BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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青年は自らペットの立場を選ぶ

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「○○君、そろそろ起きたらどうだい?」

青年の耳に、自分が使用人を務める邸宅の主の声が聞こえる。それに気付いた青年は自分がうたた寝をしてしまっていたのかと思い、慌てて目を開いて立ち上がろうとした。
だが、青年は立ち上がれなかった。何故なら、眠っている間に衣服を剥ぎ取られた青年の裸体は椅子に薄い白布を何重にも巻き付けて縛り付けられ、身動きを完全に封じられてしまっていたからだ。
背もたれの後ろに回した状態で左右の手首を布に縛られ、縛られた手首と胴体を背もたれに括り付けられた青年の上半身はどんなに力を込めても背もたれから離れられず。椅子の脚に布で縛り付けられた足はもはや指しか自由に動かせず、立ち上がる事も叶わない。
服を没収されて裸体にされ、椅子に縛り付けられて無抵抗にされた使用人の青年。そんな青年を作り出した主の男は、青年の少年に立って微笑んでいる。その微笑んでいる主の男に、青年は困惑に満ちた声で尋ねた。

「だ、旦那様? 何で、こんな……俺、私が何を……っ?」
「すぐに分かるよ。さ、入っておいで」

分かりやすく狼狽し、怯えに震えた声で問いかける青年に主の男は目を細め、いたずらな笑みを浮かべると開かれていた部屋の扉の向こうにいる存在に入室を促す。
主の男が入室を促してから十数秒後、呼ばれた存在は主の男と椅子に拘束された裸体の青年がいる部屋に現れた。
茶色い犬の足を模したグローブとブーツを身に着けた裸体で四つん這いの体勢を取り、尻穴に深く埋まっているアナルパールから生えた茶色の尻尾をゆらゆらと揺らし、黒の首輪のすぐ上にある眼鏡を掛けた顔を、普段は理知的な表情を常に保っている顔を淫猥に蕩けさせたその存在を見て、青年は思わず驚愕の声を発した。

「せ、先輩……?」
「そう、君の先輩だよ。君が好きだって告白をした、沈着冷静な性格の下に淫乱な本性を隠している、君の先輩にして私の可愛いペットだ」
「っ!?」

二人きりの場所で行った告白の事をその場にいなかった筈の主の口から発せられた青年は、主と先輩が淫らな主従関係を結んでいる事実を知った青年は怯えの表情を恐怖で更に強ばらせ、先程よりも震えた声で謝罪を口にし始めた。

「ご、ごめんなさい! 私、先輩と旦那様の関係を知らなくて、お二人を邪魔するつもりも全く無くて……!」

自分の告白が、主の怒りを買ってしまった。そう判断した青年は逃げられなくされている裸体を主と主のすぐ近くで座り込んでいる犬の飾りを装着した先輩の方に向かって必死に突き出し、許しを求めた。
すると、主は予想を超えて怯えきっている青年に苦笑しながら、優しい声音で言った。

「謝る事なんて無いよ。私は君に怒っている訳じゃ無い。ただ、君にこの子の本当の姿を見てもらおうと思っているだけだよ」

そう言って、主は行儀良く座っているペットに目線で指示を出す。愛しい主から指示を受けたペットは嬉しそうにわんと一回鳴き、あらかじめ命令されていた行動を取った。それは、椅子に括り付けられた青年に恥部がよく見えるよう足を大きく開いてブリッジの体勢を取り、尻に埋まっている尻尾付きアナルパールをひり出すという行動だ。

「あぅ、きゃぅぅんっ! はっ、ひゃぅ、きゃうぅぅ!」
「ほら、よく見てごらん。大好きな先輩のお尻から、尻尾がいやらしく抜け落ちる所を」

犬の鳴き声を上げながら先輩が力む度に、腸内に埋まっていた大きな球が抜け出て、抜け落ちる衝撃を感じた先輩はビクビクと大きく跳ねて一際甘い鳴き声を上げつつ、入室した時からすでに勃起していた男根を前後左右に振り乱す。
尊敬していた先輩が幸せそうな表情を見せながら自らの意思で尻穴から淫具をひり出し、そのひり出している様子を主が脇で見下ろしながら先輩の痴態を見るよう促してくる。それは紛れもなく異常な状況だが、青年は異常さを強く実感しながらも痴態から目を離せない。球が一個ずつ抜け、最後の数個が淫具自身の重みで一気に抜け、いきなり淫具が勢いよく抜け落ちた事によって生まれた激しい快楽に濡れた悲鳴を発した先輩のぽっかりと開ききった尻穴がブリッジの体勢を保っている先輩の小刻みな痙攣に合わせてヒクヒクと淫猥に収縮する一部始終を食い入るように観察し、抑えきれずに自らの男根も硬く勃起させた青年。そんな青年に、主は提案を行った。

「君も、こんな風にいやらしく乱れたいかい?」
「え? いや、私は……っ!」
「嘘を付いても駄目だよ。君は、こんな風に乱れさせられたいんだろう? この子の言いなりになって、服従して、心も身体も飼い慣らされたいって思っているんだろう?」

この人は、何処まで自分を知っているんだろう。何処まで、自分の事を調べ上げたのだろう。
恐れを通り越して呆けている青年に、主は言葉を続ける。

「どうだい、この子と一緒に私のペットにならないかい? 君が大好きなこの子とずっと一緒にいられるし、嫌がる君の身体を無理矢理に調教して作りかえた男と違って、私は君を優しく可愛がってあげるよ。驚きのあまり逃げちゃわないように縛り付けたり、意地悪はするけど、痛い事なんてしない」

何もかもを、知られている。過去の出来事も、その過去のせいで淫らな肉体となった事も、自分の本性が淫猥である事すらも、主は把握している。

「…………」

言葉を紡げずにいる青年。その無言の青年に、今度は恥部を青年の前に晒し続けている先輩が言った。

「○○君……一緒に、ペットになろう? ご主人様が優しいのは、○○君も知ってるでしょう……? 昼間ちゃんと仕事して、夜にちゃんとしてる自分を捨てて、本当の自分をご主人様にたくさん可愛がってもらうの……幸せだよぉっ……ね、○○君……一緒にペットになろぉ……○○君と一緒にペットになって、一緒にご主人様に可愛がられて、一緒に、幸せになろぉ……ね?」

想いを寄せた先輩から恍惚とした口調で誘われた青年は、視線を先輩から主に移して主の提案に応えた。
先輩と共にペットとして可愛がられたい。
この人なら、過去の主とは絶対に違う。非道い事を一切せずに、毎日優しく可愛がって、甘く苛めてくれる。
その想いを胸で膨らませて、応えた。

「ご主人様ぁ……俺も、ペットにして下さいぃっ……先輩と一緒に飼って、幸せにさせてくださいぃっ……!」

青年が自分から発したペット宣言を聞きながら、二匹のペットの飼い主となった男は嬉しそうに笑ってもう必要が無くなった青年を縛る布を解く為に青年へと歩み寄り、新しいペット仲間が出来た先輩は勃起した自身の男根越しに青年を見つめる眼鏡の下の瞳を期待と欲情で爛々と輝かせていた。
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