BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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正義は堕落を認めざるを得ない程の幸福へと追い詰められる

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左右の手首を短い鎖で結合しつつ、手袋に見た目を似せた部分を用いて指を折り畳んだ握り拳の状態を維持させる。そんな黒革製の拘束がもたらす圧迫を絶えず感じさせられながら、男は今日も自身が敵の手に落ちた事実を休み無く思い知らされ続けていた。
隷属の立場に貶められた現実を常に自覚させる為にと黒革の首輪を装着され、その首輪の前部に位置する金具と手の拘束具の金具を南京錠で遊び無く結合された腕は、伸ばすことはおろか暴れさせることさえままならない。腕の自由を大きく奪われ指の使用を禁じられた状況では言葉と共に自害の選択肢を没収させている喉近くまでを貫いた男根型の口枷を引き抜くことも叶わず、左右の膝から下を隙間無く密着させた形に保たせているブーツのような形状をした黒革の拘束を振り払うことも出来はしない。
そんな屈辱に追いやられた男は、自身を飼育する空間に選ばれた地下室に用意されているベッドの柵と足の縛めを繋ぐ長い鎖を時折冷たく鳴らしながら、脱出を試みる気力すらも失った心に淫猥な屈服に満ちた諦めを募らせていた。
どうせ今日も、あの男は抗えぬ自分を好き勝手に弄び甘く嬲るのだろう。今朝の食事に混ぜられた淫らな薬品の効果で火照りに火照らされている自分の身体を嘲笑いながら、荒々しい快楽で望まぬ至福を刻み付けてくるのだろう。
そう思考に浮かべた男にその通りだと答えるが如く、地下室の扉が開いた。そうして現れた男はいつもと変わらぬ醜悪な笑みを間抜けに自由を制限されたベッドの上の男に浴びせかけると、ズボンのファスナーを下ろして興奮に滾った自身の男根を露出させつつ、自分の欲を受け入れる以外の道を取り上げた男に絶対的な主の立場から命令を下した。

「さっさといつも通りご主人様にケツマ〇コ差し出せよ。捜査員さん?」
「んぐ、うぅ……っ」

逆らっても、加虐を加速させる理由を与えるだけだ。己にそう言い聞かせながら、捜査員と呼ばれた男が不自由な裸体をベッドの上で動かし求められた体勢を取っていく。
これは、自分を拉致した悪に強いられている行動なのだから仕方が無い。自身が抱いている安堵と愉悦の感情から目を背けながら、捜査員の男がベッドから下ろした足を床に着けベッドの上に残した上半身を拘束された腕で支える恥部を無防備に突き出した格好を悪の前で作っていく。
だが、幾ら胸の内で誤魔化してみても悪に捧げられた恥部は捜査員のあずかり知らぬところで憎きはずの悪に歓迎を示していく。食事に淫薬を仕込まれたからという情報だけでは説明が付かぬ程に開閉を繰り返しながら腸液を滲ませている尻穴と、ぴっちりと閉じさせられた太ももの裏側で嬉しそうに肉棒と睾丸を脈動させている男根は、正義の誇りを全く感じさせぬ態度で恥辱を早く早くとねだっている。
その無自覚で淫蕩な反応を満喫しながら、悪の男は悠然とした足取りで距離を詰めると捜査員の尻肉を鷲掴みにしつつ腰を落とし、欲しがりな尻穴に自身の男根の先端をあてがい、まだ敗北と同義の堕落が自らに訪れていることを認めようとしない強情で滑稽な正義にこれから始める幸せな淫獄の内容を説明してやった。

「上手にケツマ〇コを差し出せたな。そんじゃ、そんな良い子な捜査員さんのケツマ〇コをこれからたっぷり、いつものようにほじくり回してやるよ。大嫌いな悪人の俺のチ〇コに悦んで吸い付く淫乱なこの穴をめちゃくちゃに掻き回してやりながら、捜査員さんの大好きなケツイキを今日も何回も、何十回もさせてやるからな?」
「んもっ、もごおぉ……!」

そんなの好きじゃない。そんなの嬉しくない。心の中で否定の言葉を絶叫のように響かせる捜査員の尻穴を熱く張り詰めた男根で征服しながら、悪の男はありとあらゆる抵抗は諦めているのに自身がすでに肛虐の虜となっている事実は一向に肯定しようとはしない正義が早くも絶頂に達しようとしていることを看破しつつ、最後の瓦解を迎えないよう、完全な陥落には至らないよう雌の至福を拒んでいる捜査員を自分の手で堕とすべく腰を振る速度と腰を打ち付ける角度を変えた巧みな責めで腸内を甘く蹂躙し、捜査員の心と身体を自身を欺くことすら不可能とさせる程の幸福へと追い詰めていくのだった。
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