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第2章「魔法都市ヴェル」
第14話「サラとリン」
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「エルク、ちょっと良いかしら?」
僕たちは今、冒険者の仕事を休みにしている。ケガの治療に専念するためだ。
余裕があるわけではないが、無理をして酷くなっては意味が無い。
まぁそのケガ人のリンは、朝からアリアと遊びに出かけているのだが。
僕は宿に引き籠って居た。
引き籠りが冒険者になったのに、また引き籠りに巻き戻りだ。
お昼を過ぎた頃に、サラが僕に話しかけてきた。
「どうしました?」
サラの表情は硬い。
「昨日、あいつらを助けた事の話なんだけど」
「あいつら?」
「護衛依頼のあいつらよ」
あぁ、その話なら全員で決めた事だから全員の責任だ、って自分が言い出したじゃないか。
「それで、話と言うのは?」
「なんであんな奴ら助けに行ったのよ」
サラは腕を組んで、人差し指をトントンしながら、僕の答えを待っている。
「確かに彼らがリンに言った事は僕も許せません」
「じゃあなんで!」
「だからと言って、見殺しにして良いとも、僕は思いません」
思い切り睨め付けてくる。勿論サラの気持ちだってわかる、思い出しただけでもムカムカする。
出来るなら殴り飛ばしてやりたいぐらいだ。
「なに? それじゃあ助ければ、また前のジーンさん達みたいに改心してくれると思っちゃってるわけ?」
サラは頬のあたりをピクピクさせながら、笑うように吐き捨てる。
「はっ、そんなお花畑の幻想抱いてるの? あぁ、それとも、そんな誰にでも優しくなれる自分に酔っちゃってる?」
「……サラ」
「正直アンタはどうしたいのか、わからないわ」
「僕は」
言いかけて言葉を飲み込む。
彼らに反省して欲しかった。だがキラーベアから助けても反省しなかった彼らが、また助けられたからといって反省すると思うか? と言われれば答えはNOだ。
そんな連中の為に命をかけているんだ。彼女から見たら理解できないのかもしれない。
僕自身も、そういった感情が無いわけじゃない、彼らがリンにした事に対して、バチが当たって欲しいという気持ちだってある。
ただ、それでも助けなくちゃいけないと思ったんだ。
「それで、今後も同じような事が起きた時に、そんな奴を助けるつもりなの?」
「そのつもりです」
「そっ、勝手にしなさい」
バンッ、と音を立て、ドアを閉めて出て行った。
冷たい声で、興味を失ったような目をしていた。
これはやらかしちゃったな。完全にサラを怒らしてしまった。
そりゃそうだ、リンにあんな酷い事を言った連中を助けに行ってケガしたんだ。
依頼は失敗するし、サラには嫌われるし、僕は何をやっているんだ。
しばらく彼女が出て行った後のドアを眺めていた。
すると、ガチャリとノブが回され、ドアが開く。アリアとリンが帰って来た。
もしかすると、僕がサラと話をするために、わざと朝から席をはずしてくれていたのかもしれない。
「サラに怒られて、凹んでいるエルクの様子を見に来た」
よしよし、と僕の頭を撫でてくるアリア。今の発言で更に凹んだよ。
やっぱりサラが何を話すか知っていたんだ。
「サラは別にエルクの事を怒ってないです」
「でも」
「サラはエルクの本心が知りたかっただけです」
「本心?」
リンはベッドに座り、いきなり服をまくり上げた。
えっ、ちょっと、もしかしてアレですか? 「体で慰めてあげるわ」って言うアレですか?
