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少年達は一年越しの復讐を加えられる
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「くそっ! お前ら何なんだよ!! 離せ、離しやがれぇっ!!」
「離して下さいっ!! 一体、何でこんな……っ!」
「うるせぇよ! 大人しくしろ!!」
「おい! 頭と腕を押さえるの手伝ってくれよ! いつまで経っても取り付けられやしねぇ」
必死になって暴れる少年達に舌を打ちながら男は押さえ込みへの協力を仲間に求める。すると、それを受けた男達は次から次に手を伸ばして少年達の頭部と腕を掴み、黒のラバーで作られたアームバインダーの装着を手伝い始めた。
「く……うぅ! やめ、やめろぉぉっ!!」
「嫌だ、やめて下さいっ! あぁ、あぅぅぅっ!!」
後ろに回された腕が、指先から二の腕の部分までをラバーに包み込まれ、アームバインダーに付いているベルトによってきつく締め上げられる。もちろん少年達は抵抗したものの、大人と少年の筋力差がある事に加えて人数差もあっては敵う訳が無く、二人は腕の自由を完全に奪われた上にアームバインダーの表面に取り付けられた金具を天井から吊るされた鎖へと繋がれ、腕を背後で限界の高さまで持ち上げ続ける苦しい体勢を強いられてしまった。
「はっ……あぁ、くっ、くそぉっ……!」
「何で、僕達に、こんな事をっ……!」
じっとしていてもミシミシと軋む腕の痛みに顔をしかめながら、少年達は顔を男達の方に向けて怒り混じりの問いをぶつける。
なぜ自分達が突然使われなくなった雑居ビルの中に引きずり込まれ、理不尽な拘束を与えられなければならないのか。その理由を求めて強く問いかけた少年達に対し、男達は残酷な笑みを浮かべながら問いの答えを口にした。少年達を心の底から恐怖させる、答えを。
「一年前、俺達の組織を潰してくれただろ?」
「今日は、そのお礼をさせてもらおうと思って君達を捕まえたんだよ、ヒーロー君」
「な……っ!?」
男の口から発せられたヒーローと組織の単語に、二人の少年の表情が強ばる。
一年前に壊滅に追い込んだ悪の組織。その組織の残党が、ヒーローの正体が自分達であるという情報を持った上で目の前にいる。
その事実を知った瞬間、二人は嫌でも理解させられた。これは、理不尽な拘束ではなく、悪側から見れば筋の通った復讐計画だ。突然襲われたと思ったが、男達は二人が雑居ビル近くの人気の無い裏路地を近道として使っている事を知っていたのだろう。加えて、この周辺は似たような廃ビルばかりしか無く、騒いでも助けが来る望みが薄い事も知っていたのだろう。何より、平和になったが故に二人がヒーローとして戦う為の道具を持ち歩かなくなった事も、おそらく把握しているのだろう。
反抗的だった少年達の顔付きが、絶望に支配されていく。その絶望色の表情を愉しみながら、男達は新たな道具を持って逃れられない少年達に近付く。
「さぁ、ヒーロー君達。今からこれを取り付けてたっぷりお礼をしてあげるからね」
「や、何だよ、それ……。や、やめろぉっ! やめて、くれっ……嫌だ! や、んむぅぅぅっ!!」
「僕に触るなっ! そんな物、取り付けるなぁっ……! あ、むぉぉぉっ……!!」
無我夢中で顔を振って抵抗しても、二人がかりで顔を掴まれたらあっさりと抗えなくなり。往生際悪く口を引き結んでも無理矢理に大きく指で開かされ、少年ヒーロー達は黒革の本体にリング状をした金属が付いている開口具を抵抗虚しく装着されてしまった。
「良いね、似合ってるよ」
「悪を打ち倒したヒーロー君が無様に身動きと言葉を封じられてる。そのミスマッチが最高だ」
