BLエロ小説短編集

丸出しの恥部は気高く無様な写真の下で嬲られる

舌を噛み切っての自害を言葉の使用と共に禁じる黒い棒状の枷を装着されている。そんな事実を欠片も感じさせない鋭い目を自身にカメラを向ける存在に浴びせていた男が、無様さと気高さを同時に感じさせる己の写真の下で惨め極まりない痴態を絶え間無く晒し続けている。
衣服を剥ぎ取られた裸体の大部分を壁の中に埋め込まれた男がどんなにもがいても、悪趣味な責め苦からは抜け出せない。数時間前に撮られた自らの写真の真下で露出を強いられている尻肉とその周辺を必死によじらせてみても、男は心と身体を甘く痛め付ける淫猥な地獄から逃れられはしない。
写真と尻肉の間に位置する壁から伸びた鎖の先に尻穴を深くまで貫いた機械仕掛けの醜悪な釣り針を接続され、閉じることを不可能にされた足の間の壁と白いコードで繋がっている内部にローターが仕込まれた黒革製のベルトを男根の根元と亀頭の下に巻き付けられた男は、腸壁と性器を嬲る振動にただただ悶絶を強いられるだけの存在だ。
恥を捨てて男根を振り乱してみても、無慈悲に震え続けるベルトは外れない。それどころか尻肉を暴れさせれば暴れさせる程、尻穴を満たす残酷な釣り針が自身の表面に携えている無数のイボが腸内を淫猥に掻き毟り更なる至福を味わわせてくる。
そんな八方塞がりの状態に追いやられた男はもう、時折無防備にさらけ出された恥部をからかうように撫でてくる敵の手指に駄目押しの屈辱を覚えさせられながらイくことしか出来はしない。事態の好転を求める試行錯誤すらも淫らな加虐を加速させる材料へと変換させられた哀れな男はもはや、為す術無く淫具に苛まれている自分の恥ずかしい場所を観察して愉しんでいる敵達の気配に悔しさを募らせながら諦めの悪い忍耐を突き崩されつつの射精を迎えるしか無い。
壁の中で腕を拘束され写真と同じ枷によって口を塞がれた男は、過去の自分と今の自分の対比を満喫している敵達の前でその気丈な心に絶望を湧き上がらせながら地獄を一層容赦の無い物へと引き上げる条件に仕立てられた絶頂に、何度も何度も押し上げられるだけの存在でしか無いのだ。
壁の向こうには一切届かない甘く蕩けた悲鳴を口枷越しに放ち、敵達を悦ばせる見世物に貶められた壁から突き出ている尻肉周りを間抜けにくねらせながら、男がまた望まぬ絶頂を強いられる。尻穴の淫具と壁を結ぶ鎖を甲高く鳴らし、無慈悲なベルトによって休み無く震わされている男根を踊り狂わせながら、捕らわれた男が正確な回数も忘れた絶頂へと上り詰めさせられる。
そうして迎えた頂点に合わせて敵達の前で噴き出した精液は、男を埋め込んだ壁の下部に配置された強化ガラス製のケースへと垂れ落ちていく。そのケースは、残酷な機構に紐付けされた重量計と一体化している。内部に蓄積した物体の重みが増えれば増える程、男根をいたぶる二本のベルトの振動は苛烈な物へと変化し、男の上半身を隔離した壁の内部に設けられている空間に送り込まれる空気は吸入するだけで発情を促す冷酷な淫薬の濃度を高めた物に置き換えられていく。
そんな追撃を最初に説明されながらも我慢しきれずにまた絶頂に達した滑稽な男を無言で嘲笑いながら、敵達は汗を始めとしたあらゆる体液に濡れた裸体を絶頂した罰と言わんばかりに弄んでいく。尻肉を打ちすえられたら、反射的に腸壁が締まり釣り針の摩擦をより鮮明に感じさせられてしまう。睾丸を捏ねられたら、まだ絶頂の余韻で鋭敏となっている亀頭を指で磨かれたら、地獄の増幅に繋がる先走りの分泌量を引き上げながら悦楽に悶絶させられてしまう。
それをはっきりと認識した上で好き勝手に追加の苦悶を注ぐ敵達にどうすることも出来ずに翻弄させられながら、男は写真に収められた時の自分が見たら嫌悪と侮蔑を向けるであろう痛々しく蕩けた表情で自分にしか聞こえない甘く歪んだ獣のような咆哮を上げ、まだ敵に敗北などしていないと自らを無意味に鼓舞しつつ、己を完全な屈服へと導く要素と化した精液をケース目掛けて勢いよく悪達の視線の中でひり出していくのだった。