BLエロ小説短編集

五月雨時雨

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容赦の無いイき地獄の中捜査員は気付かれること無く運搬される

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黒一色のワゴン車が、夜の街を何の変哲も無く走っている。運転席と助手席に一人ずつ男が座り、後部座席に三人の男が並んで座っている。そんなありふれた光景を内部に作った車が、一切の違和感無く賑わう街を走り抜けていく。
誰も、異常に気付きはしない。常識から外れた拘束を加えられた自分に、誰も気付いてはくれない。
長袖のシャツとジーンズに隠されている両手首と足首に嵌められた機械仕掛けの輪と、顔の下半分を覆う白いマスクの内側に隠されている口枷の要領で装着された喉近くまでを貫く棒状の装置がもたらす狂った拘束の存在を察してくれる者は、どれだけ願っても現れはしない。
全身の自由を外側から没収し意のままに操作する。そんな無慈悲な機構に囚われた男はもう、敵の支配下へと追いやられた事実に絶望を募らせながら為す術無く攫われることしか出来ない。後部座席の真ん中へと意に反して腰掛けさせられた哀れで無様な男はもはや、気を付けに近い体勢で座らされている肉体を休み無く嬲る淫猥な地獄に責め立てられながらどうすることも出来ずにイきまくらされるだけの存在でしか無いのだ。

「捜査員さーん? そろそろ街を出て高速に入っちまうぜ? このままじゃ、今よりもっと助けて貰える確率が下がっちまうぜ? 良いのかい?」
「ほら、捜査員さん。幾ら頑張っても動けないのは分かってるけどよ、ちょっとは正義らしく振る舞ってみろよ。ジーンズのケツと股間をびちゃびちゃに濡らしてないでさ」

自分を挟む位置に座った憎き悪の男達が、抗えぬ肉体を服の上から好き勝手に撫で回しつつ言葉を浴びせてくる。その状況に対して、捜査員であるはずの男は気高き怒りすらも紡げぬまま悶え苦しむことしか出来ない。指一本すら思い通りに動かせず苦悶の唸りを漏らすことすらも禁じられた捜査員の男は、真下から響く車の振動がジーンズと下着越しに尻穴を震わせる刺激だけでも絶頂に足してしまう程に淫らな感度を引き上げられた肉体を左右から残酷にまさぐる二人の悪に届かぬやめてくれを胸の内で叫びながら、悪の指に乳首をシャツの布地ごと荒く捏ねられジーンズの股間部分に溜まった精液に塗れている硬く張り詰めた男根をくすぐられ自身を運搬する車に尻穴を甘く殴り付けられつつ、痙攣や身悶えすらも封じられた身体を快楽の淵へと断続的に追い詰められるしか無い。
今取れる行動の選択肢を最大限に用いて繰り返した車外への助けてがことごとく無意味に終わった絶望に打ちひしがれながら淫蕩な悶絶を強いられる間抜けで惨めな捜査員は、嬉々として追加の加虐を宣告しつつ刺激を注ぐ左右の悪達に、これまで以上の恐怖と戦慄を与えられるしか無いのだ。

「ほら、もうすぐ高速だぜ。高速に入ったら、ちゃんと逃げられなかったお仕置きをしちゃうからな」
「高速に入ったら、しばらくどんだけ気持ち良くなってもイけないようにしてやるよ。イきたいのにイけない、イってるのにイけないお仕置きで駄目な自分を反省させながらたっぷり熟成させて、パーキングエリアで今前にいる奴らと交代してやるからな。それまで生殺しを味わいたくなかったら、早く逃げ出すんだぞー?」

数十秒間隔で快楽の頂点へと誘われている。そしてそれは、じょじょにその間隔を今も狭められている。
そんなイき地獄の中で言い渡された絶頂の却下に怯える反応も示せず恥を捨てた哀願も発せなくされた捜査員は、逃げなければという数えきれぬくらいに募らせた思いを新たな悦楽に押し潰されながら、何十度目かも分からなくなった絶頂をまた迎えさせられていた。
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