BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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男の理性は欠片も残さず削り落とされる

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「ん……むぐぅぅぅ! ふっ、ふぅ! ん、もぉぉぉ……っ!」

目を塞ぐ銀のテープの下で眉根を寄せ、口を覆うテープの下から甘く歪んだ淫らな悲鳴を発しながら、男がテープによって手足を折り畳んだ状態で固定された裸体をベッドの上で苦しげに痙攣させつつ絶頂を迎えた。
しかし、男に絶頂を迎えさせた男は責めを一切緩めない。拘束を施し、哀願さえも放てない男を嬲っている男は尻穴に潜り込ませた右手の人差し指と中指の腹で過敏な弱点である前立腺をリズミカルに押し上げながら、ほとんど白の混じっていない薄まった精液を力無く吐き出す男根を丹念に舐め回して男を次の絶頂へと容赦無く追い詰めていく。
その無慈悲な快楽の責めから逃れたいと男が願っても、テープに手足を拘束され、目と口を塞がれた裸体では恥部を嬲る指と舌をとめられない。
抵抗の手段を根こそぎ奪い取られた男はもはや、自分を拘束した男が注ぐ快楽で好き勝手に翻弄され、望まぬ絶頂に悶えなくことしか出来ない。ついさっき達したばかりの肉体を指と舌で責め立てられ、十数度目の絶頂を迎えさせられても、男は悲痛にくぐもった喘ぎ声を情けなく部屋に響かせながら、とうとう訪れた射精を伴わない絶頂によがり狂わされるしか無いのだ。

「む、うぶぅっ! も、もご……ぼ、ふぶぐぅっ……!」

男の左手に腹部を押さえ付けられている汗と体液に塗れた裸体をガクガクと震わせ、手足のテープとベッドをうるさいくらいに軋ませながら、男は何も吐き出せなくさせられた男根を嬲る男の口内で哀しく脈打たせ、尻穴に入り込んでいる男の右指をきゅうきゅうときつく絞め付ける。
その絶頂の様子は、男の苦悶を言葉よりもはっきりと伝えるこれ以上無く痛々しい物で。休み無い悦楽で執拗に弄ばれた男は怒りや惨めさを完全に忘れ去った心で、必死に哀願の意思を唸りに乗せて自分を甘く苦しめる男に放った。

「んぅーっ! むぐ、むぅ! んむぅぅぅ……!」

一生懸命な救いを望む男の声。それを聞いた男は醜悪に目を細めると、口内に含んでいた男根を解放し、尻穴をいたぶっていた指をずるりと引き抜いた。

「むふぅっ! んも、もぉっ」

限界以上に感度を高められた尻穴から指が抜ける感覚に喘ぎを漏らし、萎えることも許されるまま絶頂を強いられ続けていたた男根を口から出された直後にじくじくと疼かせながら、男は指と舌が離れた事実に悦びを抱き、胸に安堵を募らせた。
テープに閉ざされた視界の向こうで男が無慈悲な行動を取っていることなど分からないまま、甘い地獄が終わったと思い込む男。そんな男の尻穴に、男は自身の男根をあてがった。男の痴態で限界まで張り詰めていた、極太の肉棒をだ。
尻穴に何かが触れたことを感じ取った男は安堵の感情を一瞬で恐怖に変えて身を強ばらせ、テープに縛られた左右の足を男の手が押さえ付けてきたことでこれから始まる更なる地獄を本能で悟った男は、顔を左右に振り乱しながら許しを請うために叫ぶ。

「むぐぅぅぅぅーっ!! んぅーっ! んぐふぅぅぅ!!」

喉が破れんばかりの懇願の叫び。その叫びを堪能し、悪魔の笑みを浮かべた男は、指でたっぷりと解した男の尻穴を自らの男根で一息に最奥まで貫いた。

「も、あぉぉっ! んぐ、も、ぼぉぉ……」

解されていた穴を奥まで一度に埋め尽くされた衝撃に裸体を仰け反らせ、尻穴を内側から押し広げる男根を腸壁で熱烈に包み込みながら、男は絶望の快楽に身をよじらせる。だが、その絶望も長くは続かない。男が腰を振り、感度を引き上げられた尻穴を男根でほじくり回され始めると絶望はあっという間に掻き消され、男はただただイき続けるだけの存在へと叩き落とされる。
屈辱も、悔しさも。あらゆる感情を挟み込む余地も無いまま男は射精無しの絶頂地獄へと追いやられ、男が求める通りにイくことしか出来ない淫らな存在へと陥落させられていく。

「んー! むぅ、むぐぅぅ! んもっ、もぉ、おぐぅぅぅーっ!!」

まだ、顔を振って快楽を拒む意思を示している。まだ、許しを欲する叫びを放っている。
それに気付いた男は腰の動きを速め、男の理性を欠片も残さず削り落とすようにより激しく男根で尻穴を掘削して男に淫らな屈服を促していた。
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