BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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刑事達は箱の中で男根を押し付け合う

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首から下を緩み無く絞め付け、気を付けの姿勢を強要する黒と赤のラバースーツを着せられても、刑事の男達は強気な態度を保っていた。口に言葉を奪うスーツの色と合わせたギャグボールを噛まされても、刑事達はギャグボールの穴から唾液を垂れ流しつつ、怒りの唸りを発していた。自由と言葉を封じられた肉体を透明な箱の中に閉じ込められ、人が多く行き交う犯罪組織の拠点のホールに見世物として設置されても、刑事達は自分達に嘲笑を向ける者達に反抗の視線を向けていた。
それらの面影は、もうどこにも無い。箱の内部に発情を促す媚薬混じりの気体を流し込まれ、無理矢理に迎えさせられた発情によって思考を淫欲に支配された刑事達は、ただただ快楽を得ることのみを考える淫らな存在に成り果てている。
自分達を拘束し見世物にした男達への怒りも、自分達が見せていた反抗の態度も、人間としての誇りも思い出せない惨めな刑事達は、湧き上がる欲望のままに情けなく身をよじり、ラバースーツごしに仲間と男根を擦り付け合って甘い悦びを貪っていた。

「んむ、もぅ、おむぅんっ……!」
「うぁ、あぉ、はぉぉんっ、おふぅ」

もう一人に覆い被さり、一生懸命に腰を振って男根を刺激する刑事と、自分に覆い被さった刑事に向かって腰を突き出し、小刻みに身をくねらせて男根を刺激する刑事は、ラバースーツ同士が擦れる耳障りな音も意に介さず、情けなく腰を揺する自分達を箱の外から観察している男達の存在も忘れて一心不乱に快楽を欲している。
だが、手足を気を付けの姿勢で固定され思い通りに動けない以上、ラバーという壁がある以上、必死になって男根を押し付けあってもそれはもどかしさを加速させる快楽しか生めない。
射精したいという欲求は際限なく募るのに、射精にはどんなに頑張ってもたどり着けない。その焦燥感と苦しさは刑事達の理性を更に甘く叩き壊していき、壊された刑事達は自分達を余計に追い詰める選択を選んでしまう。射精を諦める選択肢ではなく、決してたどり着けない射精を追い求める選択肢を取ってしまう。

「あ、おぉぉっ! ふぅ、むぉぉっ」
「う、ぶふぅぅ……むぅ、んぐ、んふぅぅ」

一層激しく腰を振り合い、ラバーを鳴らしながら男根を刺激する刑事達。そんな刑事達の無様すぎる痴態を観察する男達は、刑事達が予定に沿って順調に崩壊へと進んでいる事実に満足げな笑みを浮かべながら、射精を望んで自らを淫欲に屈服させていく二人の姿という最高の見世物が飾られた箱に移動しなければならない時間が訪れるまで視線を寄せ続けていた。
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