人族に比べて基本能力は高めだが、それも元々人族にいるちょっと優秀な人程度、チートには程遠いみたいだ。
 後は一般的な異世界モノと同じで、ステータスと言えば自分の能力は確認可能。
 異世界モノの神スキル。『鑑定』スキルは、それ程珍しくなく一〇〇人に一人は使えるものらしい、LVに応じて『鑑定』出来るモノも増えていくみたいだ。それも『共通語理解』と一緒に最初からプレゼントと〝『鑑定』はみんな欲しがりそうなのでお付けします。by幼女〟自分で幼女って名乗るのか、思わず童謡のさっちゃんを思い浮かべる。後は好きなスキルを五つ貰えると、スキルはあっちの世界に行った後に自分の努力次第で増えるのでよく考えてくださいね、か。
 魔物を倒して相手のスキルを奪ったりするとか、成長速度アップ、見た魔法をコピー出来る、装備の創造等々物語に出てくるチート系スキルはどれも禁止。剣術スキルなんかも人並みで剣聖や剣神の様なとんでもないモノはないらしい(他の人たちも僕と同じように異世界モノが好きな人なんだろうな)手に取った冊子を誰もが食い入るように見つめている。
 僕が、そんなみんなの様子を観察していると、手を挙げている人がチラホラ見えた。(質問もありなのか)幼女がその人に近付き何やら話をしている、近くなのに声は一切聞こえない。(あくまで聞くことが出来るのは、自分の質問の答えだけなんだろうな)僕も手を挙げて待つことにした。
 対応が終わったのだろう幼女が近付いてくる。宙に浮いているのか足は一切動いていない。
「どうしました」
「質問はいいでしょうか?」
「はい、問題ありませんよ」
 目の前で見た幼女の肌は、陶器の様に驚くほど真っ白だ。それ以外の感想が浮かばないのは欲が抱けないこの場所のせいなんだろう。
「自分で考えたスキルを手に入れることは可能でしょうか?」
「ハイ、問題ありません!ただ審査はあります。強いスキルは世界のバランスを崩してしまいますから、ちなみにスキルの名前とスキルの説明が必要になりますよ。そして、もし他の方が同じようなスキルを考えていた場合は早い者勝ちになります」
「もし、万が一あなた方が一度渡したスキルを、後でチートスキルだと判断した場合、そのスキルは取り上げられてしまいますか?」
「いえ、一度渡したスキルを本人の希望なしに取り上げるような真似はいたしません」
 幼女の視線は、僕の心の中を見透かすように真っ直ぐと向けられていた。心を読むとかは無でお願いしたい。
「わかりました。では一つ目のスキルを先に貰ってもいいでしょうか?後の四つはもう少し時間をください」
「かまいません。もしオリジナルスキルならあなたは二番目ですね」
 一瞬、二番目という言葉に引っ掛かりを覚えたが、その気持ちもすぐに消えてしまった。消されてしまったのかもしれない。
 僕は幼女に、自分の考えたスキルの名前と特徴を話した。
 スキル名は『死者の模倣』、特徴は、生き物(魔物含む)の死体からそれによく似た模倣の魔物を産み出すスキル。模倣の魔物に感情は無く、チート認定を受けない様に、模倣の魔物は本物に対して八割の強さ、ただその生き物が倒した相手の経験値は僕と模倣の魔物に五対五で割り振られる。これには、模倣の魔物はLVUPが可能だという意味もあるんだが、幼女はどう判断するか。
 僕が弱いなら強い相手は倒せませんしチートにはならないでしょうと言葉を重ねる。(余計だったろうか)幼女は考える様に顎に手を当てながら僕の話を黙って聞いた。
「模倣の魔物がやられても、二四時間後にはまた同じように呼び出せるというルールも付けたいです」
「なるほど、『テイム』という生き物を従わせるスキルがあるのに『死者の模倣』というスキルをわざわざ作るのはそのためですか、生き返るのは都合が良いですし」
「都合が良いですか、それなら、あくまで感覚としてですが、模倣の魔物が受けた苦痛の一部を僕も受けるというのはどうでしょうか?あまりにも痛いのは嫌なので五%くらいにしてほしいんですが、Mってワケではないので」
