BLエロ小説短編集

正義達は狂った宴の中心で惨めな絶頂を披露させられる

正義に燃えていた頃の鋭さを跡形も無く失った瞳から大粒の涙を零しつつ、男達が隣にいる仲間と共に観客に全てを観察されながらの無様な移動を繰り返している。
黒色をした複数の穴が空いているギャグボールをそれぞれの口に噛まされた男達が、屈辱に満ちた仕打ちに対する抗議の意味を乗せた唸りを放つ気力も失ったまま、荒く乱れた呼吸と合わせて唾液をだらしなく垂れ流しつつの前進を求められるがままになさけなく強いられている。

「んうぅ……むぐうぅ……！」
「もごっ、あおぉぉ……っ！」

嘲りと侮蔑と、愉悦を剥き出しにした視線が全身に突き刺さる。惨めに歪んだ顔を眺められ、こんな状況だというのにみっともなく体積を増している男根が移動の度に跳ねる様を堪能されながら、同じ立場に追いやられた仲間と一緒に痴態を晒しつつ望まぬ歩行を重ねさせられていく。
その誇りを痛め付け尊厳を踏みにじる仕打ちから逃れたくても、男達は逃れられない。上半身に左右の二の腕と胸部を繋ぎ左右の手首を胴体の真後ろで交差させた状態にさせる縄を着せられ、下半身に左右の足首とすね、そして太もも同士を遊び無く括る縄を与えられた男達は、駄目押しで加えられた左右の手に握り拳の形を維持させるギャグボールと同じ色の革で作られた鍵付きの手袋の圧迫を感じさせられながら、隙間無く一つに結合された不自由な足を用いての移動を隷属の証である黒革の首輪から伸びた鎖を引く男の意図に沿って行わされるしか無い。
上半身の縄へと後から付け足された縄の先にある釣り針のような形状をした器具を奥深くまで飲み込まされた尻穴が裸体を動かすのに合わせて腸壁を表面に纏ったイボで苛烈に抉ってくると知っていても、涙で滲んだ視界に宴の場の中央へと設置された悪趣味な檻が映っても、戦いの為の力を没収されただの人間に戻された裸体に厳重な拘束を施された男達は、ヒーローらしい気高き抵抗など何一つとして示せぬまま仲良く床と天井部分を除く全てが透明な素材で作られた縦に長い箱型の檻へと、抗えぬ身体を向かい合わせで詰め込まれるしか無いのだ。

「んぅぅーっ！ むふ、あむうぅ」
「むぉっ、ふうぅ！ んむあぁ……！」

移動用に用いていた長い鎖を外され、代わりにお互いの首輪の前部を短く結わえる鎖をもたらされた男達が、至近距離に見える仲間と絶望を共有しつつ悲痛な唸りを上げる。箱の狭さ故に嫌でも硬く膨らんでいた乳首同士と男根同士が密着する状況に置かれた男達が、その程度の刺激でも強い悦楽を覚えるよう自分達を捕らえた悪に開発されてしまったという現実に打ちひしがれつつ、余計な悦びを引き寄せてしまわないよう裸体の悶えを可能な限りに抑えようと試みる。
無論、非道な悪はその試みを許さない。檻を包囲し透明な壁越しに元ヒーローの男達を鑑賞している悪に招かれた観客達も、その試みを認めない。
正義を打ち倒して支配下に置き見世物へと貶めた悪達は、観客が欲する滑稽な悶絶を提供する為に甘く無慈悲な追撃を開始させるスイッチを操作し、それまで静止していた尻穴を貫いている釣り針に淫らな雌の至福と直結した振動を開始させてしまった。

「もごぉぉぉーっ！？ んぶっ、ぼむぁぁぁーっ！！」
「んみゅぅぅぅっ！？ おむっ、あむうぅぅ！ ふみゅぅぅぅぅぅーっ！！」

驚愕と戦慄に目を見開きながら一層激しく身悶えても、それは触れ合った乳首と男根を捏ね合い尻穴で暴れ出した淫具で更に腸壁を掻き毟る結果を生むだけ。悪に囲まれながらの絶頂など迎えさせられたくないと願いつつ頑張っても、それは無駄に耐える敗北したヒーロー達という新たな娯楽を提供する結果に終わるだけ。

「あぉっ、むあぁぁっ！ んふぅぅ、むふうぅぅ！」
「んーっ！ んぅぅぅーっ！！ ふっ、むふっ、あもぉぉぉぉーっ！！」

どう足掻いても、絶頂はとめられない。檻を隔ててあらゆる方向から突き刺さる好奇と興奮の眼差しの中でその情報を思い知らされながら、ヒーローとして戦いヒーローとして悪に捕らわれ人として雄としての己を甘く淫蕩な地獄で作り変えられた男達は痙攣に合わせて口付けでも交わしているようにギャグボールを緩くぶつけ合い理性による制御を離れた無自覚な腰振りに合わせて全身の縄を鳴らしつつ、今日一回目の射精を、後に逃げ場の無い箱内へと蓄積し自分達の汗と熱気を纏って鼻腔を嬲ることになる精液を、悪が主催した狂った宴の場の中心でもう一人の腹部目掛けて迸らせていくのだった。