BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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見世物達は客達の前で間抜けな往復を繰り返す

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敵達に絶えず見張られ、醜悪な視線を寄せる客の男達に囲まれた状態では逃走など行えはしない。
左右の足首に巻き付けられた黒革の枷と床に取り付けられた金具を結ぶ短い鎖を外そうと試みることも出来ず、二の腕を胸部へと繋ぎ左右の手首を胴体の真後ろで交差させた形に維持させる上半身の縄を握り拳の形を強要し指の使用を禁じる黒革製の鍵付き手袋を嵌められた手で解こうと企むこともままならない。
故に男達は、口に噛まされた球状の枷に接続されている透明なチューブを通して口内へと少量ずつ流し込まれる淫猥な薬品を嚥下しながら、背後にいる仲間と共に今自身に求められている行動を反抗心を押し殺しつつ繰り返していた。

「刑事さん達、動きが鈍くなってきてるよ?」
「足をガクガクさせてる暇があるなら、もっと早く身体を上下に動かして自分のお尻をじゅぼじゅぼ苛めなさい。でないと、後ろのお仲間がお仕置きされちゃうよー?」
「うぐっ、んぐっ、むぶうぅ……」
「もっ、ごほっ、ぶぐうぅっ!」

嘲りを前面に押し出した声音で、自分達を包囲した客の男達が更なる痴態の提供を要求する。疲労が蓄積し痙攣し始めた至極当たり前な足の反応すらも咎めながら、客達は拘束された二人に対して脅しを交え無様な自慰の加速を嬉々として指示する。
無論、手足を縛められた刑事達に拒絶の選択肢は認められていない。下手に抗えば後ろの仲間に追い打ちの非道が加えられる。自らではなく仲間への責めを脅迫として用いられた二人は、嫌だの唸りすら認められぬまま、震える足に力を込め上半身を往復させる速度の引き上げを要望通りに成していく。
その上下運動が自分達を惨めな悦楽に突き落とすと知っていても、床から伸びた太い金属製の柱によって支えられている背もたれのない椅子のような形状をした台の上部に生えている無数のイボを携えた太く長い紛い物の男根が尻穴を蹂躙する刺激を今まで以上に手繰り寄せると理解していても、自分達を捕らえた悪が経営する公には存在を秘匿された狂った店を盛り上げるインテリアの一つに貶められた刑事達は逆らう意思を示すことも出来ぬまま悪に暴かれ性感帯へと育てられた自らの尻穴を衆目に晒されながら掻き毟らされるしか無いのだ。

「うぉっ、もごっ、ふぶぅぅっ!」
「あがっ、むっ、あもぉぉっ!!」
「そうそう、やれば出来るじゃないか」
「さすが刑事さん達だ。見世物の仕事もお手の物ってね」

仮に許可されていたとしても侮辱を発した客達を睨み付けられなくなった目から大粒の涙を零しつつ、刑事達が甘く悲痛に鳴き喚く。
こんな辱めを受けながら、何より尻穴を自分自身で嬲りながら気持ち良くなるなんて正常ではない。自らに言い聞かせる言葉を誤魔化しきれない程の気持ち良いに掻き乱されながら、刑事達は二本の男根を間抜けに踊り狂わせつつ、二人仲良く尻穴だけでの絶頂へと上り詰めていく。

「おっ、イきそうだね」
「思いっきりイっちゃって良いよ。このお店に配属されて最初の射精を気持ち良くして、自分達がもう刑事じゃないってことをしっかり思い知りなさい」
「うっ、おっ、あぉぉぉぉぉーっ!!」
「んまっ、むっ、ぶぐぁぁぁぁぁぁっ!!」

絶望と、悪の手に堕ちた現実を再認識させる言葉に打ちひしがれながら、刑事達は腕の縄を軋ませつつ上半身を仰け反らせ、刑事としてだけでなく人間との決別を意味する最高に滑稽な射精を勢いよく迎えてしまった。
丸出しの男根達から噴き出た精液が、放物線を描いて店の床に敷かれた真紅の絨毯を白く汚す。同時に絶頂した二つの裸体が、客達の前で痛々しく痙攣しその痙攣に合わせて男根に残っていた精液を垂れ流していく。
もはや、何があってもとめるなと言い渡されていた裸体の上下運動がとまっていることにも気付けない。そんな状態を晒しながら尻穴での絶頂姿を数十秒に渡って披露していた刑事達は、裸体の上下を再開させられずに全身をがくりと脱力させ偽の男根達に二つの尻穴を最奥まで征服される苦悶の瞬間を、偽の男根と繋がっている台に体重を掛けたことによって作動した勝手な休息を罰する機構が残忍な加虐を生み出す瞬間を、非道な観察者達に提供してしまった。

「あぉっ!? もごぁぁぁぁっ!?」
「あーぁ、座っちゃったね。いけない子だ」
「うぐっ! もがぉぉっ!?」
「念の為言っとくけど、僕達はもちろん助けてあげないよ? 命令されてないことを勝手にした駄目な自分達を反省しながら、たっぷりと気持ち良く苦しみなさい。良いね?」

偽の男根が、自身を接続された台を支える柱達を真上へと伸ばされた男根達が、二人の刑事の解れきった穴を串刺しにしていく。刑事達が脱力した裸体の制御を取り戻すよりも先に、作り物の男根を有した台が二人を上へと、足首と床を結合された足が床に付かない高さへと運んでいく。

「うぅっ! んぐっ! ぼもぉぉっ!!」
「あっ、がぶっ、ぼごぉぉっ!!」

より鮮明に感じさせられ始めた尻穴の異物に恐怖し、宙に浮いた足を狭い範囲で揺らし上半身をみっともなくよじらせながらなりふり構わずに許しを請う刑事達。そんな正義の自覚を完全に忘れた哀願を満喫しながら、客の男達はもうすぐ始まる二人が口内により効果の強い淫薬を注入されながら為す術無くイきまくらされる連続絶頂という娯楽に、さっきまで繰り返されていた上下運動が生成していた快楽とは比較にもならない程の悦楽を自ら荒々しく首を振ることで作り出し始めた機械仕掛けの男根達に刑事達が悶え苦しみ一切触れられていない男根から次々と精液を溢れさせる絶頂地獄という拷問の光景に、己の男根を衣服の下で滾らせつつ期待と興奮を募らせていくのだった。
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