まだ昼間だし、それにアリアも居るのに、そんな。
「エルク、目を背けてないで見るです」
チラっと見てみる、リンは上着をお腹の部分まで捲っていた。 ウンソウダヨネ。
隣ではアリアが白い目で僕を見てる気がするけど。きっと気のせいだよね。
リンのお腹周りを見てみるとそこには、正直見るに堪えないような古傷がいくつもあった。
「リンは、元々奴隷だったです」
「……ッ!」
なんて声をかけてあげれば良いか、分からなかった。
ある程度予想はしていたが、それでも本人の口から直接語られると、少なからずショックを感じる。
「鞭や鈍器で叩かれたりしました、刃物で刺されたりしたこともあったです」
体の古傷を指さしながら、想像するだけでも気持ち悪くなる。
それを聞いて無表情ながらもアリアは青い顔をしている。当然だ、これで平気な顔をしていられる人間の方が僕はおかしいと思う。
「そんなリンを買い取ってくれたのが、サラのお父さんです」
アリアと会う前から、サラとリンは知り合いだったみたいだが、そういう繋がりがあったのか。
「サラのお父さんは、そういった獣人奴隷を買い取って、家で働かせてくれてたです」
「そうなんだ」
どんな風に雇っていたかわからないけど、リンの言葉から硬さが抜けている。
きっと優しい人だったのだろう。
「でも、サラはお父さんの真実を知ってしまったです」
「真実?」
「サラのお父さんは、可哀想な獣人奴隷を買うのは、周りからの信頼を買うための手段だったです」
嘘だろ?
リンが言うには、サラの父は貴族で、可哀想な獣人奴隷を買う事により、貴族平民どちらからも評判の良い人物として信頼を寄せられていた。
その裏で、実は獣人奴隷を他の貴族に虐待するように指示しており、虐待された奴隷を買い取る事により、政治的なパフォーマンスを見せていた。
また、買い取った獣人奴隷は、サラの父を命の恩人のように思わせる事で、裏切られる危険性も、逃げられる心配もない、と。
サラはそれを知っていた。そしてサラが家の為に婚約者を決められた際に怒りが爆発し、幼い頃に引き取られ、姉妹のように育ったリンを連れて家を飛び出した。
「サラはエルクの優しさに、父の面影を感じてしまって臆病になっているだけです」
「そっか……」
いつの間にか、リンの隣にアリアが座って、リンを抱きしめていた。
目にいっぱい涙を溜めて。
「ごめん、こういう時、どう言えば良いか分からないから」
リンがいつもの舌打ちする表情になったが、舌打ちしないように堪えたのだろう。
「別に、構わないです」と言って、アリアの気が済むまで大人しく撫でられていた。
☆ ☆ ☆
時間が経ち、落ち着いてきたころ、コンコンとドアを叩く音がした。
そのままガチャリとドアノブが回る。
「失礼する」
シオンさんだ、こういう時は普通返事を待つものじゃないだろうか? まいいや。
「シオンさん、昨日は危ない所を助けていただきまして、ありがとうございます」
「気にするな。困ったときはまたいつでも呼んでくれ」
本当に気にしてないと言わんばかりに、目を細めフッと笑いかけてくれる。
「それより、お前たちに伝言を頼まれてきた」
「伝言ですか?」
「あぁ、冒険者ギルドとヴェル魔法学園が昨日の一件について話し合ったそうだ」
話し合いになった、つまり問題として取り上げられたのか。
「話し合いの結果。俺達と、お前たちがヴェル魔法学園に入学することになった」
「えっ?」
結果に至るまでの過程が知りたい。
流石に飛ばし過ぎだ。
「なんで入学することになったのですか?」
「前々から冒険者と学生が揉める事はあったからだ」
説明雑ッ!
