【BL】腐れ縁の幼馴染と、キスから始まる恋もある?【幼馴染同士・隠れ執着攻×鈍感受】

彩華

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2】俺の変わらない日常

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2】俺の変わらない日常

 俺の名前は、遠野葵。年は29。
年齢的に結婚とか、恋愛に焦りを感じつつ。どこかで、俺は俗にいう魔法使いになってしまうのでは? と思っている今日この頃。

何故か?
昔からある、男なら一度は聞いたことがあるような噂話のようなもの。30歳までに、そういった経験が無ければ、「魔法使い」になってしまうってやつ────つまり、俺は童貞。
童貞どころの話ではなく、彼女すらいたことがない。年齢イコール彼女いない歴。男友達なんかは多く、年上の先輩たちからも可愛がらせてきたが、如何せん。異性の友達はいてもモテはしなかった。下心があったり、別段特別にモテたい! という欲があるわけじゃない。だけれど、周囲にカップルが成就して、楽しい恋愛話を聞いていれば恋をしたくなるのは、普通なことだと思いたいから、許して欲しい。

(まぁ、昨今。そんなことを茶化すこともなければ、そう言った話をする機会も無いから別に良いだけど)

はぁ……、と溜息をついて現実世界に向かい合う。
楽しかった子供の頃を過ぎ、思春期の学生生活を終え。大人の階段を上りつつ、一人で生きていくため。自立するために社会人になった。無事に大学も卒業し、就職活動の荒波を抜け。志望していた会社の内定を取り、就職することが出来た。
とりあえずは、今生きる上で何とか自立出来ていると思う。順風満帆ってやつ。昔より、自炊だって上手くなったし。仕事も順調。数学が割と得意で、簿記とかの資格をとっていたこともあり、俺は内勤の方で得意の数字と向き合う日々。

カタカタと、キーボードを打ちながら、パソコン画面を見つめ。それから鳴りやまない電話の対応を続ける日々。営業職も大変だが、内勤だって大変なのだ。働いている社会人の皆、ともに頑張ろうな。
そんな、29年の人生でそれなりに変化はしているが変わらないことがある。


「お疲れ様です」

「あ、高木さん。お疲れ様です」
「お疲れです~!」

キャッ、と可愛らしい声が響くのは、決まってアイツが帰って来た時。どこにいたって、モテる男────高木圭介。


「お疲れ様です。遠野さん、今日の分です。清算をお願いします」

「……分かりました」

そう言って、外から戻って来て真っすぐに俺の席にやって来て。レシートを提出したのは、俺が十分知っている顔。29年顔を合わせ、声を聞き。腐れ縁の男。ニコリと無邪気に笑う笑顔も、昔と変わることは無く。

「遠野さん?」

(何が遠野さん? だ)

二人の時は、葵と呼ぶくせに。
そんなことを思いながら、俺は今日もこの腐れ縁の無駄にモてる男と同じ職場で働いている。

これが俺の変わらない日常。

******
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