BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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檻の中のペット達は幸せな営みを眺めさせられながら絶望する

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天蓋が付いた絢爛なベッドの上で、雄々しき男と華奢な青年が熱烈な愛の営みに耽っている。
愛しき男に優しく、時に荒々しく尻穴を男根で蹂躙されながら青年が心地良さと至福を剥き出しにした喘ぎを放ち、その幾ら耳にしても飽きない喘ぎを愉しみつつ男は同じ雄とは思えぬ程に弱い裸体を意地悪くも慈悲深く淫らに愛し抜いていく。
熱く甘い営みの光景。そんな様を、無様な姿に固められた男達はただただ惨めに見聞きさせられ続けるしか無い。
悪を束ねる総帥という存在である男が仕掛けた罠に嵌まり生きたまま捕らわれ連れ攫われた捜査員の男達は、すぐ隣にいる仲間と屈辱からの脱出に向けた協力を図ることはおろか声を用いた意思疎通を試みることすらも叶わない状態に置かれた肉体を絶えず嬲る生殺しの悦楽に休み無く狂わされながら、悪の総帥である男とその男に囲われている青年が快楽を貪り合う過程を観察させられるしか無い。
今の自分が人間以下の存在として扱われているという現実を常に思い知らせる犬を模した黒い革製の拘束服にほぼ全身を閉じ込められた捜査員達は、両手両足を折り畳んだ形に保たされ拘束服の内側に突き出た偽の男根で口を喉近くまで塞がれ四肢の自由と思い通りの発声を禁じられた二つの身体をベッドに高さを合わせた台座の上へと設置された狭い金属製の檻の中で苦しげに悶えさせながら、悪の手に堕ちた日から加えられたもどかしい地獄の仕上げを憎き悪の総帥に君臨した男とその男に心から寵愛されている青年の性交で施されるしか無いのだ。

「あっ、んっ、あぁんっ! ○○さぁんっ、それ好きですっ! 気持ちいいですぅっ!!」

悪の男が部下にすら許していない呼び方を迷い無く使いながら、青年が至福に歪んだ表情を檻の中にいる二匹に見せ付けつつだらしなく舌を垂らした口で悦びを示す。

「おやおや、あの子達に意地悪をする余裕があるのかい? なら……もっと激しくしても良いだろう? □□?」
「ひゃっ!? ひっ、んひぃっ! しょれ、もっひょひゅきぃっ! いっぱいしてっ、してくらひゃいぃっ!」

黒革に覆われていない左右の目で無自覚に羨望の眼差しを飛ばし唯一の呼吸孔となった鼻を頭部を彩る黒い犬の耳飾りと共に震わせながら腰を振って欲望を逃がすことも出来ない身体を小さな檻の中で仲良く滑稽によじらせている捜査員達に己の幸福を披露していた青年に気付き、より苛烈な行為を欲している青年の意図を即座に察した男が、檻の中の二匹を愉悦と侮蔑を込めた目で一瞥しつつ更なる快感を青年に流し込んでいく。
拘束服と一体化した犬の尻尾飾りと繋がっている細長く貧弱な淫具がもたらす微弱な振動とは全く違う肛虐を、拘束服に内蔵された黒革製の機構で性器全体を隙間無く覆われ男根に勃起すらも却下された捜査員達に対して男根の使い方を指南するかの如く、乳首と男根を手で責める追い打ちを交えながら青年に味わわせていく。

「ふぁっ、はぅぅんっ! ○○ひゃん、○○さぁぁんっ!!」
「ふふっ、またイきそうだね。良いよ、思いっきりイきなさい。さっきみたいにあの子達にエッチな□□を見せながら、恋人とペットの違いを教えてあげながら、可愛くイくんだよ?」
「ひゃ、ひゃいぃぃっ! イっ、イき、まひゅ! ワンちゃん達、しっかりぃっ! みっ、みへへ、ねぇぇっ!!」

男の手で上半身を起こされ膝立ちの姿勢で尻穴をほじられていた青年が、大好きな恋人の言葉を受けて檻の中の捜査員達に向き直る。男の左手で捏ねられている左の乳首と右手で扱かれている自身の男根がよく見えるよう、はしたなく蕩けきった顔を強調させるよう男に教わった頭部の両脇にピースサインを構える間抜けな姿を晒しながら、青年が何度目かも忘れた絶頂へと上り詰めていく。
その悦びと愛情をこれ以上無く感じさせる絶頂姿を檻の格子越しに眺めさせられながら、捜査員達は自分達があの絶頂と快感を恵んで貰える日は来ないのだと、犬として飼育される存在に堕ちたペットの自分達は今与えられている生殺しの中でこれから生き続けることになるのだという絶望の現実を、どれまで望んでも解放出来ない射精欲に狂わされながら思い知らされていくのだった。
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