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救えなかった君へ 後日談
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話し合いという名の無駄話が行われたのは、両名が死んだ翌日のことだった。
何度同じことを言わせるんだ。
「総監、考え直してください。全ての情報を開示するなど・・・・」
「全くです。同情を買おうとしていると思われますよ」
大袈裟なほど深い溜息をつくと、流石に全員が黙った。俺は半ば睨みつけるように会議室を見渡し、おもむろに口を開く。
「犯された罪の正しい情報を開示するのは当然のことだ。余計な憶測が飛び交うよりはマシだろう。遺族の情報が漏れたり、最悪漏れても心無い言葉を吐きかけられたりしても良いと言うのかい?
何より、同情を買う気なんてない。そんなもの、罪を犯した人間には不要なものだ」
最後の一言に全員が息を詰めた。何を今更、そんな顔を。普段は同じ意見だろうに。
「しかしですね・・・・九重は慕う者も多かったわけで、真相を全く知らない者が大半です。それなのに、そんな」
「そこに配慮して何になる? どれだけ彼が素晴らしい警察官だったとしても、私情で民間人を独自の協力者にし、テロリストと内通して警察内部の情報を流し、無抵抗の民間人と部下へ発砲して怪我を負わせ、拉致して危険な目に遭わせたーー。この事実は覆らない。
だから俺は2人揃って罪に問うし、必要な情報は全て開示する。それが警察官というものだ」
それ以上の話は不要だった。俺はまだ何か言っている全員を無視して立ち上がり、颯爽と部屋を後にした。
部屋を出てすぐ、待っていた洋治に声をかけられた。
「不毛な話し合いは終わりましたか?」
「終わらせたよ」
洋治は失笑しながら壁に預けていた体を起こし、俺の背後を歩き始めた。俺は周囲に聞こえないよう、声を上げる。
「いつから気づいていたの?」
「玲央が早乙女佑月と再会した事件の時です。過去に描かれていた奴の似顔絵をあらかた模写して、あの人に見せました」
「あらかた?」
「描いた似顔絵は、あの人のものでしたから。間髪入れずに似ているなどと口にして、疑わない刑事がいますか?」
俺は思わず苦笑いを浮かべた。誘導尋問に近いことをして真相に辿り着いていたなんて、強引だけど優秀が過ぎる。
「流石だね。黙っていたのは、どうして?」
「話したら信じましたか?」
「疑うと思ってるの?」
「いえ。でも追及は躊躇いましたよね。実際、躊躇ったから対処が遅れた」
相変わらず辛辣だね、と返すと洋治は小さく溜息をついた。この態度も、相変わらずだ。
「・・・・洋治、」
「お断りします」
「何も言ってないんだけど」
「言わなくたって分かります。ーー私があの人の代わりにならないことくらい、1番理解しているでしょう。私があなた方に協力しているのは、志のようなものが一致したからです。尊敬だの何だの、いい話ではない」
分かっている。分かった上で、引き入れた。揺るがないことなんて百も承知だ。それなのに聞いてしまうのは、俺自身が揺らいでいるからだろう。
「証拠は揃えておきます。お望み通りになるよう、働きますよ」
「・・・・ありがとう、よろしく頼むよ」
黙って立ち去る洋治の背中を一瞥して、俺は仕事部屋へと歩を進めた。
何度同じことを言わせるんだ。
「総監、考え直してください。全ての情報を開示するなど・・・・」
「全くです。同情を買おうとしていると思われますよ」
大袈裟なほど深い溜息をつくと、流石に全員が黙った。俺は半ば睨みつけるように会議室を見渡し、おもむろに口を開く。
「犯された罪の正しい情報を開示するのは当然のことだ。余計な憶測が飛び交うよりはマシだろう。遺族の情報が漏れたり、最悪漏れても心無い言葉を吐きかけられたりしても良いと言うのかい?
何より、同情を買う気なんてない。そんなもの、罪を犯した人間には不要なものだ」
最後の一言に全員が息を詰めた。何を今更、そんな顔を。普段は同じ意見だろうに。
「しかしですね・・・・九重は慕う者も多かったわけで、真相を全く知らない者が大半です。それなのに、そんな」
「そこに配慮して何になる? どれだけ彼が素晴らしい警察官だったとしても、私情で民間人を独自の協力者にし、テロリストと内通して警察内部の情報を流し、無抵抗の民間人と部下へ発砲して怪我を負わせ、拉致して危険な目に遭わせたーー。この事実は覆らない。
だから俺は2人揃って罪に問うし、必要な情報は全て開示する。それが警察官というものだ」
それ以上の話は不要だった。俺はまだ何か言っている全員を無視して立ち上がり、颯爽と部屋を後にした。
部屋を出てすぐ、待っていた洋治に声をかけられた。
「不毛な話し合いは終わりましたか?」
「終わらせたよ」
洋治は失笑しながら壁に預けていた体を起こし、俺の背後を歩き始めた。俺は周囲に聞こえないよう、声を上げる。
「いつから気づいていたの?」
「玲央が早乙女佑月と再会した事件の時です。過去に描かれていた奴の似顔絵をあらかた模写して、あの人に見せました」
「あらかた?」
「描いた似顔絵は、あの人のものでしたから。間髪入れずに似ているなどと口にして、疑わない刑事がいますか?」
俺は思わず苦笑いを浮かべた。誘導尋問に近いことをして真相に辿り着いていたなんて、強引だけど優秀が過ぎる。
「流石だね。黙っていたのは、どうして?」
「話したら信じましたか?」
「疑うと思ってるの?」
「いえ。でも追及は躊躇いましたよね。実際、躊躇ったから対処が遅れた」
相変わらず辛辣だね、と返すと洋治は小さく溜息をついた。この態度も、相変わらずだ。
「・・・・洋治、」
「お断りします」
「何も言ってないんだけど」
「言わなくたって分かります。ーー私があの人の代わりにならないことくらい、1番理解しているでしょう。私があなた方に協力しているのは、志のようなものが一致したからです。尊敬だの何だの、いい話ではない」
分かっている。分かった上で、引き入れた。揺るがないことなんて百も承知だ。それなのに聞いてしまうのは、俺自身が揺らいでいるからだろう。
「証拠は揃えておきます。お望み通りになるよう、働きますよ」
「・・・・ありがとう、よろしく頼むよ」
黙って立ち去る洋治の背中を一瞥して、俺は仕事部屋へと歩を進めた。
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