「うー……あぉぉっ」
「はぉ、おぅぅ」
閉じられなくされた口から呻きと唾液が溢れ、開口具に繋がれている透明なチューブ内に垂れ落ちる。肉体と言葉の自由を取り上げられ、侮蔑の言葉を浴びせかけられるだけでも耐えがたい屈辱だ。だが、復讐である以上、少年達に叩き込まれる屈辱はこんな物では終わらない。より苦悶を味わわせなければ、復讐の意味が無い。そう考える男達は、打ちひしがれて消沈する少年達の様子を観察しながら床に置いていた箱形の機械のスイッチを操作し、無慈悲な苦悶を二人の少年に注ぎ込み始めた。
開口具に結合したチューブ内に、熱した媚薬混じりの空気を流し込む残酷極まりない苦悶を、だ。
「あぉ!? ほ、ごほぉっ!」
「う、ぶふぅっ!? あー! あがっ、は……!」
少年ヒーロー達の口内に、熱い空気が勢いよく流し込まれる。今は熱しか感じていないようだが、あと五分もすれば媚薬の効果が発揮され、二人を望まぬ発情の熱で苛むだろう。
それを確信した男達は、口と腕の拘束に緩みが無い事を改めて確認すると不自由な体勢で身悶えている少年達から離れ、無情に言った。
「じゃあ、俺達は飯食ってくるから、二人でゆっくり愉しんでてね?」
「気が狂う前には多分ちゃんと戻ってくるから、安心して良いよ」
「うー! うごぉっ、ほぉ! あぉ、もほぉぉ!!」
「ひゅ、ぐひゅ……もぉ、ほぉ……おぅぅ! あぉぉぉっ!!」
行かないでくれと不明瞭な唸り声で一生懸命に伝える哀れな少年ヒーロー達の声を無視し、男達は発情する肉体を自身の手で慰める事も許されぬまま放置された二人の少年が大粒の汗を飛ばしながら快楽をねだる屈服の光景を思い浮かべながら、懇願の唸りを上げる二人に背を向けて歩き去って行った。
少年達が置き去りにされた空間には拘束具の鎖が立てる甲高い金属音と、熱した媚薬をチューブに流す機械の駆動音と、じょじょに甘く崩壊していく少年達の濡れた悲鳴が、響き渡っていた。
「離して下さいっ!! 一体、何でこんな……っ!」
「うるせぇよ! 大人しくしろ!!」
「おい! 頭と腕を押さえるの手伝ってくれよ! いつまで経っても取り付けられやしねぇ」
必死になって暴れる少年達に舌を打ちながら男は押さえ込みへの協力を仲間に求める。すると、それを受けた男達は次から次に手を伸ばして少年達の頭部と腕を掴み、黒のラバーで作られたアームバインダーの装着を手伝い始めた。
「く……うぅ! やめ、やめろぉぉっ!!」
「嫌だ、やめて下さいっ! あぁ、あぅぅぅっ!!」
後ろに回された腕が、指先から二の腕の部分までをラバーに包み込まれ、アームバインダーに付いているベルトによってきつく締め上げられる。もちろん少年達は抵抗したものの、大人と少年の筋力差がある事に加えて人数差もあっては敵う訳が無く、二人は腕の自由を完全に奪われた上にアームバインダーの表面に取り付けられた金具を天井から吊るされた鎖へと繋がれ、腕を背後で限界の高さまで持ち上げ続ける苦しい体勢を強いられてしまった。
「はっ……あぁ、くっ、くそぉっ……!」
「何で、僕達に、こんな事をっ……!」
じっとしていてもミシミシと軋む腕の痛みに顔をしかめながら、少年達は顔を男達の方に向けて怒り混じりの問いをぶつける。
なぜ自分達が突然使われなくなった雑居ビルの中に引きずり込まれ、理不尽な拘束を与えられなければならないのか。その理由を求めて強く問いかけた少年達に対し、男達は残酷な笑みを浮かべながら問いの答えを口にした。少年達を心の底から恐怖させる、答えを。
「一年前、俺達の組織を潰してくれただろ?」
「今日は、そのお礼をさせてもらおうと思って君達を捕まえたんだよ、ヒーロー君」
「な……っ!?」