「今相談してみます。お待ちを……」
 幼女は、その場で目を閉じると動かなっくなってしまった。体感にして一、二分ほどか。
「面白そうですね。あなたの一つ目のスキルは『死者の模倣』で、ただ念の為成功率は五〇%にさせていただきます。それと失敗した場合相手はキレイに消滅します。五〇%でも繰り返せば一〇〇%と変わりませんから、装備も死体とセットにしますね。装備も得て模倣の魔物も得てじゃあなたに得しかありませんから」
 Mについては、全く触れないのか。
 僕は了承を現すために頷いた。幼女によって僕のステータスには『死者の模倣』のスキルが追加された。死体から五〇%の確率で模倣の魔物を創り出す死霊魔術とは別の魔法。力は生前の八割。成長は可能。倒れても二四時間後にまた呼び出すことも可能だ。
 上手くいった。このスキルの一番大事な部分は僕が倒した生き物でなくても『死者の模倣』は発動可能な部分だ。試してみなければ分からないけど、上手くいけば化石みたいなモノにも使える可能性もある。
 これから行く世界に化石があるのかも謎だけどね、僕が残りの四つのスキルに悩む間に、徐々に周りにいた人は減っていった。
 僕たちにはスキルの他にも幾つかの特典が用意されていた。平均的な一週間程度の宿代と食事代に足りるお金とスキルに適した最低限の装備。
 『アイテムボックス』異空間収納系のスキルは、幾つかの制限はあるけどチートスキルには含まれていない様だ。主な制限は、LV一では一〇個のモノの収納可能で大きさは一つにつき大人一人程度の大きさまで、枠を多く使えば大きな猪なんかも入るが二枠必要。LVがひとつ上がる度に収納数が五個増えるがLVUPの難易度は高め。冷蔵庫機能や時間停止、生物の収納はチートスキル該当のため禁止と、ドラゴンの様な大きな物は枠的に入ったとしてもNG。
 僕が悩んだ末に選んだスキルは、『死者の模倣』、『アイテムボックス』、『剣術』、『生活魔法』、『死体探索』の五つだ。
 ちなみに『死体探索』もオリジナルスキルである。広い東京ドームサイズの森の中で動かない魔物の死体を探し出すとか不可能に思えたので、『死者の模倣』の役に立てばと考えてみたのだ。
 渡されたお金だが、一般的な物価に合わせて宿代を一泊銅貨五〇枚、食事を三食で銅貨三〇枚計算で、一週間の生活資金銅貨六〇〇枚が各自に渡された。これから行く世界の通貨価値は、ほぼどの国も同じで、銅貨五〇枚で小銀貨一枚、小銀貨四枚で大銀貨一枚、大銀貨一〇枚で小金貨一枚、小金貨五枚で大金貨一枚。
 銅貨一〇枚で一食ということは、こっちの価値で考えると銅貨一枚が五〇円くらいか、でも宿泊代を考えると一食が高めのランチと考えて一枚一〇〇円が妥当かもな。

 自分の身を護る手段として、異世界へ転送後三日間は、相手がどんなに悪党だろうが凶暴な魔物だろうが、こちらから手を出さない限りは相手から攻撃を受けることはないように、期間限定スキルの『安全な三日間』を〝三日以内に安全な町に辿り着ける様に特別だよ〟と励ましの言葉と一緒に貰った。相手からは見えてはいたとしても認識されない、空気スキルなんだとか。

 国や町の特徴を教えることは出来ないとのことだが、僕たちは比較的治安の良い町の近くから出発できるようだ。白いホールの中央にある大きなテーブルには、この世界の大きな地図が広げられており、治安の良い場所は緑色に光り危険な場所は赤く光っている。地図には分かりやすい様に城や町や森や洞窟の絵が描かれている。国全体が広く赤く光っている場所は戦争が起きている地域なんだそうだ。森や洞窟の赤は魔物が生息していたり、山賊が住み着いていたりとイロイロ。

 そうそう、僕らに何か魔王討伐のような使命がないのか確認したところ、特にそういったものは無いから好きに生きていいと言われてしまった。
「皆さまは、あくまで実験なのですから」と……
 
 
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