蜩の軀

田神 ナ子

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忍びの境編

迸る想い ★

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 竹林を通り抜ける風が心地良かった。
蒼白い月の光が笹の葉を照らし、きらきらと揺れる。直臣はその竹林を仰ぎながら涼をとっていた。
 「・・・・直臣様・・・」
その声に一瞬、ぴくりと肩を揺らす。
 「ここに居られたのですね。」
 「咲弥か・・・。暑くて眠れなかった・・・・ここは涼しい――」
僅かに咲弥の方を振り返った直臣が緩やかに笑む。
 「・・・・お前もか・・・・?」
と、咲弥に問う。
笹の葉が少し強くなった風にさざめく。
 この暑さがそうさせるのか――?
 この暑さで気が狂うのか――?
突然、背後に居たはずの咲弥が背中から直臣を抱き締めていた。
 「?!・・・・咲弥?」
不意のことに直臣は躰が動かない。
抱き締めていた指先が直臣の顎を持ち上げ、咲弥はその唇に口づけをする。
 「・・・ん・・・っ・・・咲・・弥・・・何を・・・・!」
重なり合った唇の微かな隙間から、吐息のような声が洩れる。
 (貴方を・・・愛している・・・・)
光を失ったその白銀の眸は、熱い熱い想いを迸らせた。
咲弥の唇が次の瞬間には強く直臣の唇を押し開き、生温かい舌が直臣の口内なかで蠢く。
 「・・・ん・・・っ・・・!」
必死に抵抗するが、咲弥の力強い四肢にまだ若い直臣の躰は敵わない。
咲弥の濡れた唇がゆっくりと首筋を這い下りていく。
 「・・・はぁ・・・・っ・・・・」
塞がれていた唇が解放されてやっとの思いで息をつく。
 「咲・・・弥・・やめ・・・っ・・・」

 ――判っている・・・
こんな事、許される事じゃない。
信頼されていた清正ひとを裏切るようなこと。信頼してくれている清正の大切な子息いのちを穢している。それでも・・・・この想いは抑えられない!
貴方は私を嫌うだろう。私を憎むだろう。
どうしようもなく愛している。愛している。だけど、貴方を失いたくない。
――どうすればいい・・・・・?
 「・・・私を・・・・私を解放して欲しい・・・・」
この想いから、貴方から解放されるのなら、楽になれるだろうか――?

 ぐっ、と咲弥の四肢が先程よりも強く直臣の躰をしてくる。その瞬間、支えきれなくなった直臣の両脚が崩れて地面に跪いた。咲弥はその躰を両腕で支えながらゆっくりと横たえ若い躰を覆う。
 「・・・許さな・・・い・・・!」
 「それなら・・・私を・・・私の想いを解放してくれますか・・・・・?」
咲弥の眸が切なく揺らいでいた。
 咲弥は太股で直臣の両脚を開くと擦りつけるように強くその股間を衝いてくる。それを何度も繰り返されるうちに、押し寄せて来る今までにない快感が直臣の柔軟な四肢を刺激する。
熱くなった躰は嘘をつけない――
 「・・・咲・・・・弥・・・・っ・・・!」
羞恥と快楽の狭間で直臣は震える。それでも容赦なく咲弥の唇と舌先が直臣の全身を這い回す。ゆっくりとその濡れた舌が下半身へ滑り降りて、直臣の今にも迸らんばかりの陰茎それを含んだ。
 「は・・・っ・・・あぁ・・・・っ」
直臣の引き締まった四肢が仰け反る。
止められなくなった快感に熱い息が漏れる直臣の口許を、咲弥の唇が微かに塞いで囁く。
 「・・・私を・・・・受け入れ・・・て・・・・」
咲弥の熱く硬くなった男根ものが直臣の体内なかにゆっくりとゆっくりと入ってくる―――
 「はぁっ・・・!あぁ・・・っ・・・んっ・・・!」
 「直・・・臣様・・・・っ!」
さらに奥深くまで咲弥の男根が直臣を突き上げる。頭の中から爪先までが痺れるような快感に直臣は躰を捩った。
――抑えられない・・・・・!
蒼い夜の闇の中で重なる二人の影は激しく悶えていた。

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