刑事は無様な悶絶を対価として求められる

五月雨時雨

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刑事は無様な悶絶を対価として求められる

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テーブルを挟みソファーに向かい合って腰掛けた男達が、言葉を交わしている。片方は几帳面にスーツを纏い、もう片方は荒々しくスーツを着崩した二人の男が、防音がしっかりと施された窓の無い部屋で会話を行っている。
そんな時間がどれくらい続いた頃だろう。着崩した男は微笑を浮かべて立ち上がりつつ、もう一人に感心と呆れが混じった声を掛けた。

「しかし……俺達みたいな鼻つまみ者にこんな形でお願いをしてくる刑事さんがいるとは思わなかったぜ。面白いな、アンタ」

掛けられた声に、刑事と呼ばれた男は迷い無い声音で言葉を返す。

「面白さは一切求めていないがね。これ以上刑事としての枠に縛られた行動を取っていては、被害が広がるばかりだ。ならば、しかるべき相手に協力を要請するのは当然だ。他に比べたら君達の組は善良であるし、この件に関しての立場はほぼ同じ方を向いているしな」
「くくっ……やっぱり面白いな」

刑事の背後に足を動かしながら、男が喉奥から笑いを零す。正義の人間でありながら世間から見て悪側に属する相手と協力を築く時点で非難を向けられるというのに、淡々と実益と効率のみを語る理知的な刑事に男は胸の内に獰猛な感情を滾らせていく。

「だが、今回の件は私の独断だ。表だった協力への感謝は出来そうに無い。私個人の資産から出すことになると思うが……部下を危険に向けて動かす以上それではやはり足りないだろうか?」
「いや、構わねーよ。俺は、アンタで十分だ」

返答に対する違和感を認識した直後、刑事の男は背後から迫った手に握られていた白い布に口と鼻を塞がれ、その布を湿らせる薬品の効果で焦り由来の抵抗虚しく意に染まぬ眠りへと追いやられていくのだった。




意識を取り戻した刑事を待っていたのは、眠らされる前とほぼ同じ状況だった。
自分はソファーに腰掛けている。男は正面のソファーに腰掛けている。けれど、決定的に違う部分がある。刑事の男は眠りに堕とされている間に衣服を一枚残らず剥ぎ取られ、代わりに縄を用いた拘束と、口を閉ざす白布の猿轡を与えられていた。

「刑事さん、おはよう。素敵な寝顔だったぜ」
「んぐ、むうぅ……!?」

何故、この男が自分に危害をもたらす必要がある? まさか、自分が把握していないだけでこの男も今回の件の黒幕側だったのか? 狼狽する刑事に口角を吊り上げながら、寝姿を無言で堪能していた男は立ち上がり、刑事の右隣へと腰を下ろした。

「おいおい、そんなに構えるなよ。言っただろ? 礼はアンタで十分だって」

ようやく男の意図に気付いた刑事が、驚愕に目を見開く。胸部と二の腕を繋ぎ左右の手首を胴体の真後ろで交差させた形に維持させる上半身の縄と左右の足首から太ももにかけてを数箇所に分けて一まとめに括る下半身の縄を軋ませながら身悶え、口内に詰められた白布と歯を割って噛まされた白布越しにくぐもった唸りを零しつつ拒絶の反応を示す。
無論、男はそれを受け入れない。本人の了承を得ずに刑事の肉体を対価に決定した男は、先程までの冷静さを無くした態度を至近距離で堪能しつつ、テーブルに置いた透明なビンの中で出番を待っていた最後の拘束を、取り込んだ者に意に染まぬ興奮を引き起こさせる薬品をたっぷりと染み込ませた白布を、嫌がる刑事の顔面に装着し始めた。

「安心しろよ。もうすでに俺の部下達は事態解決に向けて働かせてる。俺達はその報告をじっくり待ちながら……たっぷりと愉しんでりゃ良い。たくさん焦らして、鳴き喚いちまうくらいにお預けしてやるからよ。今回の協力分、可愛く悶える姿を俺だけに見せてくれよな? 刑事さん」
「ふぶ、むうぅ……!」

二枚の布に塞がれていた口を鼻と共に覆う形であてがわれた追い打ちの布が、自身を濡らす淫薬の力で刑事をゆっくりと狂わせていく。呼吸の度に体内へと入り込む薬品の効果に抗いきれずに体積を増した刑事の男根が、それを優しく握り巧みに摩擦する男の手で快楽を注がれ、宣言通りの生殺しの地獄へと追い詰められていく。
自分は、なんて相手に協力を欲してしまったのだろう。遅すぎる後悔に苛まれる様すらも堪能されながら、刑事は左腕で肩を抱いて身悶えを制限しつつ男根を右手で刺激する男の思惑に沿った可愛い痴態を、幾度と無く繰り返される射精の没収に悶絶する様を、男への報酬として披露させられていくのだった。
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