シオンさんと3回位問答した結果、冒険者ギルドで話を聞こうという事になった。
サラを探してきてから冒険者ギルドに向かおう、そう思って宿を出たら、宿の入り口の隣で座ってるサラが居た。なんというか、家出をして玄関で待ってる子供のようだ。実際家出はしてるわけだけど。
出て来た僕と目が合う、気まずい。
「えっと、冒険者ギルドで話があるみたいだから、一緒に行こうか?」
「あぁそうなんだ、じゃあ一緒に行かないとね」
なんかギクシャクした変な会話になってしまった。
冒険者ギルドに着く頃には、いつも通りのサラに戻っていた。
僕たちは今、冒険者の仕事を休みにしている。ケガの治療に専念するためだ。
余裕があるわけではないが、無理をして酷くなっては意味が無い。
まぁそのケガ人のリンは、朝からアリアと遊びに出かけているのだが。
僕は宿に引き籠って居た。
引き籠りが冒険者になったのに、また引き籠りに巻き戻りだ。
お昼を過ぎた頃に、サラが僕に話しかけてきた。
「どうしました?」
サラの表情は硬い。
「昨日、あいつらを助けた事の話なんだけど」
「あいつら?」
「護衛依頼のあいつらよ」
あぁ、その話なら全員で決めた事だから全員の責任だ、って自分が言い出したじゃないか。
「それで、話と言うのは?」
「なんであんな奴ら助けに行ったのよ」
サラは腕を組んで、人差し指をトントンしながら、僕の答えを待っている。
「確かに彼らがリンに言った事は僕も許せません」
「じゃあなんで!」
「だからと言って、見殺しにして良いとも、僕は思いません」
思い切り睨め付けてくる。勿論サラの気持ちだってわかる、思い出しただけでもムカムカする。
出来るなら殴り飛ばしてやりたいぐらいだ。
「なに? それじゃあ助ければ、また前のジーンさん達みたいに改心してくれると思っちゃってるわけ?」
サラは頬のあたりをピクピクさせながら、笑うように吐き捨てる。
「はっ、そんなお花畑の幻想抱いてるの? あぁ、それとも、そんな誰にでも優しくなれる自分に酔っちゃってる?」
「……サラ」
「正直アンタはどうしたいのか、わからないわ」
「僕は」
言いかけて言葉を飲み込む。
彼らに反省して欲しかった。だがキラーベアから助けても反省しなかった彼らが、また助けられたからといって反省すると思うか? と言われれば答えはNOだ。
そんな連中の為に命をかけているんだ。彼女から見たら理解できないのかもしれない。
僕自身も、そういった感情が無いわけじゃない、彼らがリンにした事に対して、バチが当たって欲しいという気持ちだってある。
ただ、それでも助けなくちゃいけないと思ったんだ。
「それで、今後も同じような事が起きた時に、そんな奴を助けるつもりなの?」
「そのつもりです」
「そっ、勝手にしなさい」
バンッ、と音を立て、ドアを閉めて出て行った。
冷たい声で、興味を失ったような目をしていた。
これはやらかしちゃったな。完全にサラを怒らしてしまった。
そりゃそうだ、リンにあんな酷い事を言った連中を助けに行ってケガしたんだ。
依頼は失敗するし、サラには嫌われるし、僕は何をやっているんだ。
しばらく彼女が出て行った後のドアを眺めていた。
すると、ガチャリとノブが回され、ドアが開く。アリアとリンが帰って来た。
もしかすると、僕がサラと話をするために、わざと朝から席をはずしてくれていたのかもしれない。
「サラに怒られて、凹んでいるエルクの様子を見に来た」
よしよし、と僕の頭を撫でてくるアリア。今の発言で更に凹んだよ。
やっぱりサラが何を話すか知っていたんだ。
「サラは別にエルクの事を怒ってないです」
「でも」
「サラはエルクの本心が知りたかっただけです」
「本心?」
リンはベッドに座り、いきなり服をまくり上げた。
えっ、ちょっと、もしかしてアレですか? 「体で慰めてあげるわ」って言うアレですか?
