BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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無防備な穴は残酷な薬品で容赦無く狂わされる

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肌触りの良い赤い革が張られ、各所に本来ならば必要の無いはずの丸い形状をした金具が取り付けられている。そんな拘束を目的として作成された悪趣味な一人掛けソファーに乗せられた男は、衣服を剥ぎ取られた裸体に無様な姿を強いる縛め達の圧迫を味わわされながら、自分を捕らえた男が放つ勝利の実感に浸った嘲りの言葉に誇りを為す術無く切り刻まれていた。

「捜査員さん、おはよう。私に捕まって、みっともない格好で目覚めた気分はどうだい? 手も足も出せず、しゃべることも出来ず、こうして恥ずかしい場所を至近距離で観察されても……惨めに悔しがることしか出来ない立場に追いやられた気分はどうだい? んん?」
「むぐっ……うぅぅぅ……っ!!」

床に直接あぐらをかいて座り込んだ男が、丸出しとなった尻穴と男根がこれ以上無くはっきりと観察出来る位置に陣取っていた。その事実を覚醒したばかりの思考で即座に理解させられた捜査員は、悪に属する憎き男の眼前で間抜けに恥部を揺らめかせつつ、焦りを湧き上がらせながらなりふり構わない態度で意識を失っている間に加えられた拘束との格闘を試み始めた。
口を閉じた状態に保たせる黒色をした強力な粘着テープによる栓越しにくぐもった唸りを零しつつ、捜査員が背中をソファーの座面に預けさせられた裸体をじたばたともがかせる。己の男根の向こうに見える愉悦を剥き出しにした悪の男の笑みを睨み付けながら、捜査員が自身の正義と辱めを嫌がる理性に従って脱出を必死に求める。
だが、どんなに手足を暴れさせてみても拘束は解けない。左右の足首に嵌められた黒革の枷とソファーの背もたれの頂点に用意された金具を短く結ぶ鎖は外れず、すねの枷と背もたれの側面に位置する金具を繋ぐ鎖も振り払えない。握り拳の維持を強要し指の使用を禁じる機構を有した黒革製の手袋と一体化している手首の枷を肘置きの側面に接続された金具へと結合する鎖も、自らの太ももを窮屈に抱え込む形を取らされた左右の腕の手首から肘までの部分をきつく一つに括る黒革の拘束具も、逃れたいと願う捜査員の意思とは裏腹に全くビクともしない。

「んっ、んむ、ぶふぅぅ……!」

悪の手に堕ちた現実を否が応でも思い知らせてくる厳重な拘束と悠然と注がれる満面の笑みに絶望を募らせながら、捜査員はじょじょに表情を痛々しく歪ませていく。
この男の支配下に置かれた以上、自分は二度と正常な日々には戻れない。捜査員として得た悪の男にまつわる非道な情報の数々を思い返しながら、自由を奪われた男はすでに無駄だと理解したはずの足掻きの勢いを無意味に加速させていく。
その実に滑稽な反応を独占しながら、悪の男は捜査員から見て死角となる床の上に準備していた器具をトレーから手に取る。そしてその器具を捜査員自身の男根越しに見せ付け、背もたれに膝から下を密着させられた左右の足の間に挟まれた顔が恐怖と戦慄に染まり左右に虚しく揺れる光景を満喫しながら、悪の男は見た目が注射器に似た器具の針の代わりに存在している丸みを帯びた部分を何の躊躇いも見せずに無防備な尻穴へと差し込み、唐突な異物の感触に思わず不快感を示す抗えぬ正義を先程よりも黒さを増した顔で嘲笑いつつ、残酷な責め苦を嬉々としてもたらし始めた。

「どうやらその様子を見る限り、最悪の気分って感じみたいだねぇ。でも大丈夫、これから始まる地獄よりはマシな気分のはずだよ。捜査員さんが調べてただろうこのお薬でお尻の穴を馬鹿にされながら悶え苦しむところを私に余すところ無く愉しまれるよりは、ねぇ」
「むぅぅぅっ!? ぐ、ぶふっ! もごぉぉ……っ!!」

尻穴に潜り込んだ器具の内部に注がれていた無慈悲な液体が、器具の底を押し込んだ悪の男の計画に沿って捜査員の体内を蝕んでいく。粘膜から即座に吸収され効果を発揮するよう調合された薬品が、気が狂うような疼きと痒みを同時に発生させる甘く残忍な薬品が、大きく動かせぬ手足を情けなくバタつかせながら鳴き喚く程度の抵抗しか行えなくなった捜査員の腸壁を正気と共に打ちのめしていく。

「んーぅっ! んぐっ、ぶむぅぅぅぅっ!!」

恥を捨てて紡がれるやめてくれの思いを込めた絶叫を無視し、尻穴をあっという間に征服した疼きと痒みの解消を懇願する涙に潤んだ瞳に冷たく細めた目を返しながら、悪の男は中身が空になった器具を先程とは反対の左側にある何も乗っていないトレーへと置き、中にたっぷりと薬品を携えた新たな器具をまた手に取り、怯えを露わにした哀願を一生懸命に寄せる捜査員を堪能しつつ薬の効果に屈して硬く勃起した男根の下で苦しげにヒクヒクと収縮を繰り返している尻穴に駄目押しの疼きと痒みを追加するべく、器具をゆっくりと、最大限に恐怖を煽る速度で迫らせていた。
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