幸せな脅迫は抗えぬ男にもどかしさを抱かせる

五月雨時雨

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幸せな脅迫は抗えぬ男にもどかしさを抱かせる

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掃除の際に溜め込んだ疲れと、流した汗が残ったままの裸体に縄が施されていく。日常に戻った時に見えぬ位置だけに跡が残るよう配慮された縄が、男の自由をゆっくりと奪い取っていく。
男はそれに対し、一切の抵抗を行わない。この時間の為に、自分は後輩が親戚から受け継いだ山奥の家屋へと赴き掃除の手伝いを行ったのだ。そんな事実を改めて胸の内で噛み締め興奮をじんわりと滾らせながら、男は会社の後輩である男がもたらす縄を無抵抗に受け入れていく。
ネットで自らの足に縄を施した写真や、自らの意思で手錠を嵌めた写真を公開していた瞬間に募らせていた欲求が満たされていく。自力では解けぬ拘束によって抵抗を禁じられていく。自分の秘密の愉しみを暴いたのが後輩で良かったと思いながら、先輩である男はやがて、自由を完全に奪われた姿となった。

「あ……ホントに、解けない……俺、縛られてる。○○に捕まってる……」

自分の弱みを握った上で願いを叶えると申し出た後輩を恍惚の表情で見上げながら、先輩の男は隠したくても隠せなくなった男根を硬く勃起させつつ己が置かれた状況をぼんやりと言葉で再確認する。
二の腕と胴体を繋ぐ縄と、背中で重ねさせられた肘から手首までの部分を括る縄、そしてそれらの縄を遊び無く結合する後から足された縄は幾ら力を込めても緩みすらしない。足首と太ももを短く括り左右の足に折り畳んだ形を維持させる縄も、耳障りに軋むのみで外れる気配すら見せない。無意味と知りつつ身をよじらせ周囲に助けはおろか民家すら存在しない状況で後輩の支配下に現実を噛み締めながら、男は歪んだ渇望が満たされていく感覚に愉悦を何処までも増幅させていく。
だが、後輩の手はまだとまらない。男の裸体を縛り上げた縄が入っていたバッグから次に取り出した拘束具を眼前に見せ付けた後輩は、目を一層蕩けさせ命じた訳でも無いのに口を大きく開いて準備に協力する先輩に笑みを深めながら、新たに用意した器具を、黒革の目隠しと穴の空いた赤いギャグボールを装着し始めた。

「あむ……んぅ、あうぅ」

自分でする時は、手足は常に自由ですぐに取り外せた。口から垂れ落ちる唾液も、すぐさま拭える状態にあった。
しかし、今は違う。後輩が外してくれなければ、自分はもう何も見ることなど出来ない。何もしゃべれず、だらしなく溢れる唾液を清めることも叶わない。
手足を縛る縄だけでもこれ以上無いくらいに幸福だったところに視界を閉ざし発言を禁じる上乗せの拘束を加えられた男は、己の惨めさを嫌でも思い知らされながら被虐の悦楽を膨らませていく。そうして分かりやすく発情と興奮を高めた先輩である男に自らの劣情も刺激された後輩の男は、この日の為に購入し畳に敷いた新品の布団の上で嬉しそうに身をくねらせている可愛い先輩の背後に回ると、普段から自分の指で苛め快楽を覚えられる器官に育てていた左右の乳首を捏ね回しながら、本性を表わし淫猥な脅迫を口にした。

「じゃあ……先輩。何をされても逆らえなくなったところで、このいやらしい身体をたっぷりと苛めてあげますよ。自分で弄っているところを世界中に見せちゃうくらいにはしたない乳首を、モザイク越しにビンビンになったところを披露してた恥知らずなチ○コを、自分で指を入れたり玩具でほじったりしてた欲張りなケツ穴をたくさん可愛がって、追い詰めて、俺に毎日縛られて弄ばれたいって考える淫乱に躾けてあげます。もう二度と俺以外の人間に大事なところを見せないって約束出来るようになるまで……気持ち良く苦しめ続けてあげますからね?」
「んまぅ、あぶうぅ!」

それだけで、良いの? そう約束するだけで毎日縛ってもらえるし、苛めてももらえるの?
全く脅迫になっていない最高の交換条件を提示する後輩の指に挟まれた乳首を優しく荒々しくいたぶられながら、先輩である男は実質的な愛の告白である一方的な要求に先程以上の悦びを募らせつつ、今すぐに肯定の返事を行えなくされた口からもどかしさを含んだ甘い呻きを飲み込めない唾液と共に迸らせていた。
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