BLエロ小説短編集

五月雨時雨

文字の大きさ
1,495 / 1,582

男達は淫らな思考を無様に決壊させる

雄々しく、逞しく鍛えられた肉体から縄の音が奏でられ続けている。二人仲良く捕まり敵が所有する施設の一室へと裸体に縄化粧を施された状態で置き去りにされた男達が放つ諦めの悪い格闘の音が、絶えず発せられ続けている。
しかし、筋肉に覆われた身体をどんなにもがかせても、頑丈な縄による縛めを自力で振り払うことは出来ない。左右の手首と二の腕同士をきつく結合し肘の部分を腹部へと縫い付ける上半身の縄をどんなに鳴らしても、足首と太ももを短く括り膝の上下も同様に括る形で施された後に部屋の床にあてがわれた丸い金具へと結わえ付けられた足の縄にどれだけ耳障りな音を立てさせても、向かい合わせの男達は仲間と逃れられぬという事実を共有し絶望を深める結果しか手に入れられはしない。
背中側で伸ばし切らされ胴体に繋げられた腕を暴れさせても、窮屈に折り畳まされ床に接続された足を必死に頑張らせても、全ては無駄で無意味でしかない。
そんな現実を嫌でも思い知らされながら憎き敵が残した地獄に為す術無く嬲られ続けた男達は、幾ら上半身を前に傾けても届かない仲間と共に肥大化させられた感情に理性を蝕まれつつ、更なる崩壊を残酷な責め苦によって促されていた。

「あ、あぁ、は、うあぁ」
「は、くぅ……あぅ、ふくぅっ」

窓の無い狭い部屋に注入された非道な空気に呼吸を支配された男達が、呼吸を際限無く甘く荒く乱しつつ惨めに声を上げる。吸入した者に望まぬ発情を引き起こす薬品を混ぜた空気が充満した部屋の中に閉じ込められた男達が、息を吸う度に膨らむ欲望に縄塗れの裸体を一層重く火照らされていく。
硬く張り詰めさせられた男根は、淫蜜をだらしなく垂らす痴態を延々と晒している。触れることも叶わず何かに擦り付けることも許されない男根を身悶えと脈動に合わせて跳ねさせながら、男達が仲間の発情を見聞きさせられつつ己の発情に正気を削り落とされていく。
もう、敵への怒りを思い出すことも出来ない。もはや、快感が欲しいとねだる自身の本能に否定を返す余裕も残されてはいない。
加速する一方の欲望に苛まれる男達。同じ地獄にいたぶられる仲間を観察させられつつ淫欲に憔悴させられていく男達。そんな二人の地獄は、唐突にその内容を変化させた。そのきっかけは、思考能力が大きく鈍った二人の内の片方が無自覚に紡いだ、至極当然の切望だった。

「イき、たい……!」

自身が放った言葉に遅れて気付き、慌てて口をつぐむ。けれどすでに手遅れで、片方が達した思考の決壊に突き動かされるように自らも切望を言葉にし始め、それに呼応するかの如くまた新たに欲を告げる流れに堕ちた男達はとうとう、あれだけ遠ざけていた淫猥な陥落へと転げ落ち始めてしまった。

「あぁ、イきたい。チ○コ、扱きたいぃ……っ!」
「誰か、チ○コ擦ってぇ……! お願いぃ……しゃせー、したいぃ。せーえき、びゅーびゅーしたいぃぃぃ……っ!!」

仲間に見せまいとしていた無様な自分を爛れた咆哮を上げつつ晒し、ひたすらに制していた腰振りを縄に許可された範囲で行って疼きに疼いている男根を上下左右に踊らせながら、男達は涙に潤んだ瞳に映る仲間と共に同じ堕落へと、射精に紐付いた快楽を得られるならどんな情報であっても悦んで提供する屈服へと、縄と生殺しを用意して去った敵の思惑通りに進まされていくのだった。
感想 10

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

機械に吊るされ男は容赦無く弄ばれる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

BL短編まとめ(異)

よしゆき
BL
短編のBLをまとめました。 冒頭にあらすじがあります。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

捜査員達は木馬の上で過敏な反応を見せる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。