男の口から発せられたヒーローと組織の単語に、二人の少年の表情が強ばる。
一年前に壊滅に追い込んだ悪の組織。その組織の残党が、ヒーローの正体が自分達であるという情報を持った上で目の前にいる。
その事実を知った瞬間、二人は嫌でも理解させられた。これは、理不尽な拘束ではなく、悪側から見れば筋の通った復讐計画だ。突然襲われたと思ったが、男達は二人が雑居ビル近くの人気の無い裏路地を近道として使っている事を知っていたのだろう。加えて、この周辺は似たような廃ビルばかりしか無く、騒いでも助けが来る望みが薄い事も知っていたのだろう。何より、平和になったが故に二人がヒーローとして戦う為の道具を持ち歩かなくなった事も、おそらく把握しているのだろう。
反抗的だった少年達の顔付きが、絶望に支配されていく。その絶望色の表情を愉しみながら、男達は新たな道具を持って逃れられない少年達に近付く。
「さぁ、ヒーロー君達。今からこれを取り付けてたっぷりお礼をしてあげるからね」
「や、何だよ、それ……。や、やめろぉっ! やめて、くれっ……嫌だ! や、んむぅぅぅっ!!」
「僕に触るなっ! そんな物、取り付けるなぁっ……! あ、むぉぉぉっ……!!」
無我夢中で顔を振って抵抗しても、二人がかりで顔を掴まれたらあっさりと抗えなくなり。往生際悪く口を引き結んでも無理矢理に大きく指で開かされ、少年ヒーロー達は黒革の本体にリング状をした金属が付いている開口具を抵抗虚しく装着されてしまった。
「良いね、似合ってるよ」
「悪を打ち倒したヒーロー君が無様に身動きと言葉を封じられてる。そのミスマッチが最高だ」
「うー……あぉぉっ」
「はぉ、おぅぅ」
閉じられなくされた口から呻きと唾液が溢れ、開口具に繋がれている透明なチューブ内に垂れ落ちる。肉体と言葉の自由を取り上げられ、侮蔑の言葉を浴びせかけられるだけでも耐えがたい屈辱だ。だが、復讐である以上、少年達に叩き込まれる屈辱はこんな物では終わらない。より苦悶を味わわせなければ、復讐の意味が無い。そう考える男達は、打ちひしがれて消沈する少年達の様子を観察しながら床に置いていた箱形の機械のスイッチを操作し、無慈悲な苦悶を二人の少年に注ぎ込み始めた。
開口具に結合したチューブ内に、熱した媚薬混じりの空気を流し込む残酷極まりない苦悶を、だ。
「あぉ!? ほ、ごほぉっ!」
「う、ぶふぅっ!? あー! あがっ、は……!」
少年ヒーロー達の口内に、熱い空気が勢いよく流し込まれる。今は熱しか感じていないようだが、あと五分もすれば媚薬の効果が発揮され、二人を望まぬ発情の熱で苛むだろう。
それを確信した男達は、口と腕の拘束に緩みが無い事を改めて確認すると不自由な体勢で身悶えている少年達から離れ、無情に言った。
「じゃあ、俺達は飯食ってくるから、二人でゆっくり愉しんでてね?」
「気が狂う前には多分ちゃんと戻ってくるから、安心して良いよ」
「うー! うごぉっ、ほぉ! あぉ、もほぉぉ!!」
「ひゅ、ぐひゅ……もぉ、ほぉ……おぅぅ! あぉぉぉっ!!」
行かないでくれと不明瞭な唸り声で一生懸命に伝える哀れな少年ヒーロー達の声を無視し、男達は発情する肉体を自身の手で慰める事も許されぬまま放置された二人の少年が大粒の汗を飛ばしながら快楽をねだる屈服の光景を思い浮かべながら、懇願の唸りを上げる二人に背を向けて歩き去って行った。
少年達が置き去りにされた空間には拘束具の鎖が立てる甲高い金属音と、熱した媚薬をチューブに流す機械の駆動音と、じょじょに甘く崩壊していく少年達の濡れた悲鳴が、響き渡っていた。
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