まだ昼間だし、それにアリアも居るのに、そんな。
「エルク、目を背けてないで見るです」
チラっと見てみる、リンは上着をお腹の部分まで捲っていた。 ウンソウダヨネ。
隣ではアリアが白い目で僕を見てる気がするけど。きっと気のせいだよね。
リンのお腹周りを見てみるとそこには、正直見るに堪えないような古傷がいくつもあった。
「リンは、元々奴隷だったです」
「……ッ!」
なんて声をかけてあげれば良いか、分からなかった。
ある程度予想はしていたが、それでも本人の口から直接語られると、少なからずショックを感じる。
「鞭や鈍器で叩かれたりしました、刃物で刺されたりしたこともあったです」
体の古傷を指さしながら、想像するだけでも気持ち悪くなる。
それを聞いて無表情ながらもアリアは青い顔をしている。当然だ、これで平気な顔をしていられる人間の方が僕はおかしいと思う。
「そんなリンを買い取ってくれたのが、サラのお父さんです」
アリアと会う前から、サラとリンは知り合いだったみたいだが、そういう繋がりがあったのか。
「サラのお父さんは、そういった獣人奴隷を買い取って、家で働かせてくれてたです」
「そうなんだ」
どんな風に雇っていたかわからないけど、リンの言葉から硬さが抜けている。
きっと優しい人だったのだろう。
「でも、サラはお父さんの真実を知ってしまったです」
「真実?」
「サラのお父さんは、可哀想な獣人奴隷を買うのは、周りからの信頼を買うための手段だったです」
嘘だろ?
リンが言うには、サラの父は貴族で、可哀想な獣人奴隷を買う事により、貴族平民どちらからも評判の良い人物として信頼を寄せられていた。
その裏で、実は獣人奴隷を他の貴族に虐待するように指示しており、虐待された奴隷を買い取る事により、政治的なパフォーマンスを見せていた。
また、買い取った獣人奴隷は、サラの父を命の恩人のように思わせる事で、裏切られる危険性も、逃げられる心配もない、と。
サラはそれを知っていた。そしてサラが家の為に婚約者を決められた際に怒りが爆発し、幼い頃に引き取られ、姉妹のように育ったリンを連れて家を飛び出した。
「サラはエルクの優しさに、父の面影を感じてしまって臆病になっているだけです」
「そっか……」
いつの間にか、リンの隣にアリアが座って、リンを抱きしめていた。
目にいっぱい涙を溜めて。
「ごめん、こういう時、どう言えば良いか分からないから」
リンがいつもの舌打ちする表情になったが、舌打ちしないように堪えたのだろう。
「別に、構わないです」と言って、アリアの気が済むまで大人しく撫でられていた。
☆ ☆ ☆
時間が経ち、落ち着いてきたころ、コンコンとドアを叩く音がした。
そのままガチャリとドアノブが回る。
「失礼する」
シオンさんだ、こういう時は普通返事を待つものじゃないだろうか? まいいや。
「シオンさん、昨日は危ない所を助けていただきまして、ありがとうございます」
「気にするな。困ったときはまたいつでも呼んでくれ」
本当に気にしてないと言わんばかりに、目を細めフッと笑いかけてくれる。
「それより、お前たちに伝言を頼まれてきた」
「伝言ですか?」
「あぁ、冒険者ギルドとヴェル魔法学園が昨日の一件について話し合ったそうだ」
話し合いになった、つまり問題として取り上げられたのか。
「話し合いの結果。俺達と、お前たちがヴェル魔法学園に入学することになった」
「えっ?」
結果に至るまでの過程が知りたい。
流石に飛ばし過ぎだ。
「なんで入学することになったのですか?」
「前々から冒険者と学生が揉める事はあったからだ」
説明雑ッ!
シオンさんと3回位問答した結果、冒険者ギルドで話を聞こうという事になった。
サラを探してきてから冒険者ギルドに向かおう、そう思って宿を出たら、宿の入り口の隣で座ってるサラが居た。なんというか、家出をして玄関で待ってる子供のようだ。実際家出はしてるわけだけど。
出て来た僕と目が合う、気まずい。
「えっと、冒険者ギルドで話があるみたいだから、一緒に行こうか?」
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